相場格言

2013年06月07日

アベノミクスへの期待と不満が入り交じる=犬丸正寛の相場展望

■「安倍さんのあとには誰も頼れる人なし」で中長期では好買い場に

犬丸正寛の相場展望 来週(10〜14日)は、安倍政権に対するわれわれ庶民の「支持率」がどのようになるかが注目点となるだろう。

 1つには、このところの「株安」がある。投資は自己責任とは言うものの、アベノミクスを信じ切って、買い出動した個人(庶民)にとっては、予想外の下げから、「可愛さあまって憎さ100倍」の心理が芽生え始めている心配がある。しかも、庶民にとっては円安の副作用で生活必需品がほぼ軒並み値上げ状態である。賃金アップや株高が続いていれば不満も緩和されるものの、むしろ株安が追い討ちをかけている。「これまでの株高で潤った分は思い切って高額品を買ってしまった」という投資家の声もある。

 一方で、「今の日本を救えるのは安倍さんしかいない。安倍さんのあとには誰も頼れる人はいない。ここは、生みの苦しみに耐え安倍さんに期待するしかない」という声も強い。

 とくに、この先、東京都議選、参議院選挙が控えているだけに安倍政権に対する支持率は重要である。支持率が高水準を維持するようなら外国人投資家の本格的売りにはつがらないだろう。逆に、もしも支持率が下がるようなら選挙に対する不安、政権基盤に対する不安から外国人投資家は様子見を強めるものとみられる。

 アメリカの金融政策の行方は引き続き目が離せない。週末発表の雇用統計が好調数字なら金融の量的緩和終了は現実味を帯びだろう。雇用数値が過熱感を示すものでなければNYダウは反発も予想される。

 米中の首脳会談の結果も注目される。中国が大国としての振舞いを短期間にせよ取る可能性もあり、その結果、日中関係の緊張は緩和に向かう可能性も生れそうだ。中国関連銘柄が見直されることも予想される。

 足元のマーケットは、アベノミクスに対する不満と評価が入り交じり、買い安心となっていた買方の処分売りが出て売り圧力が優勢となっている。一方、中長期投資家は26週線を下値の目処においていることから日経平均が1万2000円に近づけば中期買いが本格化してくるものとみられる。とくに、「企業業績が上向いている中での需給関係先行で下げる相場は買い」といわれることから現物中心の中長期投資家には好買い場が近づいているといえるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 16:27 | 株で見る世の中

2013年05月31日

株主総会接近前まで調整色、売方は「江戸の敵は長崎で」の思いで攻勢も、徐々に「衣替え相場」の様相=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 今週(27〜31日)の日経平均は、大きく下げ30日には1万5555円まであり、去る、23日につけた高値1万5942円から2387円安、率にして15%下げた。週末(31日)は反発したものの、1万4000円を回復することはできなかった。

 営業日数5日間でこれだけ大きく下げた背景には、(1)昨年11月から日経平均で約7300円上げた反動、(2)1ドル・100円に乗せた円相場が思ったほど円安とならず逆に円高に振れている、(3)長期金利の上昇で住宅ローン金利引上げ、(4)アメリカの量的緩和終了観測、(5)決算期数の最も多い3月期決算の発表一巡、(6)マーケット参加者に買い安心感が広まり全員参加相場となっていた反動、、(7)空売りの買い戻し一巡、――などが重なったためとみられる。

 とくに、マーケットでは、「23日の1100円安で終っていれば問題なかったが、30日の700円を超す下げが買方には致命傷となった。完全にこれまでの買い安心に対し、一気に警戒感が台頭した」(中堅証券)という。

 日経平均は、30日線を大きく割り込んだため、「押し目買い」から、当面は「戻り売り」に変わったとみるべきだろう。ただ、救いは、週足の日経平均は26週線に対し余裕があり、週足ベースでは「突っ込み買い」のできるチャートといえる。

 来週、アメリカの量的緩和問題がどのようになるか、大きい材料だろう。量的緩和は実体経済が強い証拠でもあるという見方はあるものの、NYダウの位置が高いだけに急落の材料となる心配はあるだろう。

 内部要因でみれば、信用買残の多いことは心配。買方心理の弱ブレと共に時間が経過するほど、今後、売り圧迫となる心配がある。しかも、戻りが鈍いとなれば、このところ負けの目立っていた売方が「江戸の敵は長崎」の思いで空売り攻勢を仕掛けてくることも予想される。

 週足での突っ込み狙い、ということになれば、26週線は1万2000円前後に位置していることからすれば、日経平均で1万2500円どころが突っ込み狙いの買いのメドとなりそうだ。指標株でいえばトヨタ自動車(7203)の5350円どころが突っ込み狙いのメドになりそうだ。

 今後、予想される相場では、「株主総会接近場面は高い」ということがある。例年、総会前は高く、そこを通りすぎて「夏相場」に向かう展開となっていることが多い。今回も足元で調整ということを考えれば同じように総会前の反発も十分予想される。ただし、その反発を契機に銘柄が入れ替わる「衣替え相場」となりそうだ。夏・銘柄への入れ替えを急ぐところに来ているのではなかろうか。
posted by 犬丸正寛 at 16:47 | 株で見る世の中

2013年05月24日

「突っ込み買い」できれば後半相場のタネ玉に、ここは『相場は相場に聞く』ところ=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 23日(木)に日経平均は1143円安の大きい下げとなって今年4月1日以来の30日線を下回った。明けて、翌24日(金)は前場では524円高の1万5007円と反発したものの、後場は再び下げに転じ前日の終値(14438円)を下回ってしまった。つまり、30日線を2日連続で下回ることとなり、この結果、向こう1〜2月を展望した場合、相場の地合いが悪化、調整の続くことが予想される。

 昨年秋のアベノミクス相場が始まって以降、初めての大きい下げである。「これまで、どこを買っても、何を買っても儲かる相場で買い安心感が充満していただけに冷水を浴びせられた。とくに、この間の出来高が非常に多かったことから処分売りが一巡するには、もう少し時間が必要だろう」(中堅証券)。

 3月期決算が一巡し、「2014年3月期の好調と1ドル・105円までの円安は、ひとまず織り込んだ。アベノミクス成長戦略が控えているものの、すぐに効果が現れるというものでもないだけに材料的には、しばらく空白になる」(同)。

 そうなると、頼りになる材料としては、「暑い夏」、「7月に発表の第1四半期決算」、「東京都議選&参議院選挙」などが予想される。とくに、今年の夏は4年連続の暑い夏という予報だからサマーストックが例年以上に活躍する可能性はあるだろう。選挙では自民党の勝利は揺るぐことはなさそうで、相場的には織り込んでいるとみられるが、ムサシなどの選挙関連銘柄が動く可能性はありそうだ。ただ、第1四半期決算発表において、通期(2014年3月期)を上方修正することはなさそうで、全体相場には中立材料で個別に見直されるていどだろう。

 外資系ファンドの決算ということもあって、株価が戻れば利益確定売りの出ることも予想される。また、今度の下げで処分売りができず躊躇している投資家も多いはずで戻りが鈍いということになれば本格的な処分売りも予想されrそうだ。

 もちろん、相場の基調は強い。「民主党から自民党へ政権交代」、「人もセメントも大切という公共投資の増加」、「デフレからインフレへ」、「都会だけでなく地方も活性化」、といった基本とな政策に変化はない。基調は強い相場の中で買い付いたた投資家の投げをどこで買うかによって、今年後半相場の「タネ玉」となるから、ここからの突っ込みはチャンスでもある。ここは、『相場は相場に聞け』の姿勢で、「コツン」と底打ちの音がするのを見逃さないことだろう。
posted by 犬丸正寛 at 15:59 | 株で見る世の中

2013年05月17日

基調は強いものの達成感も、秋まで高値保合いの可能性、「業績+成長戦略」で銘柄選びを=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 日経平均は15日(水)に場中値、終値とも1万5000円台に乗せた。2008年1月以来、5年4ヶ月ぶりであり、また、昨年11月水準から約76%の上昇率である。好調な企業業績見通しが続いていることから、次は、リーマンショック直前の高値1万8300円(2007年2月)を目指すものとみられるが、ただ、しばらくは高値圏でのモミ合いとなる可能性もありそうだ。場合によると、14年3月期の増額期待の高まる第2四半期決算の秋ころまで、高値往来の展開が続くことも否定できないだろう。

 2014年3月期の日経平均ベースの予想1株利益は16日現在で890.8円となっている。一部強気筋で期待された1株利益1000円は難しいものの、900円前後ということで企業業績には安心感がある。予想PERも16倍台まで低下していることで、中長期投資スタンスの買いが予想され、相場の基調は強いとみられる。

 ただ、短期筋にとっては3月期決算発表の一巡で、手がかり材料がなくなる。しかも、目標だった日経平均の1万5000円乗せで達成感も出ている。「短期売買を旨とする投資家にとっては、今後は決算からアベノミクスの成長戦略に目が向くことになるだろう。7月に発表となる第1四半期決算での増額はないだろうが、それでも14年3月期の増額の可能性がある銘柄には成長戦略の材料も加われば、そういった銘柄が夏相場で活躍するだろう」(中堅証券)。

 円安についても、「マーケットは1ドル・105円は織り込んだ可能性がある。その先、円安が進むかどうかは不透明だが、さらに、円安が進むようだとアメリカ自動車業界からの反発も予想される。国内的にもいつまでも円安頼みではなく成長戦略で経済再生を目指すべき、という声も聞かれる」(同)ということだ。

 日本の1〜3月のGDPは年率3.5%のプラスと好調。6月の東京都議選、7月の参議院選挙の勝利はまず間違いないだろうし、消費税引き上げもゴーサイとなるだろう。ただ、貿易収支は依然として巨額の赤字で、しかも、敦賀原発には活断層の存在から再稼動どころか廃炉の可能性が強まっている。エネルギー問題をどうするかと同時に原発で成り立っていた地方経済をどうするかという課題もある。このあたりまで踏み込んだ成長戦略ならマーケットでも大いに評価されるものとみられる。

 これからの相場は基調は強いものの、「意外に儲からない」、ということも予想され、いわゆる「チャブつく」ことも場面も増ええそうだ。昨年秋から大きく上昇した相場だけに銘柄選びがいっそう重要となりそうだ。
posted by 犬丸正寛 at 16:53 | 株で見る世の中

2013年05月10日

1ドル・100円乗せ効果で期待膨らみ日経平均1万8300円へ=犬丸正寛の相場展望

■14年3月期への期待膨らむ

犬丸正寛の相場展望 100円へ乗せそうで乗せなかった円相場が10日、遂に1ドル・100円台に乗せた。連れて、日経平均は週末には1万4636円まであり、2008年1月以来となる1万5000円を射程圏に捉えている。

 アメリカ景気の力強いことがドル高・円安の背景といわれるが、貿易収支悪化の続く日本経済の芳しくないことも円安要因なのかもしれない。変動相場制の下では経済の芳しくない国の通貨が下落して貿易収支を改善させる役目があるからだ。

 日本は昨年秋からの円安で景気に明るさが加わり、目下、発表が最盛期の3月期決算において、2014年3月期見通しは好調である。

 ただ、一方で日本の円安はアメリカ、欧州にとってはドル高、ユーロ高であり、手放しで通貨高を放置するとも思えない。韓国でもウオン高の影響が出始めているようだ。アメリカとしては、長期不況の続いた日本の経済をもう少し力強いものとしたいと思うかもしれないし、もうひとつの同盟国の韓国への配慮もあるだろう。フシだった100円台に乗せた勢いで、しばらくは円安傾向が続きそうだ。が、今後は為替に対しては政治的判断、とくにアメリカのサジ加減が注目となりそうだ。

 早速と、今夜からイギリスで始まる「G7財務相・中央銀行総裁会議」が注目される。日本に対する風当たりが強くないなら一気に105円もありうるだろう。

 そうなれば、2014年3月期業績に対する期待が膨らむ。たとえば、トヨタ自動車の14年3月期の1株利益は432.5円(13年3月期303.8円)と好調見通しにあり、さらに、円相場が1ドル・100円台に乗せたことで1株利益の上乗せが期待できる。

 10日(金)は約634社が決算を発表、13日(月)約434社が発表と、ピークを迎えている。直近9日(木)現在では日経平均の予想1株利益は784円まで上向いてきている。最終の着地では800円となるか、あるいは850円となるか。さらに、今後、円安が進めば日経平均の予想1株利益の上ブレ期待も当然、高まるはずである。

 3月期決算の発表が一段落する5月下旬までは、日経平均などの指数を買う相場よりも個別的に好決算銘柄を集中的に買う展開だろう。そして、決算発表が一巡すれば物色意欲はやや収まり今年前半相場に対する休息も予想される。

 ただ、その場合でも円安効果で14年3月期に対する期待が強いため、日経平均など指数の大きな調整はなさそうである。とくに、6月に政策具体化となるアベノミクス成長戦略を手がかりに買い買い直され日経平均は夏場に向けリーマンショック前の高値である2007年2月につけた1万8300円を目指すものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 16:42 | 株で見る世の中

2013年04月26日

これまでの「何でも買い」から、好業績銘柄の「選別買い」へ=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週(4月30〜5月2日)は週のなかばから5月相場入りで、とくに、来週は営業日が3日間と少ない。週後半から連休明けには3月期決算の発表が本格化することから「決算にマトを絞った」展開が予想され、全体相場より個別物色が鮮明になるものとみられる。

 日経平均など相場全体を表す指標は基調は強いものの、個別銘柄の動きに比べると上値は重くなりそうだ。これは、(1)日経平均が昨年秋から約68%上昇と、上げピッチが速い、(2)足元では日経平均が30日線に対し警戒水準の9%乖離率に達している、(3)アメリカの景気に懸念がみられる、(4)アベノミクスではマーケット全体を押し上げる効果が先行したが、ここからは個々の企業業績が重要となっている、ことなどがある。

 とくに、アメリカは1〜3月の企業業績がIT中心の輸出関連に陰りがみられる。アップルは10年ぶりに減益、キャタピラーも減益、IBMも芳しくないと伝えられている。欧州経済は金融不安は一巡とみられるものの、緊縮政策等で実体経済が悪化している影響があるようだ。中国も経済の減速が目立つ。3月にアメリカの新規雇用者数は2月に比べ大きく伸び悩んだ。まもなく発表となる4月の雇用者数が気になる。こういったことからNYダウは堅調な中にも波乱を含んでいる。NY高を期待した日経平均高は期待し難いのではなかろうか。

 国内ではアベノミクスの効果を計ることになるのが3月期決算といえるだろう。これまで、金融緩和、円安政策が日経平均に大きく作用してきた。これから、企業の3月期決算で、とくに2014年3月期の利益に対しどれだけの効果をもたすかが最大の見所である。

 突き詰めれば、日経平均ベースの2014年3月期予想1株利益が直近の594.8円(25日)に対し、どのていどとなるかである。予想1株利益が確定するのは5月中旬以降となる見通しで、それまでは個別で業績のよい銘柄を買う展開だろう。

 そして、3月期決算の発表が終了し、1株利益が良好ということになれば、アベノミクスの成長戦略と組み合わさり日経平均は上値を追うものとみられる。昨年秋から現在までの相場は、政権交代によって大前提が変わったことから、「何でも買い」だったが、これからは「選別買い」の局面を迎えているといえるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 16:13 | 株で見る世の中

2013年04月19日

NYダウ波乱でも日本の強さ確認の展開、足元は決算発表控え1万3000円台のモミ合いに=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 日経平均は4月5日に1万3000円台に乗せて以降、12日には高値1万3568円はあったものの1万3000円台での滞留が11営業日に達するなど高値圏でのモミ合いとなっている。

 この背景には、(1)円相場が1ドル・100円接近となったものの100円台にならず、逆に小幅の円高となっている、(2)NYダウが波乱となっている、(3)3月期決算の本格発表が近づいている、ことなどがあるためと思われる。順番に見て行こう。

 NYダウは2日連続で大きく下げるなど波乱となっている。ボストンマラソンでのテロ、テキサスでの化学工場爆発などが影響していることは間違いないだろう。幸い、景気が強いため2001年9月・テロの時のような大暴落にはなっていないものの、今後、真相次第では依然、株価にとって波乱を引き起こすことも予想される。米国の混乱に乗じるかのように北朝鮮は話し合いのための3条件を突きつけるなど、アメリカの外交も難しくなっている。

 しかも、今は、景気は良好ながらアップル株価が400ドルを割り込んだり、3月の新規雇用者数が伸び悩んだり、一部では景気に対し心配な点もみられる。仮に、米国景気が頭打ちから下降に向かった場合、財政削減から以前のような景気テコ入れは難しそうだ。むしろ、政府予算執行の停止なども出始めているようだ。

 この点、日本の場合、本格的金融緩和は3週間前に始まったばかりである。大型金融緩和を3回実施したアメリカと始まったばかりの日本とでは勢いが違う。ましてや、日本はこれから、「景気・企業業績の果実」が待っている。景気成熟期のアメリカと、これから景気のよくなる日本とでは、当然、マーケットの元気度が違ってくるものとみられる。

 それを実感するのが、これから発表が本格化する3月期決算であり、とくに、2014年3月期の増益がどのていどになるかがいちばんの関心事である。18日時点の日経平均予想1株利益は580円、これがいくらになるか。マーケットでは4割アップの800円ていどと見込まれているが、1000円に近づくようなら日本のマーケットはNY離れとなって2万円の可能性も出てくるだろう。

 足元では、5月の決算発表を控え、引き続き1万3000円台のモミ合いとみられる。とくに、NYダウ波乱の中で日本のマーケットの底堅さを確認する展開とみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
posted by 犬丸正寛 at 16:42 | 株で見る世の中

2013年04月12日

1985・86年型相場と類似、「国策に逆らうな」、3〜4年は強い=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週(15〜19日)の相場も強そうである。日経平均は12日(金)には一時、1万3568円まで買われ、昨年11月の8619円からの上昇率は57.4%に達している。

 上昇率だけでみると過熱感の印象で、手を出し難いことはある。しかし、2つの点でこれまでの相場とは大きく異なる。(1)政府、日銀が一体となった物価2%目標、(2)これまでのデフレ下で株価水準が低い位置に置かれ過ぎていた───ことがある。

 政府、日銀の一体政策はかつてないことであり、物価2%は「国策」である。相場格言にも『国策には逆らうな』と教えている。現在の金融緩和政策は1985、86年頃と類似しているようでもある。日経平均はその後、1989年の史上最高値3万8915円へ向けて上昇した。1989年は言うまでもなくバブル経済の最盛期であり、この意味では、現在はバブル経済が芽吹いたところで、3、4年先にはバブルが燃え上がるというシナリオも予想される。「国策」に従えば、この先、多少の振れはあっても基調の強い相場が続くとみておかなくてはいけないだろう。一旦、利食いすると次は買い難くなるので必ず半分はタネ玉として残しておくのがよいだろう。

 これまでの低い水準と比較すれば高所恐怖となることは理解できる。しかし、日経平均が2008年から2012年まで7500〜9000円に放置されていたこと自体が異常だったともいえる。この間、欧州不安から経済等の底力があるとして「円」が買われた。しかし、「円」は買われたものの「株」は見送られたままだった。とくに、日本のデフレが問題視されていたが、それが脱デフレ政策、しかも「国策」だから、これまでの低水準に置かれていた株価とは比較にならない。1万11406円のフシを抜いた時点を新しい相場の起点と置くべきだろう。そこをスタートとみれば現在はまだ18%の上昇にすぎない。

 短期的には波乱も予想される。日経平均は日足チャートで30日線との乖離が9%超に拡大、26週線でも20%超に拡大しているからだ。当然、利益確定売りに押されるところである。

 足元では、消費関連の多い2月期決算が発表されている。総じて好調である。続いて、3月期決算もこれから本格化する。とくに、2014年3月期の好調が予想され、大幅増益銘柄は大きく評価されるだろう。ここからの投資スタンスは好業績見通し銘柄にマトを絞り、移動平均線乖離が拡大したら利食い、調整で移動平均線に接近したら買いでよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 16:16 | 株で見る世の中

2013年04月05日

アベノミクス2幕相場、日経平均1万8300円目指す展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 日銀の予想を上回る金融の量的緩和で2月中旬から続いていた調整色相場を吹き飛ばした。いよいよ、「アベノミクス2幕相場」に突入といえる。

 「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」という豊臣秀吉流ともいえる安部政権の脱デフレ政策である。物価2%が達成されるまでやり切るという。マーケットは素直に評価している。とくに、指標株のトヨタ自動車が2月12日の5050円を抜いて年初来高値を更新してきたことは大きい。

 日経平均は2007年2月の1万8300円から2008年10月の6994円までの下げに対する半値戻しを達成した。次は、3分の2戻しの1万4531円を目指し、さらにその次は1万8300円奪回が目標だろう。さらに、その先は2万円ということになるだろうが、今の時点ではそこまで見込むのはハシャギ過ぎだろう。

 「ここから先はNYダウが参考になる」(中堅証券)という。「リーマンショックのあとアメリカは思い切った金融の量的緩和を行った。その結果が現在の景気好調とNYダウの最高値につながっている。今の日本はリーマンショック後に金融緩和策を採ったのと同じ状況。このあとにはアメリカと同じように景気と企業業績の向上が待っている」(同)。

 アベノミクス1幕では、期待感先行といえる展開だった。これからの2幕相場では景気の良くなることを実感する局面といえる。その実感の第1歩が、3月期決算の発表といえる。2013年3月期は、マダラ模様ながら2014年3月期はかなり期待できるものとなろう。そのときのポイントとなるのが日経平均の2014年3月期予想1株利益である。800円ていどか、あるいは1000円となるかなどによって日経平均の上値が決まってくるものとみられる。

 もちろん、心配な点がないということではない。北朝鮮問題、中国とも関係は修復されていない。国内的にもエネルギーの制約、高齢化による内需不振などが頭を押さえる。とくに、エネルギー、高齢化の問題は過去の景気回復とは大きく異なるところである。それでも、2%達成まではやり切るということだ。むしろ、2%達成のときの社会、経済はどういう姿なのか気になるものの、今はまだそこまで気にすることはない。1万8300円目標で好業績銘柄の押し目買いでよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 16:42 | 株で見る世の中

2013年03月29日

別腹相場が展開できるか=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週(1日〜5日)は4月相場入りである。当然、新営業年度期待といきたいところである。そこで、これからの見所としては、ひとことで言うなら、「別腹相場」が展開できるかどうかではないだろうか。別腹とは言うまでもなく満腹でも好物なら食べることができることである。

 今の相場は日経平均でみれば、昨年11月13日の8619円から今年3月21日の1万2650円まで4ヶ月間で47%上昇している。通常は20%も上がれば上出来のところを2倍の上昇率だった。相当のご馳走がテーブルに盛られたためといえる。「アベノミクス」という、寿司にステーキにとすばらしいご馳走だった。われわれは喜んで口にした。結果、食べすぎて満腹状態に近いのではないかと思われる。

 それでも、好物が出れば「オレキシン」というホルモンが分泌されて、好物だけは別腹といって口にすることができる。果たして、料理長の黒田総裁がアベノミクスを上回る好物をマーケットに出してくれるかどうか。とっておきのケーキなら別腹で多くの投資家は口にするだろう。4月3日のディナーが楽しみだ。

 一方、ディナーを楽しみたいところだが周囲はけっこう騒がしい。北朝鮮は南北間の通信をシャットアウト、アメリカに対しては攻撃も辞さない構えを口にしている。景気良し、株よし、シェールガスも手にして余裕のアメリカに対し、あせりの感じられる北朝鮮。瀬戸際外交でなくなったときが怖い。このため、マーケットでは軍事関連の三菱重工株が商いを伴って動意となっている。円安関連銘柄なら満腹でも防衛関連銘柄ならまだ食べることができるということだろう。4月相場は銘柄が変わりそうである。
posted by 犬丸正寛 at 16:37 | 株で見る世の中

2013年03月22日

調整は業績相場移行へのシグナル、絶好の買い場提供=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 強気充満だったマーケットを週末に不安感が襲った。日経平均が、新しい日銀総裁の就任直後というのに22日は297円安と大きく下げた。これまでも300円、400円という下げはあったから、特に、この日の下げが大きいというわけではないものの、マーケットが強気一辺倒だっただけに心理的ショックは297円安以上に大きかったといえる。

 注目されるのは、今日の東京マーケットの動きが今夕の欧州、そしてNY市場へどのていど波及するかがポイントだろう。東京市場の場味の悪さを受け継いで欧米が下げるようなら週明けの東京市場は一段安の可能性もある。とくに、キプロスの銀行休業は25日までとなっており、行方は予断を許さない。

 また、チャート派にはどちらかというと慎重な見方をする人が多い。とくに、「一目均衡表月足で雲の上蓋に日経平均が到達しフシ目にきている。しかも、月足2年サイクルの2年目に当っている。外国人機関投資家には一目均衡表を使うところが多いと聞いているので、今日あたりの下げはチャートから、ヘッジファンドが売ってきた可能性がある」(中堅証券チャーチスト)という。また、「NYダウは2007年の水準を抜いて最高値更新となっているものの、S&P500は2007年の1576ポイントを抜くことができていない」(同)ことも目先の警戒感となっている。

 キプロス問題が拡大するようだとユーロ売り・円買いとなって、円高が進む可能性がある。そうなると、これまで相場を牽引してきた円安関連銘柄は厳しくなる。実際、週末のトヨタ自動車は110円安の4890円と安値での引けとなっている。仮に、来週、このまま下へ行くようなら5050円は立派な二番天井となって出直りにはしばらく時間がかかることになるだろう。

 日経平均は昨年11月中旬の8619円から3月21日の1万2650円まで46.7%上昇した。いくら超金融緩和とは言っても4ヶ月で5割近い上げに対しては一服があってよいところにきている。外国人投資家の強力買いに対し、国内の個人は思ったほど買っていないようだ。このあたりで個人投資家に買い場を提供する意味でも少しくらいの調整はあったほうがよいだろう。

 4月3〜4日には新総裁により日銀政策決定会議が控えている。ここで改めて金融緩和を買う相場になるものとみられる。その前に来週は、3月最終週で配当落ち(73円ていど)もあるのでやや軟調相場が予想される。キプロス問題によっては長い下ヒゲ足をつける可能性はある。しかし、そこは、。業績相場へ移行の前の絶好の買い場ということになるだろう。当面は輸出関連より内需関連銘柄が良さそうだ。たとえば、三菱UFJフィナンシャル(8306)は1株純資産717円に対し株価563円は割安感がある。
posted by 犬丸正寛 at 17:09 | 株で見る世の中

2013年03月15日

NYダウ高の支援と四季報・春号発売で「14年3月期を買う相場」本格化=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 NYダウは、糸の切れた凧ともいえる状況で高く舞い上がっている。東西冷戦においてソ連に打ち勝ち、欧州経済の地盤沈下、中国の成長鈍化などからアメリカの強さが明確となり、さらにシェールガスを持ったアメリカは一人勝ちの様相である。NYダウが強さを発揮するのも当然であろう。

 NYダウが上がれば日経平均も引っ張られて上がる。マーケットでは、「NYダウと日経平均をそれぞれの単位を取って比較すれば、日本が民主党政権から自民党政権に戻りアメリカと親密度を増しているのだから1対1でよいのではないか。NYダウの1万4539ドル(14日)に対し日経平均も1万4000円台があってよいだろう。固くみてもNYダウに対し9掛の1万3000円台は見込めるだろう」(中堅証券)という見方だ。

 アベノミクス第2幕相場は4月からの新営業年度からとみられていたが、買い人気が強く、どうやら4月を待たずスタートといえるだろう。とくに、昨年来高値に肩を並べている主力銘柄のトヨタ自動車が高値を更新すればアベノミクス相場第2幕の本格幕開けといえるだろう。

 ただ、気をつけなくてはいけないのは過去においても順風のときほど予期しない材料で足元をすくわれることは多い。財政悪化の問題はアメリカにとって重しであり、いつまでもドル高(=円安)というわけにはいかないだろう。もちろん、日本にとっても欧州にとっても財政悪化問題が頭を押えている。豊かな生活を借金で賄おうとすれば、いずこの国も同じ悩みを抱え続けることになる。

 4月となれば、企業業績の2014年3月期見通しも報道され始める。15日には四季報・春号が発売されている。ページを飛ばし読みしただけでも、2014年3月期は好調な数字となっている。さきほどのトヨタ自動車は四季報・春号での2014年3月期予想1株利益は356.8円(今期予想271.6円)となっている。この四季報・春号発売を契機に2014年3月期を先取りする業績相場がスタートするものとみられる。

 アベノミクス第1幕が金融緩和による「金融相場」の色彩が強かったのに対し、第2幕ではアベノミクス効果を手がかりとした「業績相場」と位置づけることができるだろう。業績相場は個人投資家にとっても最も分かりやすい相場である。
posted by 犬丸正寛 at 16:30 | 株で見る世の中

2013年03月08日

「好業績」で「好需給」銘柄が物色の中心=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 強い相場が続いている。いつ、調整があってもおかしくないのだが、(1)循環買いがうまく行っている、(2)調整に入ろうとすればNYダウ高に救われている、ことなどがある。

 ただ、日経平均は26週線に対し乖離率が遂に20%台を超えてきた。経験的には調整があってもおかしくないところに来ている。もっとも、アメリカ景気が強いこと、日本はアベノミクスに対する期待が大きいことがある。とくに、リーマンショック後は日米とも実体経済が芳しくなかっただけに、ここに来て実体経済に対し手応えを感じていることは大きい。

 仮に、景気実体の悪化につながることがあるとすれば、3月27日にもスタートする強制債務削減ということだろう。そうとう規模の削減となるから景気にとっては下支えのなくなる心配がある。

 ここに来て、1ドル・95円へ円安となってきたことは日本株にとって力強い。ただ、信用買残の多いトヨタ自動車は2月の高値を抜くことはできていない。代わって、信用買残の少ないホンダが高値を更新している。今後、ホンダが引っ張って、トヨタへつなぐことができれば全般相場はスケーるアップが予想される。

 今のマーケットは円安を横目で見ながらも、信用買残の多い銘柄を避ける展開で物色の中心は出遅れ銘柄の底上げが続いている。とくに、3月が決算月であることを考えれば、引き続き「好業績」、「好需給」の銘柄が注目だろう。
posted by 犬丸正寛 at 17:24 | 株で見る世の中

2013年03月01日

出遅れ株買いは3月上・中旬までか、売方の攻勢に注意を=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 日経平均は1万1600円台に買われ1万2000円に手の届くところまで来ている。ただ、2月7日の出来高51億株をピークに最近の出来高は30億株超の水準まで減少、ひところの、「全員が熱くなった相場」ではなくなっている。とくに、相場の支えとなってきた円安がここに来て1ドル・92〜93円と円安が止まっていることが大きい。

 実際、1ドル・94円台へ円安となった2月11日に円安関連銘柄はピークをつけている。たとえば、2月12日に5050円の高値をつけたトヨタ自動車(7203)は、27日には4600円まで売られ、危うく30日線を切りそうになった。戻してはいるものの、「外国人投資家といえども急増した信用買残を肩代わりしたくないはず。再度の円安がない限り上値は難しい」(中堅証券)という状況だ。

 「相場基調そのものは強いことから、短期筋は折角のチャンスは逃したくないとの思いでシコリが少なく、上値圧迫感のない内需関連で稼いでいる」(同)という。このところ新高値銘柄の大半は内需関連であることも物語っている。

 こうした輸出株から内需株への乗り換え相場は3月上旬、長くても中旬までだろう。内需株には信用買いのシコリはなくても、3月期末を控え法人筋には絶好の売り場となる可能性があるからだ。3月上・中旬に日経平均が1万2000円をつけて高値となるの可能性もあるだろう。

 とくに、出遅れ銘柄が人気となるときは、過去の例でも往々にして悪材料の出ることが多い。アメリカの強制歳出削減、イタリアの財政問題などは片付いていない。マーケットには、買方の反対側には、常に、売方のいることを忘れてはいけない。「春一番の嵐」を狙ってそろそろ売方が空売り攻勢を仕掛けてくる可能性がある。基調は強いのだから新規買いは突っ込み狙いに徹するところだろう。
posted by 犬丸正寛 at 15:21 | 株で見る世の中

2013年02月22日

『円高修正』から、『円安政策』へ転換見極める展開=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 まもなく3月相場を迎える。今後の相場は、「円高修正」から、「円安政策」への転換を探る展開が予想される。

 金融緩和政策を柱としたアベノミクスを手がかりに昨年秋以降、急速に円安が進んだ。しかし、見方を変えれば民主党政権前は1ドル・110〜120円だった円相場は75円台へ円高となっていたことに対する修正と見ることもできる。つまり、現在の93〜94円は、円高修正の局面ということにもなる。

 急ピッチでス進んできた円安が、ここに来てスピードが鈍っていることはなぜか。(1)相場波動的に見れば、一応のリバウンドが終了した、(2)国内外からの円安に対する視線が厳しくなっている、ことなどがあるだろう。とくに、先のG20では、日本への名指しの批判はなかったものの、通貨安競争に対する牽制は共同声明として盛られた。円安政策ではなく、デフレ脱却が目的という日本側の言い分が通った形である。

 しかし、(1)共同声明として盛られた以上はこれまでのような急ピッチの円安は難しくなった、(2)さらに円安策を採ろうとすれば、日本の言い分であるデフレ脱却が思うように行っていないことをアピールする必要がある、というこれまでとは違う条件が設定されることになったといえる。

 昨年秋から株の値上りが20%を超え、円安も20%を超えている。マーケットから見ても、ひと呼吸入れるところだろう。また、別の見方をすれば、「国内景気対応」は一段落し、次は、「外交重視」の順番とも言えるだろう。実際、日米トップ会談、日ロ首脳会談と外交は本格化している。外堀を埋め、次は、中国外交交渉の本格化だろう。内外政策に大きい手を打ったことで、今後は内外事案の詰めを行い、参議院選挙に臨むという流れだろう。

 その場合、3月あたりの種々の経済指標を見た上で景気回復がおもわしくないということになれば、もう一度の「円安政策」ということになるだろう。1月の貿易収支は単月としては過去最大の赤字でだった。さらに、2月も赤字が続くようなら、国民だけでなく外に向かっても円安の必要性を訴えることができる。

 日経平均は20日に1万1510円と年初来高値を更新したものの、その翌日は急反落した。このことからも上値に対する警戒感は強いものがうかがえる。指標株的存在のトヨタ自動車(7203)は12日につけた高値5050円を抜くことができないでいる。注意深く見れば、先行した銘柄は上値が重くなり、出遅れ銘柄が次々と買われることで日経平均などの指数は強い状態が維持されている。野球で言うなら、3、4番の中軸打者がモタつく中を下位の打者で頑張っている姿である。

 今後、理想的な形としては、出遅れ銘柄から、再度、トヨタなど優良株にスイッチできることである。しかし、これが、うまく行くかどうかは不透明である。とくに、例年、3月という月は動き難い月であることを考えるとなお更、難しいといえる。尖閣で交戦とか北からミサイル飛来といった突発的なことがないかぎり大きく下げることは予想し難いものの、「儲け難くなった」という声が増えていることも事実である。こういう時は、『休むも相場』だろう。4月からの新年度に好ダッシュができるよう、今は刃を磨いておくところだろう。
posted by 犬丸正寛 at 16:18 | 株で見る世の中

2013年02月15日

決算発表一巡、懸念材料が頭をもたげる展開に=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 第3四半期の決算発表がほぼ一巡したことで、来週(18日〜22日)は懸念材料が頭をもたげる展開となりそうだ。なかでも、気になる点としては、「円安の行方」、「北朝鮮問題」、「イタリアの選挙の行方」などが挙げられる。

 このところ円相場は1ドル・93円どころでモミ合いとなっている。ユーロに対しても125円どころで小幅な推移となっている。国会で円安が生活者に及ぼす悪影響を指摘され、海外からも円安誘導ではないかとの批判の声も聞かれる。このため、昨年11月ころから続いたような急ピッチな円安は期待し難くなっている。むしろ、イタリアの総選挙の結果次第では、ユーロ不安再燃の心配もあり為替の方向感は定め難い。G20において批判がなければ、円安に動く可能性はあるものの、それでも1ドル・95円ていどまでだろう。

 為替以上に株式マーケットにとって気になるのは北朝鮮問題だろう。核実験に対し世界はノーを突きつけている。北朝鮮に名指しされているアメリカも強硬姿勢だけに、北朝鮮が追い込まれた場合は危険な行為に出ることも否定できない。日本にとって地理的に近いだけにかなりの懸念材料である。

 日経平均は、去る、12日の1万1460円を高値に調整色を強めている。崩れたということではないものの、上値でややダンゴ状態となり、出遅れていたTOPIXも東日本震災前水準を奪回し全般相場の底上げもほぼ一巡した感がある。

 個別銘柄でみても先行したトヨタ自動車(7203)が高値から8.5%下げるなど相場付きに陰りがみられる。

 相場の基調は強いものの、しかし、「むしろ先行きの一段大きい相場を見込むなら、ここらでひと呼吸入れたほうがよい」との見方もある。積極的に空売りを仕掛ける展開ではないものの、買いついた目先筋が処分売りを先行させるものとみられ、新規投資は突っ込みを待つのがよいだろう。日経平均は高値圏でのモミ合いに移るものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 16:32 | 株で見る世の中

2013年02月08日

1回目のアベノミクス宴席相場は終了か、腹ごなしが必要=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 昨年秋の日経平均8500円前後から上昇を続けてきた相場は、どうやら1回目の大きなフシ目を迎えているようだ。この間の日経平均の上昇率が約33%と、『3割高下に向かえ』という心理的な水準に達し、出来高も増えた。

 とくに、7日の出来高51億3900万株は20113月15日の東日本大震災時での57億7000万株以来である。大きい違いは、、2011年3月の時の大商いは「投げ」が中心であったのに対し今回の大商いは「買い」先行によるものだった。少々、表現の品は悪いものの、2011年は東日本大震災という下剤で「お腹の中が空っぽ」となったのに対し、今回はアベノミクスというドレッシングで食欲が進み、「お腹いっぱい」になった。

 言うまでもなく、いくらご馳走でも毎日続くと飽きて、逆に、お茶漬けとタクアンが欲しくなる。つまり、1回目のアベノミクス宴席は、そろそろお開きの頃合とみられる。

 とくに、国会が始まり円安に対する批判もみられる。しかも、気になるのは、中国が日本に対し軍事的行動のレベルを上げていることがある。レーダー照射は交戦の一歩手前である。ロシアの領空侵犯もあるし、北朝鮮の核実験も近いようである。日本にとって、かつての蒙古来襲ともいえる非常事態である。安倍総理のアメリカ訪問で強い信頼関係を築き世界にアナウンスすることができるかどうかが注目される。もしも、期待したほどの絆が築けないとなれば外圧はますます強まる心配はある。

 第3四半期決算の発表もほぼ一巡した。良いにつけ悪いにつけ、業績の発表は株価変動の大きい材料だった。次は、5〜6月の3月期決算発表までは業績面の手がかり材料はなくなる。こうしたことを眺めてみると、ここらあたりで調整があってもよいところに来ているとみられる。

 中長期的にはアベノミクス効果に期待して、景気・企業業績の向上を買う相場がつづいている。短期的には食べすぎたきらいがあり、ここらで腹ごなしに運動でもするところに来ているのではなかろうか。個別的に業績の良い銘柄、出遅れ銘柄などが物色される展開とみられる。
posted by 犬丸正寛 at 15:55 | 株で見る世の中

2013年02月01日

日経平均1万1408円抜けば1万2500円も=犬丸正寛の相場展望

■業績悪化もほぼ織り込む

犬丸正寛の相場展望 日経平均はアベノミクスに対する評価と期待からほぼ3年ぶりに1万1000円台に乗せてきた。チャート上では、2010年4月の1万1408円を抜くかどうかが見所となっている。抜くことができれば、2008年から続いている大きなモミ合いを上放れて本格的な反騰相場突入が見込まれる。

 アベノミクスという見出しは、マスコミに使われないことのほうが珍しいくらい知れわたっている。その分、マーケットにとって、新鮮味が薄れていることは間違いない。しかし、一方で、「3年間の民主党政権のもとで不景気風と株は上がらないものという雰囲気だったことに比べれば、アベノミクスを相場が織り込んだとはいえない」(中堅証券)。

 それでもなお、慎重派は最近の輸出比率の高いグローバル企業が業績見通しを減額するとこころが目立っているため新規買いを手控えさせている。つまり、下げるのを待って買いたいというニーズが強い。しかし、減額修正銘柄は下げはするものの、新安値となるほどの下げにはなっていない。買いたいと希望する値段までは下がっていない。『押し目待ちに押し目なし』、『待ち人来たらず』で、期待通りの値段までは下げてくれないのがいまの相場である。

 結局、こうした人の買いが、わーっと盛り上がるまではこの相場は続きそうな雰囲気である。

 輸出比率の高い銘柄に減額が多いことは事実である。円高、欧州・中国経済の不振などの影響が響いている。しかし、足元では円高が円安に振れている。欧州も最悪期は脱したようであり、中国との修復にも明るい兆しがみえる。こうしたことを象徴しているのがキャノン(7751)だろう。2012年12月期は円高等の影響で営業利益は13.4%減益だったが、今期(2013年12月期)は円安効果で一転して26.6%増益見通し。輸出比率の高いグローバル企業の中で、円高から円安に振れる局面において本決算を発表したのはキャノンが最初だろう。しかも、キャノンの株価は小安いていどで引き続き高値圏で堅調である。

 今後、3月期の本決算を跨いで同じような業績と株価の展開が予想される。

 また、国内鉱工業生産は12月の好調につづいて1月、2月も伸びが見込まれている。鉱工業生産が上昇するときのマーケットは過去の相場でも強い。

 一方、今、需給関係において売り手といえば、昨年秋以降に買った株の利益確定売りくらいだろう。空売りも怖くて仕掛け難い状況にある。買い手は機関投資家等の運用が債券から株に向き、外国人投資家も相性のよい自民党政権ということで強力に買っている。残るは個人投資家だろう。ガマン堪らず買いに出たところで、過去のパターンのように、ひとつのヤマ場を迎えるのではないだろうか。

 今は、『押し目待ちに押し目なし』の状況が強い相場を作り出しているといえる。中期的には1万1408円のフシを抜いて1万2500円も見込める展開だろう。むろん、多少の波乱はあるだろうが、上昇相場へ潮目は変わっていることだけは間違いなさそうだ。鉱工業生産上昇で機械関連銘柄が注目だろう。
posted by 犬丸正寛 at 16:11 | 株で見る世の中

2013年01月25日

円安の行方を見守る展開へ=犬丸正寛の相場展望

■アベノミクスへ期待強いが、上値には業績悪の懸念も

犬丸正寛の相場展望 来週(28日〜2月1日)は、円安の再来がないかぎり全般相場は高値圏のモミ合いとみられる。相場の下値に対してはアベノミクスへの期待がある一方で上値には材料出尽し感が漂う。

 たとえば、今回の相場の先行銘柄であるトヨタ自動車を今、4300円台で中期投資で考える人なら当然、10〜15%高の5000円ていどの相場を見込むはず。5000円のためには、現在の同社株の予想PER17倍は20倍に評価しなくてはいけない。2014年3月期の見通しが明確でない今の時点で5000円まで買い上がるには抵抗感はあるはず。それでも仮に、今、一気に5000円へ上昇するには1ドル・100円へ再び円安が見込めることが必要だろう。

 全般相場についても同様だろう。アベノミクスが「国策」である以上、基調は強い。しかし、アベノミクスの姿が浮き彫りとなり、今後はアベノミクスの効果を見極める場面に入っている。とくに、これまでのデフレ、欧州不振、中国ショックなどの影響で、日本電産の大幅な業績減額修正にみられるように業績の厳しさが目につく。とくに、アベノミクスの効果が出始めるとみられる6月頃より先に3月期の業績悪が出る心配がある。

 東証1部のPERは約18倍まで上昇している。仮に、PER20倍まで許容するには、なんらかの具体的な新しい材料が欲しい。消去法で考えれば、「円安」しかないのではないか。

 したがって、来週は円安の行方を見極めながらの展開が予想される。物色の中心は昨年11月からの上昇相場の中で出遅れている銘柄に向くものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 16:22 | 株で見る世の中

2013年01月18日

円安を巡る思惑展開へ=犬丸正寛の相場展望

■円安は産業界歓迎でも生活者に圧迫、選挙控え舵取り微妙

犬丸正寛の相場展望 来週(1月21日〜25日)は、『円安に対する功罪相場の展開』が予想される。1ドル・90円台に進んでいる円安。産業界にとっては悪い話ではないものの、生活者には圧迫となる。選挙を控えているだけに、政府としても産業界だけに目を向けているわけにはいかないだろう。

 早くも、ガソリン価格が大きく上昇に転じ、輸入食品にも価格上昇の圧力がかかっている。LNGなどエネルギー源もアップとなり電力料金等を通じ生活者を圧迫する。天候不順も加わって野菜も値上りしている。主婦の間から悲鳴が上がり始めている。長く、デフレに馴染んできただけに急激な物価高は受け入れ難い心理がある。

 本来、インフレ政策を掲げているわけだから、物価上昇は好ましいはず。しかし、問題は生活者への負担が先行することだ。円安で輸出競争力が向上する企業にとっては願ってもないことながら、潤った企業が直ちに雇用を増やし賃金アップを行うわけではない。先行きの見通しにそうとうの確信が持てないと企業は設備を増やしたり雇用を増やしたりはしない。しかし、円安による生活物資の値上りは待ったなしである。この点が急激な円安は好ましくないということとなる。

 今年、選挙がないなら産業界優先先行で1ドル・100円のような円安も歓迎だろう。しかし、それでは産業界の票は獲得できても、消費者物価高のままだと夏の参議院選挙では個人の生活者票は逃げてしまう心配がある。国会が始まれば、当然、野党側の円安批判も予想される。

 このため、政府筋から円安を牽制するような発言が今後も出ることが予想される。当然、それに連れて輸出関連銘柄は高値圏で波乱をみせることとなるだろう。

 雇用を即効性で改善するには、やはり公共投資の増加だろう。とくに、東日本の地域再生に一気にアクセルを踏み込むところだろう。

 日経平均は、仮に、1ドル・100円まで許容するというコンセンサスなら1万2000円近くもあるだろう。逆に、1ドル・90円程度で落ち着かせるということなら現在水準でのモミ合いだろう。ここは、政府筋の発言に注意しておくことが肝要だ。

 移動平均線乖離率などテクニカル面でも相場は高値警戒が必要なところにある。このため、しばらくは、指数よりも個別銘柄での物色が活発となりそうだ。東日本復興関連の公共投資関連銘柄や対中関係に修復の兆しも見れるため中国関連銘柄にも目を向けておきたい。
posted by 犬丸正寛 at 16:28 | 株で見る世の中

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。