一つ二つより、手間かけても百から選ぶが…
熟し柿は取りに行くもよし落つるを待つも…
知らない株に手を出すなは昔のこと 難し…
相場格言
2008年05月19日
犬丸正寛の相場の相談室 ―強弱ラインで見る―
日経平均は4月後半に「3分の1戻し」を達成し、次は「半値戻し」をうかがう動き、26週線も上抜きチャートはそろって好転
景気後退のなかのインフレで、半値戻し以上に買い上がるにはリスク大きい
データ
高値=1万8300円(2007年3月)
安値=1万1691円(2008年3月)
時価=1万4269円(2008年5月19日)
☆下げ幅の3分の1戻し水準=1万3894円 達成
☆下げ幅の半値戻し水準=1万4996円 あと727円
☆高値と安値の中間値段=1万4496円。 あと227円
☆13週線=1万3323円 奪回し抜いた
☆26週線=1万3655円 この度、奪回
中間値1万4496円前後から売り方が再び攻勢かけることも
日経平均は、下げ幅の3分の1戻しを達成したのが4月28日。その後、1万4000円を挟んだ小幅のモミ合い、即ち、高値圏で値を保っていた。そして、ここに来て、上げ足を再び速め、3月のボトムから22.1%の上昇となっている。また、13週線を抜いたのが4月11日の週、26週線は5月16日の週に抜いたところ。
以上のことからは、13週線、あるいは3分の1戻しをメドとした「短期」狙いの人には成功だった。今後のポイントは26週線を抜いたがダマシとならないかどうか、である。2007年10月にも下げ過程の中で26週線を上回ったが、ダマシとなった経緯があるからだ。
昨年10月頃と違う点は、@サブプライム問題の嵐が吹いていたが、現在は出尽くした感がある、Aインフレが当時に比べて進行している、B景気、企業業績の悪化が進んでいる、C金余りが依然続いている、ことなどであろう。
こうして見ると、サブプライム問題を悲観し過ぎて、下げすぎた反動高の相場展開といえるだろう。たとえば、悲観人気の度合いを見るのに使われる26週線とのマイナス乖離率は3月の安値時点ではマイナス18%程度まで拡大した。これは、バブル崩壊の悲観人気が強まった2002年10月以来という乖離率だった。
しかも、今回の下げ過程でカラ売りが増えていた。そこへ、金余りから世界を駆け巡っている国際資金が、PBRなどから割安となった日本株を買ってきた。これに慌てた売り方の買戻しが、今回の戻りを形つくったといえる。
売り方はしばらくは様子見のスタンスだろう。26週線を抜いた時点で敢えて無理をすることはない。半値戻し水準の1万5000円程度まで戻れば、再び、売り攻勢をかけてくるのではないか。景気悪化の中で物価上昇というスタグフレーションがはっきりして来るようになれば、半値戻し水準以上の上値は難しくなる。
一方、「月足」で見れば、12ヶ月線は1万5307円、24ヶ月線は1万6400円前後にある。12ヶ月線へ接近する場面はあっても、24ヶ月線までの戻りは無理である。24ヶ月線を抜いて上に行くには景気、企業業績の回復がはっきりした時でないと難しい。
世界的な余剰資金のマネーゲーム相場の色彩が強く、日経平均の割安感が薄れてくる1万5000円程度が戻りの目安となるだろう。
■相場の窓
景気後退のなかのインフレで、半値戻し以上に買い上がるにはリスク大きい
データ
高値=1万8300円(2007年3月)
安値=1万1691円(2008年3月)
時価=1万4269円(2008年5月19日)
☆下げ幅の3分の1戻し水準=1万3894円 達成
☆下げ幅の半値戻し水準=1万4996円 あと727円
☆高値と安値の中間値段=1万4496円。 あと227円
☆13週線=1万3323円 奪回し抜いた
☆26週線=1万3655円 この度、奪回
中間値1万4496円前後から売り方が再び攻勢かけることも
日経平均は、下げ幅の3分の1戻しを達成したのが4月28日。その後、1万4000円を挟んだ小幅のモミ合い、即ち、高値圏で値を保っていた。そして、ここに来て、上げ足を再び速め、3月のボトムから22.1%の上昇となっている。また、13週線を抜いたのが4月11日の週、26週線は5月16日の週に抜いたところ。
以上のことからは、13週線、あるいは3分の1戻しをメドとした「短期」狙いの人には成功だった。今後のポイントは26週線を抜いたがダマシとならないかどうか、である。2007年10月にも下げ過程の中で26週線を上回ったが、ダマシとなった経緯があるからだ。
昨年10月頃と違う点は、@サブプライム問題の嵐が吹いていたが、現在は出尽くした感がある、Aインフレが当時に比べて進行している、B景気、企業業績の悪化が進んでいる、C金余りが依然続いている、ことなどであろう。
こうして見ると、サブプライム問題を悲観し過ぎて、下げすぎた反動高の相場展開といえるだろう。たとえば、悲観人気の度合いを見るのに使われる26週線とのマイナス乖離率は3月の安値時点ではマイナス18%程度まで拡大した。これは、バブル崩壊の悲観人気が強まった2002年10月以来という乖離率だった。
しかも、今回の下げ過程でカラ売りが増えていた。そこへ、金余りから世界を駆け巡っている国際資金が、PBRなどから割安となった日本株を買ってきた。これに慌てた売り方の買戻しが、今回の戻りを形つくったといえる。
売り方はしばらくは様子見のスタンスだろう。26週線を抜いた時点で敢えて無理をすることはない。半値戻し水準の1万5000円程度まで戻れば、再び、売り攻勢をかけてくるのではないか。景気悪化の中で物価上昇というスタグフレーションがはっきりして来るようになれば、半値戻し水準以上の上値は難しくなる。
一方、「月足」で見れば、12ヶ月線は1万5307円、24ヶ月線は1万6400円前後にある。12ヶ月線へ接近する場面はあっても、24ヶ月線までの戻りは無理である。24ヶ月線を抜いて上に行くには景気、企業業績の回復がはっきりした時でないと難しい。
世界的な余剰資金のマネーゲーム相場の色彩が強く、日経平均の割安感が薄れてくる1万5000円程度が戻りの目安となるだろう。
■相場の窓
4/23現在 | 本年来 高値 |
(日付) | 5月16日 現在 |
高値比較 (%) |
天気 マーク |
---|---|---|---|---|---|
日経平均 | 14691.41 | 1/4 | 14219.48 | ▲3.2 | ![]() |
TOPIX | 1424.29 | 1/9 | 1395.87 | ▲1.9 | ![]() |
大型株指数 | 1504.74 | 1/9 | 1483.18 | ▲1.4 | ![]() |
小型株指数 | 1821.81 | 1/9 | 1805.87 | ▲0.8 | ![]() |
時価総額 | 465.80 | 1/9 | 452.00 | ▲2.9 | ![]() |
出来高 | 3148.90 | 3/14 | 2278.23 | ▲27.6 | ![]() |
ジャスダック | 1714.86 | 1/4 | 1524.84 | ▲11.0 | ![]() |
新高値銘柄数 | 245 | 5/15 | 170 | ||
PER | 17.10 | 5/15 | 16.90 | ||
PBR | 1.68 | 1/9 | 1.64 | ||
利回り | 1.75 | 3/17 | 1.54 | ||
ドル・円 | 110.10 | 1/10 | 104.90 | ||
10年債 | 1.700 | 5/14 | 1.690 | ||
NYダウ | 13058.20 | 5/2 | 12986.80 | ▲0.5 | ![]() |
ハンセン | 27615.85 | 1/9 | 25618.86 | ▲7.2 | ![]() |
上海総合 | 5497.901 | 1/14 | 3624.233 | ▲34.0 | ![]() |
新日鉄(5401) | 697 | 1/25 | 656 | ▲5.8 | ![]() |
トヨタ自動車(7203) | 6400 | 2/20 | 5350 | ▲16.4 | ![]() |
キリンHD(2503) | 1896 | 3/31 | 1739 | ▲8.2 | ![]() |
東京電力(9501) | 2895 | 2/15 | 2590 | ▲10.5 | ![]() |
三井住友ファイナンシャル(8316) | 935000 | 4/30 | 876000 | ▲6.3 | ![]() |
三菱地所(8802) | 2900 | 2/4 | 2865 | ▲1.2 | ![]() |
日本郵船(9101) | 1133 | 5/16 | 1113 | ▲1.7 | ![]() |
住友金属鉱山(5713) | 2310 | 2/29 | 1920 | ▲16.8 | ![]() |
伊藤忠(8001) | 1261 | 5/16 | 1255 | ▲0.4 | ![]() |
任天堂(7974) | 61900 | 1/10 | 61100 | ▲1.2 | ![]() |
野村HD(8604) | 1907 | 5/7 | 1825 | ▲4.2 | ![]() |
日立建機(6305) | 3660 | 5/15 | 3580 | ▲2.1 | ![]() |
JT(2914) | 681000 | 1/4 | 529000 | ▲22.3 | ![]() |
ダイワボウ(3107) | 375 | 1/10 | 276 | ▲26.4 | ![]() |
東レ(3402) | 868 | 1/4 | 656 | ▲24.4 | ![]() |
JR東日本(9020) | 952000 | 1/9 | 835000 | ▲12.2 | ![]() |
三菱重工(7011) | 529 | 2/26 | 463 | ▲12.4 | ![]() |
武田薬品(4502) | 6740 | 1/16 | 5840 | ▲13.3 | ![]() |
住友化学(4005) | 1022 | 1/9 | 682 | ▲33.2 | ![]() |
posted by 犬丸正寛 at 17:59
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