2004年12月16日

半値八掛け二割引で底が入る

 高値をつけた相場が下げてきた場合に下値のめどとして使われる言葉です。一般的に下値のめどとしてよく使われるのは、格言にもある『3割高下に向かえ』といわれるように高値から3割程度下げてきた時、あるいは上げ幅の3分の1押しや上げ幅の半値押しなどがあります。
 たとえば、ある銘柄が3000円から上げ始め高値10000円まで買われたあと下げに転じてきた時には、『3割高下…』では高値に対し30%下げの7000円が下値のめどになります。一方、上げ幅に対しては、ここでは3000円から10000円まで7000円上げに対し3分の1押しでは、7000円÷3=2333円下げたところ、つまり7667円が下値のめどになり、上げ幅の半値押しでは6500円がめどになります。通常の調整ではこうした値段が下値のめどとして実践的に使われ、実際にそうした値段で押し目買いを入れる投資家が多いのです。
 しかし、とくに、『半値八掛け…』が有名となっているのは、言葉の響きが印象的なことも理由としてありますが、押し目買いを入れたもののいっこうに下げ止まらないことから、半ばやけっぱち的な気持ちも含まれています。その謂(いわ)れは、大阪の薬の街・道修町で、「薬九層倍」といわれる言葉があり、原価の9倍くらいの非常に高い値段がついていたといわれることから、値切る時に、最初は半値、そしてさらにその8掛け、最後はその2割引まで、つまり最初の値段の3分の1くらいまで値切るのに使われたといわれています。仮に、株価が高値10000円をつけて下げてきた場合ですと3200円が下値のめどとなるのです。
 実際に見てみましょう。日経平均は89年に3万8915円をつけ大きく下げました。半値八掛け二割り引きに当る1万2452円にほぼ匹敵する水準で98年10月に底入れしその後2万1000円近くまで反発し、やはり相場格言とおりだったと思われました。しかし、想像以上の不良資産問題が大きく覆い被さり金融システム不安を起こし、実際に倒産に追い込まれる企業が続出したことで、日経平均は再び下げに転じ03年4月の7607円まで高値から5分の1となってやっと底入れしました。半値八掛け、も通用しなかったわけです。バブル経済の崩壊という未経験の大きな出来事においては、代表的な格言も通用しなかったわけです。経営においても歴史的とも思われるような大きい現象が発生した時は常識を捨てて謙虚に向き合うことが大切ではないでしょうか。
posted by 犬丸正寛 at 11:42 | 相場格言

2004年12月13日

卵はひとつの籠に盛るな

 イギリスの有名な格言で、日本でもよく使われています。今さら説明の必要がない言葉ですが、改めて言えば、卵は壊れやすいので鶏小屋から卵を運んで来る時はひとつの籠にたくさん入れてはいけないという教えです。卵をお金に置き換えて、ひとつのものにまとめて投資すると危険なので、分散投資が大切であるという教えとなっています。
 日本では預貯金・土地株式の3つに分散して投資する「財産3分法」が有名です。デフレの時は現金の価値が高まりますが、反対にインフレになったら預貯金は弱く、株や土地が有利であることはいうまでもありません。また、商品に対する分散投資だけでなく、経済の成長性や政治の安定性などを加味したうえで地域、国別の分散投資も大切なところです。とくに、東西冷戦の終結した今日、世界を駆け巡る資金の「ヘッジファンド」はこの地域分散投資を基本としています。
 さて、この格言がなぜイギリスで生まれたかに思いをめぐらせれば、イギリスでは早くから植民地政策で世界の動向に常に気を配る必要があり、とくに王室の資金運用あたりが発端となっているのではないかと思われます。莫大な資金量を運用するには、儲けることも大切ですがリスクを回避しつつ資産を殖やすことが大切で、イギリスではこうした考えのもとにプライベート・バンキングが早くから発達しています。日本でも2億円とか3億円以上の個人の金融資産を預かり、安定運用するプライベート・バンクが注目されるようになっています。ところで、資金量の少ないわれわれ一般の個人投資家には、この格言は不要です。『本当に儲けたかったら卵は一つに盛れ』ということのほうがぴったりではないでしょうか。大量の資金なら数パーセントで十分でしょうが、小額資金で分散投資してもたいした効果はないからです。もちろん、誰もが有望な銘柄を研究発掘している今日、ローリスク・ハイリターンの銘柄を見つけることは難しいと思いますが、ハイリスク・ハイリターンを狙うことも避けるべきです。やはり、これからの個人投資家はミドルリスク・ミドルリターンを狙う時代だろうと思います。企業の経営においても、分散投資に当たる多角化がひところ活発でしたが、結局は実りの少ないことを思い知らされました。得意分野に特化した集中型経営、即ち、「卵を1つの籠に盛る」式の経営が求められているといえるでしょう。
posted by 犬丸正寛 at 11:43 | 相場格言

2004年12月10日

自分に克つ株式投資

 なんでもそうだろうが、物事を始める時というものは、情熱とヤル気が満ち溢れている。決して、悪いことではないのだが、往々にして、強い情熱がむしろ邪魔になって、カラ回りすることは多々ある。株の場合もそうだろう。勉強を始めたのはいいが、打ち込み過ぎて、周囲の状況が見えなくなり、自分の見方だけが正しいと思い込むようになってしまうと、ほとんどの場合、見通しは外れる。その結果、もう止めたとなる。 では、勉強しなくていいのか。そうではない。物事を始めると、多かれ少なかれこうした気持ちは避けて通ることができないからだ。たとえば、筆者が、高校野球の練習で100本ノックを思い出す時、最初は、「さあ来い」とヤル気満々。それが30本あたりからノックをする監督、つまり「相手」(対象物)にハラが立つようになる。さらに、それが過ぎると、今度は「自分」にハラが立ってくる。なんで、こんなくだらないことをしているのかと、自分自身がバカバカしくなる。そして最後に来るのが、「ヤル気」や「相手に対するハラ立ち」、「自分に対するハラ立ち」がなくなる。疲れて考えることができなくなるためだ。それを「無心」と呼ぶのではないか。体が勝手にボールに反応して、自然に動くようになる。実戦の試合ではいちいち感情を入れて考えていたのでは間に合わない。この境地になれば、邪念を入れず、淡々と、やるべきことをやる、ということにつながるのだろう。株という大きな勝負では、自分に克つことが大切と思われて仕方ない。
posted by 犬丸正寛 at 11:03 | 相場格言

2004年12月09日

女房を質に入れてでも株を買え

 昔の人は、いくら亭主関白だったとはいえ、なんともおだやかでないことを口走っていたものです。もちろん、いまどき、こんなことを言ったら訴えられてしまうでしょうし、それどころか、質に入れる前に亭主のほうが放り出されてしまうのではないでしょうか。
 この言葉では、「女房は…」ではなく、「女房を…」と言っているところがポイントです。「女房は」と表現したのでは、株を売り買いする時はいつも女房を質に入れる印象となってしまいます。それを、「女房を」と言っていることで、大事な奥さんを担保に差し出して、お金を借りてでも株を買う絶好の時がある、という昔の相場師の強い意思が表れているからです。
 現在は女房を質に入れることはできないとしても、儲かりそうだという時はどのような時でしょうか。大きく分けて大体2つのケースが考えられます。1つは需給関係が好転する時、もうひとつは社会的な構造変化が起きている時です。まず、需給関係では、長い下落相場が続いたものの徐々に下値が固まり、悪い材料が出ても下げなくなった相場では売り飽き気分が台頭します。このような時には、ちょっとした明るい材料にも敏感に反応して株価は急伸します。チャートを日々、観察している人は、「株が上がりたがっている」ということをよく口にします。とくに、業績が悪くないのに下落した相場が底値を這うようになったら買いを考えるときです。たとえば、今年4月に2100円の高値をつけたシャープ液晶の市況が悪くなりそうだということで業績がよいにもかかわらず下げました。8月に1446円の安値をつけたあとは市況悪化の予測にも響かなくなり1500円前後で横ばいに推移、9月末には一気に1600円まで急伸しました。一方、社会的な構造変化では少子高齢化など人口面、間接金融から直接金融への移行で種々の優遇措置など制度面の変化、政府部門から企業部門への主役交代による規制緩和、あるいはアナログからデジタルへの移行による電気製品の変化など従来にない新しいものの登場があります。とくに、売ったり買ったりを頻繁にやらない投資家にとっては、構造変化は大きな儲けのチャンスです。
 企業にとっても構造変化は絶好の儲けのチャンスで見逃す手はありません。新しい産業や企業が興きるのもこうした構造変化の時です。こういう時は、女房をを質に入れる気持ちで、銀行借金をしてでも「変化に乗ろう」とする企業が伸びる企業ではないでしょうか。
posted by 犬丸正寛 at 11:37 | 相場格言

2004年12月08日

株買いの究極は戦争かインフレ

 戦争とインフレは企業の製品価格を上昇させることから、このうえない買い材料であるという教えですが、インフレのツケの大きいことや戦争の悲惨さを考えるとあって欲しくないことです。しかし、世界にはチャンスがあれば物の価格を吊り上げて儲けようと企んでいる連中のいることも否定できません。
 株式に投資する時の一番大きい材料は業績です。業績とは企業が、技術、人材、ノレン、資金、情報など持てる力を最大限に駆使して、効率よく売上げと利益を上げることです。業績が上向けば、配当金の増えることが期待され、投資家はインカムゲイン(配当金収入)を手にすることができますし、同時に1株利益がアップして投資尺度であるPER(株価収益率・倍=株価÷1株利益)から買い余地が高まり、キャピタルゲイン(値上り益)が期待できます。
 しかし、今日の社会は激しい競争に加え、戦後と違って物が余っている豊かな時代ですから、企業はそう簡単に売上げを増やすことは難しい状況です。売上を分解してみますと、「数量」×「単価」から成り立っています。数量の身近な例が人口です。少子高齢化で日本の人口は高齢化が急速に進むと同時に人口そのものが、まもなくピークアウトから減少に転じ、あと80年もすれば日本の人口は7000万人程度に大幅に減少するといわれています。1人に1ヶついている胃袋の数が減るわけです。極論すれば、消費高とは「胃袋の数」×「購買平均単価」ですから、胃袋に関係した飲食関係だけでなく、自動車や住宅マンション、衣類、旅行、教育、娯楽などありとあらゆるものが数量の落ち込みの影響を受けます。しかも、年配者が増えると一回当りの消費量もダウンします。企業は数量に期待が持てないなら、単価アップを図ろうとします。1つは新製品投入によって、今までより高い値段で売ることを考えようとしますし、もう1つは同じ業界同士の合併によって競争を排し価格アップを図ろうとします。最近の鉄鋼業界の統合などにみることができます。
 それでも成熟した物余りのもとでは価格効果は長続きしません。「インフレ」となるわけです。しかし、今の世で、必需品で不足が予想されるものは原油くらいしかありません。最近の原油高やイラク戦争などは、インフレと軍需特需を狙った動きがあるのではないでしょうか。豊かになり平和になるほど、一方で危険な動きが台頭するという教えとして捉えておきたい格言です。
posted by 犬丸正寛 at 11:32 | 相場格言

2004年12月07日

大回り3年、小回り3月

 株式投資には、必ず、「短期がよいか、長期がよいか」ということがつきまとう。しかし、考えてみれば株だけではなく、人生も会社経営も短期型か長期型かということと無縁ではない。もちろん、どちらがいいかという問題でもない。100メートルの短距離を得意とする人もいれば42キロメートルの長距離のマラソンを得意とする人もいるし、ゴルフなら遠くへ飛ばすことを得意とする人もいれば、短いショットやパターの得意な人もいるように、「会社」も経営陣、とくに社長の性格によって短期型か長期型にあるていど色分けされる。株式投資にあたっては、会社説明会などにできるだけ出席して、社長の性格性分などを把握しておくことは決してマイナスにはならない。
 短期か長期かということについては、「事業環境」という大切な要素もある。社会の変化といってもいい。たとえば、戦後の物不足時代から復興、繁栄に至る過程では、明らかに「長期投資」が優位だった。たとえば、昭和24年(1949年)の東証再開当時に松下電器を70円で1000株買った投資家が、株を持ちつづけて増資の払込みに応じていたら1989年(日経平均の史上最高値をつけた)には40数億円(未確認です)になっていたという話を聞いたことがある。電気製品に限らず成長過程の日本ではあらゆる物がつくれば売れた時代だった。仮に、工場を作るタイミングが少しくらい間違っても「成長」というベールが覆い包んでくれていた。株も同じように、少しくらい高いところで買っても数年持っていれば儲かった時代である。
 ところが、日本の社会に新幹線が作られ、長大橋が何本も架けられ、人口数千人の小生の田舎のようなところにも舗装された立派な道路がつくられて夜はタヌキ、キツネが運動会をやってる状態で、家庭には電化製品がそろい、マイカーも一家に数台となるなど豊かになった。つまり「成熟経済」であり、作ったからといって売れる時代ではなくなった。このような成熟経済のもとでは、長期投資に対し簡単には賛成できない。昔は、「新工場を建てた会社の株は買い」といった判断もできたが、今は、新工場を建てたからといって業績が伸びるとは言い切れないし、命取りになることだってありうる。また、画期的成長商品といわれるものでも、以前は10年程度、関連銘柄の相場が続いたが、最近は技術の進歩と競争の激しさから2〜3年で飽和になる。「花の命は短い」時代なのである。さらに、高齢化時代である。仮に、20年程度の長期投資が好成果を生むとしても60歳の人が儲けを手にするのは80歳である。80歳でも元気だろうが、それほどお金はいらなくなる。
 こうしてみると、短期、中期、長期投資の位置付けが変わってきたといえる。昔の10年、20年の長期投資は「3年」程度、中期投資は3月、短期はネット利用なら1日といったとこが目安になるだろう。現物投資なら『大回り3年、小回り3月』という相場格言がヒントになるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 11:04 | 相場格言

2004年12月06日

鬼より恐い一文新値

 高値をつけた相場が調整安のあと、再度、買われてきた時、最初の高値をわずか1文しか更新できなかった場合、強烈な天井になるという教えです。「1文」とは、江戸時代の穴の開いた通貨です。書物を紐解くと、全国の金銀の鉱山を支配下に置いた江戸幕府によって、わが国で初めて全国統一規模の通貨制度、即ち金、銀、銅の3種類による「三貨制度」が出来上がりました。それぞれに単位があり、金貨が両・分・朱、銀貨は貫・匁・分、銭貨(銅)が貫・文となっていて、現在の「円」という統一単位で生活しているわれわれからみると大変ややこしいものだったと思います。ここでいう1文は現在の1円玉と同じといえるでしょう。
 相場とは、昔は米相場などの商品が中心です。今のようにパソコンでデータ管理ができているわけではありませんから、厳密に以前の高値がいくらだったか分からなかったと思われますので、ごく短期間の高値を意味したものだと思います。現在で、信用取引の通常の決済期限である6ヶ月程度とみておけばいいと思います。日経平均株価などの指数でも個別銘柄でも通用する格言ですが、例えば、Aという銘柄の3ヶ月前の高値が1000円で、一旦、700円程度まで調整した株価が買い直される時、大体3つのケースがあります。950円程度までしか買い直されないケース、先の高値とほぼ同じ1000円まで買われるケース、そして、一気に1100円のように高値を大きく更新するケースです。問題なのが2番目のケースで二番天井といわれるものです。1番目のケースなら戻したものの弱い動きであることが認識できるため持株を手放すなどの対応ができますが、同じ値段まで戻すことで持株を手放すどころか、逆に強気になって買い増しさえする心理となってしまうのです。しかも、1001〜1010円のようにわずかだけ高値を更新して、いかにも強く見えるのに伸び切れず天井となってしまう、投資経験の豊かな人でも高値更新で買ってしまうため、鬼よりも恐い1文新値と言って、嫌がっているのです。
 前の高値を抜いたところで買えば、比較的楽に儲けることができるという安易な考えがあるためですが、実業の世界でも同じではないでしょうか。商売などでは2匹目のドジョウや2番煎じなど相場の2番天井に近い言葉があり、安易さに対し警告しています。他社が売り出した商品について、リスクがないと判断したうで、後追い展開するビジネスモデルの大手家電もありましたが、結局はリスクが取れない2番天井型経営となって長い目でみれば元気のない体質となってしまいます。鬼より恐いモノマネ経営といえるのではないでしょうか。相場での銘柄発掘、企業の新製品開発などやはり積極的に取り組んで行く姿勢が大切といえるでしょう。
posted by 犬丸正寛 at 11:35 | 相場格言

2004年12月01日

アナリストの説明できない相場がおもしろい

 似た格言に、「理外の理」とか、「相場は理屈とおりには動かない」などがあります。かなり時間が経ってみれば、なるほどと、ほとんどのことが説明できることでも、事が起きている真っ最中では分からないことがたくさんあります。相場分析や銘柄分析のプロでも説明し難いケースは多々あるはずです。特に、アナリストが説明できないことの多くは、ウオッチしていない銘柄が動く場合でしょう。なぜなら、証券会社に所属するアナリストは、どうしても、売買高が多く、営業に結びつきやすい銘柄中心にウオッチすることが多いためですが、なかでも地方に本社を置く銘柄は時間と費用の面からおろそかになりやすいのです。また、小型銘柄や低位の無配株などにも手が回りません。実際のところ優先順位として、ソニーなどのいわゆる経団連銘柄といわれる代表的な銘柄をおろそかにできないのです。仮に、低位の人気株などが当ったとしても、仕手人気株好みのアナリストというレッテルを張られることを嫌がるのです。アナリストとは経団連銘柄をウオッチする人達といわれるのはこういうところに原因があるのです。
 実は代表的な銘柄が動かない時こそおもしろい相場となることが多いのです。たとえば、03年春から夏にかけてルック、丸善、日特建などの低位人気株がボトムから数倍の値上りとなる活躍をしました。この間、優良銘柄の代表格ソニーは値下がりしています。仕手系人気株がすべてとはいえないまでも、逆に優良銘柄だけが上場銘柄ではないのです。本当に内容が悪くだめなものなら取引所が上場廃止するはずです。大量の資金を投入して運用する機関投資家なら売買高が多く、日本自体を買う感覚で優良株を組み入れるのはいいでしょうが、小資金の個人投資家には、やはり数倍に値上りする可能性のある銘柄のほうが魅力的です。こうした低位株や地方株、2部銘柄などアナリストのウオッチしていない銘柄は数年に一度は必ず動きます。04年春から夏にかけても新興3市場銘柄や2部銘柄、地方銘柄などがシャープの新安値更新とは無関係に大きく活躍しました。「アナリストとは機関投資家のための存在で個人投資家のためのものではない」くらいの割り切りが必要でしょう。とくに、個人投資家は証券会社から出ているアナリストレポートの銘柄と実際にマーケットで動いている銘柄を見比べてチエックすることが非常に大切です。経営でもコンサルタントのいうアドバイスも大切で参考にしなくてはいけませんが、最後は経営者としての感覚が大切ではないでしょうか。
posted by 犬丸正寛 at 11:24 | 相場格言

2004年11月30日

株を買うな時を買え

 株式投資にはタイミングが大切であるという教えです。当たり前のことですが、証券会社で買い注文を出し、その注文が成立すれば、お金を払って受け取るのは株券であって時間ではないことは言うまでもありません。しかし、本当に欲しいのは株券でしょうか。株券を物としてみた場合は単なる1枚の紙にすぎません。仮に、倒産したらメモ用紙にもなりません。昔なら、襖(ふすま)の下張りにでも使えたのでしょうが、まったく紙くずにすぎない存在です。このため、株の入門テキストにも書いてある通り、株券を所有することで発生する価値が株式の魅力なわけです。
 @ キャピタルゲイン(値上り益) 、Aインカムゲイン(配当金、優待)、B経営参加、の3つが株式保有価値ですが、特に、個人投資家にはキャピタルゲインが最大の魅力です。そのキャピタルゲインを狙う際に大事なのがタイミングということです。つまり、内容のよい銘柄ならいつでも上がるかといえば、そうではありません。世界的企業のソニーといえども2003年は日経平均株価が年末年初比較で23%上昇した中でソニーは年初の5110円が年末には3710円と27%も下落しています。この間、値上りトップとなった太平洋金属の7.7倍、2位の第一中央汽船の7.6倍に比べると大変な開きです。このため、マーケットでは内容の良い銘柄を優良株とは呼びません、上がる株が優良株なのです。このあたりは、企業が、「良いものを作っていれば売れる」という思い込みがあるのと似ているのではないでしょうか。今の世の中では「良いモノだけでは売れない時代」なのです。
 株を買うタイミングには短期的と長期的があります。短期的にはその銘柄が過熱していないか、マーケットの流れや人気、たとえば値段の高い銘柄か値段の低い銘柄の人気か、といったことがあります。長期的タイミングにはソーシャルニーズの変化という時代背景に沿っているかという観点です。時間が経ってみれば、時代の変化は分かりますが、渦中にあれば、たとえば、草履が靴に変わっていることは分からないし、認めたくないものです。今は立派な会社でも時代の変化、ソーシャルニーズの変化に対応できなければ極端な場合、倒産だってありうるのです。長期投資をする際、あるいは企業経営においては、特に、長期的観点での「時を買え」は大切な教えといえるのではないでしょうか。
posted by 犬丸正寛 at 11:29 | 相場格言

2004年11月29日

風が吹けば桶屋が儲かる

 江戸の町や昭和初期の頃には火事に備えて、通りの角などに防火用の水を張った大きな桶が置いてあったようです。強い風が吹くと壊れて、補修したり新しい桶に取り替えたりしなくてはいけなかったため、強い風が吹くたびに「桶屋」が儲かるという理屈です。「桶は風に弱い、風が吹くと桶が壊れる、よって風が吹くと桶屋が忙しくなる」、という今流でいう3段論法だったわけです。
 しかし、実際には3段論法などと立派な誉めた言葉ではなく、反対に株を扱う人を小ばかにした言葉だったようです。株屋の旦那衆と株を買う商人などの旦那衆が集まった会合などでは何でも株を買う材料に結びつけてしまう株屋に「また株屋の屁理屈か」といって小ばかにしたようです。とはいいながらも、現在のように経済や産業を専門に分析するアナリストがいたわけではないので、小ばかにしながらも株屋のたくましい発想にヒントを得ようと会合はいつも賑わったといわれています。現在でも経済・株式講演会はどこも盛況ですから、いつの時代も情報の解釈を求める気持ちは同じなのでしょう。
とくに、物が充足され、競争の激しい今日の経済を生き抜くには、大いに役立つ言葉ではないでしょうか。人と同じことを同じスピードでやっていては企業も個人も勝ち抜くことはできません。そのためには、見るもの聞くものに対し、「何でも儲けのヒント」にする気構えが大切ではないでしょうか。筆者の友人がこんなことを言っていました。かつて、テレビで女子バレーボールを観て、中国の女子選手がボールをスパイクする度に下着の肩ヒモを直している姿から、あの仕草がなくなった時は中国は経済もバレーボールも強くなると言っていました。今、まさに中国は経済もスポーツも破竹の勢いです。新聞やテレビなどには株式投資だけではなくビジネスにもヒントがいっぱいです。03年の阪神タイガースの快進撃で阪神電鉄の株価が上がったのはいうまでもありませんが、キャラクター関連企業では、いち早く星野監督マスコット人形を売り出し業績を大きく伸ばしました。最近、2007年には「大定年時代が到来する」という記事がありました。これなども、団塊の世代が定年を迎えるためですが、この団塊の世代は学生運動から三つ揃えスーツを流行させるなど社会に大きな影響を与えた世代ですし、バスに乗り遅れまいとする気持ちの強い世代ですから、一大、高齢者消費を形成する可能性があり大きなビジネスチャンスです。
posted by 犬丸正寛 at 11:42 | 相場格言

信用の期日到来には向え

 借金して買った株が思惑とは逆に下がり、返済期日が到来している場合は否応無しに処分させられるのだから絶好の買い場になるという教えです。人の不幸に乗じて儲けようという発想ですが、勝ち負けの勝負の世界で生きている以上、きれい事ばかりではないのです。信用取引とは、証券会社などからお金を借りて株を買うことですが、借りたお金を返す期日は、最近では無期限でやっている証券会社もありますが、通常は6ヶ月です。仮に、株価1000円の銘柄を1万株、1000万円分買いたいが手持ち資金が300万円しかない場合、700万円を借ります。金利は証券会社によって異なりますが、大体2%程度です。仮に、700万円を1年間借りると14万円、半年で7万円もの利息です。
 個人が1000万円預金しても1年で受け取れる利息はわずか3000円程度ですから信用取引の金利は非常に高いものです。証券会社はこの信用取引の融資で相当儲けているのですから、金貸し業でもあるのです。
 買った銘柄が仮に1ヶ月で1200円になれば利息を払っても200万円近い儲けになりますが、反対に800円へ値下がりすれば1万株を800円で売却して借りた700万円に利息をつけて返さなくてはいけません。手持ち資金として出した300万円は100万円弱しか残りません。一般的に統計では信用取引で儲かるのは3週間までといわれています。それが、6ヶ月も経過して信用取引で買ったままなら、大きな損失となっているとみてまず間違いありません。
 信用期日が到来して、しかも業績のよい銘柄ならまたとない買いなのです。期日向いは下手な相場講釈を言うよりよほど儲かるといわれ相場経験の豊富な人ほど活用しています。商売でも会社経営でも銀行からお金を借りて、物を仕入れたり、あるいは工場を建てたりするのもある意味で信用取引と同じでしょう。特に、資金が多額となるだけに、しっかりした見とおしが大切です。バブル経済の頃、借金で土地投資をして失敗、その返済に迫られて会社ごと外国のハゲタカ・ファンドに買収されている姿は信用取引の損切りをみるようです。
posted by 犬丸正寛 at 11:39 | 相場格言