相場格言

2008年02月23日

【業績拝見】夢真ホールディングスは多角化事業を清算、得意の人材派遣事業に経営資源を集中

夢真ホールディングス<2362>(大証へラクレス)

株価急騰の千年の杜(大2)株式保有で人気も波及
今期、営業利益率が一気に10%台突破へ向上、2円復配


売上高営業利益営業利益率配当
05.96,4993495.371.93
06.941,5548372.011.00
07.938,8312880.740.00
08.9予8,1001,05012.962.00
 (単位百万円・%、円)

 目につくのは、「売上」の変動ぶりだ。これは、積極的なM&Aによる「多角化」と、多角化戦略見直しによる「本業回帰」という流れによるものだ。企業集団状況の推移で見ると分りやすいのでグループ企業数を取り上げてみる。

・04年9月期=子会社1社、関連会社1社
・05年9月期=子会社6社、関連会社1社
・06年9月期=子会社15社、関連会社1社
・07年9月期=子会社13社
・08年9月期予想=連結子会社は夢真コミュニケーションズのみ
 (10月1日に夢真コミュニケーションズは、夢真ホールディングスと合併予定)


一時237億円の有利子負債を60億円まで圧縮
さらに今期末には40億円へ


夢真ホールディングスホームページ 売上高の急増、急減は多角化によるもの。06年9月期には多角化で子会社を増やしたことで売り上げが急増したが、今期08年9月期は多角化の清算で減少する。しかし、不採算の整理によって、営業利益は今期急回復し年2円復配する見通しだ。また、06年9月期に有利子負債は237億円あったが、07年9月期には60億円へ大幅減少、さらに08年9月期には40億円まで減少する。営業利益率も08年9月期は12%台へ急向上する。

 振り返って、同社が多角化を図ったのは、建設業に関連する事業領域である建築設計、検査、電気・空調設備、メンテナンス業務、コンサルティング業務等の機能を持つ企業をグループに取り込むことにより、建設業界へのトータルサービスの提供に取り組んでいくことだった。それ以前の同社は得意の施行図作成や施工管理の業務請負で建設業における業務のアウトソーシングを支援する事業を展開。

 とくに、「施工図」は設計者の意図を十分に織り込んで、作業工程・工法等、現実の作業に必要な情報の全てを集約し具現した詳細図。建築物の図面は「意匠図」と「構造計算図」から成っており、この両方を合わせて「施工図」と呼ばれる。海外では意匠図と構造計算図は別々の作業となるようだが、「施工図」があるのは日本だけだそうで、日本の建築物の美しいのも「施工図効果」といわれる。同社社長が大学の建築学部時代に、この施工図をアルバイトで描いていたことが同社を創立する基となっている。

撤退・清算は好判断

 つまり、建設業界のことを若い時から体験して熟知している佐藤眞吾会長兼社長は「進むことにも、引くことにも決断は早い」。公共投資の抑制で受注環境が一段と厳しくなり明るさが戻るめどがつかず、しかも原油高騰に端を発した資材価格の上昇が本格化するとの見極めから多角化の清算を昨年の早い時期に決めた。グループでのシナジー効果が期待できないと判断したためだ。
 仮に、判断が遅れていたら、サブプライム問題の浮上で売却がスムーズに出来たかどうかは分からなかった。「売り上げが無くなるのだから、経営者としてはつらかったはず。批判する投資家もいるかもしれないが、利益が回復する見通しですから多角化清算は好判断だったと思います」とアナリストからの評価の声も聞かれる。

 では気になる「子会社の売却損益」について見てみよう。撤退・清算という言葉からは多額の損失を出したかのような印象だが決してそうではない。詳細に見ると、「東亜建設技術」=2億円の利益、「夢真総合設備」22億6900万円の利益、「夢真エンジアリング」=15億2600万円の利益を出している。
 一方、「勝村建設」=4億9000万円の損失、「夢真不動産」=6億3300万円の損失、「住宅検査夢真」=1億5400万円の損失、「夢真証券」=3億1500万円の損失、「夢真アーバンフロンティア」=4億5800万円の損失、「デントハウス」=4200万円の損失、「夢真キャピタル」=700万円の損失、「エス・シージャパン」=トントン、という状況。損失の社数は多くても金額ベースでは損失どころか売却益が出ている。

人手不足が目立つ建設の現場監督者を養成して派遣

 今年4月1日には子会社の「夢真コミュニケーションズ」を合併、従来からの得意な事業へ特化する。即ち、建設業界のニーズにマッチした「人材派遣事業」(売上比率95%)と「施工図面作図事業」(売上比率5%)の2つの柱だ。人材派遣では施工の管理業務、つまり技術を身につけた高付加価値業務の現場監督者を派遣する。
 従来は建設会社の従業員が担当していたが老年化が進み若者が集まり難く、他の業界より人手不足が目立っている。現場監督者はすぐに人材育成ができるわけでないため特に人手不足が目立つ。同社では全国の大学、短大、専修学校等へのアプローチを積極的に行い新卒採用を拡大。現場に派遣できるような研修制度を確立、資格取得の促進を通したスキルアップによって定着率向上を図っている。

2012年には営業利益19億5700万円が目標

 中期目標では「派遣売上」を2012年9月期に125億6400万円(08年9月期予想比79.2%増)、同事業の売上総利益を40億8400万円(同77.4%増)、これに施工図を加えた全体で売上高130億6400万円、営業利益19億5700万円、当期利益10億7500万円の計画を立てている。

 「選択と集中の手本のようなケース」として、最近の株価は急見直しとなっており、今年1月16日に安値は46円まであったが、2月21日には一気に207円までつけた。また、業績のほかに千年の杜<1757>(大2)が、ロシアから、2012年開催の冬季オリンピック関連で黒海沿岸での人工島建設を受注したとして株価が急騰。この千年の杜の株式を夢真が55万5000株分保有していることから、含み増加と海外での現場監督者派遣にもつながってくるだろうとして人気面での支援材料になっている。
posted by 犬丸正寛 at 23:45 | 株で見る世の中

2008年02月14日

プラマテルズはPER4.5倍、PBR0.5倍、利回り3.9%と割安

犬丸正寛の中期狙い・割安銘柄発掘

今期の営業増益一服は織り込む

 プラマテルズ<2714>(JQ・売買単位1000株)の株価は2004年1月以来の400円割れ水準へ下げている。この株価水準は2001年の上場後の動きから見てボトム圏であり、PERはわずか4.5倍、PBR0.58倍、さらに年15円配当に対する利回り3.94%など、いずれの投資指標から見ても割安であり中期投資での買い場といえる。
 マーケットが気にしているのは、営業利益が04年3月期の6億5900万円をボトムに、05年3月期=7億9000万円、06年3月期=10億5400万円、07年3月期=11億1500万円と好調に増益を続けてきたが、08年3月期は10億2000万円と若干の減益となる点だ。
 ジャスダックなどの小型株の市場では、利益が良い場合も悪い場合も、株価は過大に反応する。今度の同社の利益見通しも、これまでの増勢からすれば、「増益一服」と見るのが妥当。とくに、営業利益が10億円を割ると印象は悪くなるが、そうではないだけに今期の営業益足踏みは十分に織り込んだといえる。
 同社は、大手商社のような大量の取引きを行うのではなく、個々の取引先のニーズに沿った合成樹脂を扱う。たとえば、得意先から、「新しいプリンターの樹脂引き合いがあった場合」は、得意先と直接会って話し合い、「高熱に耐えられること、頑丈であること、清潔に使いたい、新しい色の外枠にしたい」とのニーズにマッチしたプラスチックを提供する。ここに同社の強さがある。自動車、家電、事務機器など需要先は多岐にわたっている。
 08年3月期の売上高は5.7%増の550億円の見通し。営業利益はシステム構築費、人件費、本社移転の費用などにより減益となる。1株利益は84.2円。09年3月期は本社ビル売却(11億円)の資金を借り入れ返済に充当し金利が軽減されることもあって営業増益が見込まれる。
posted by 犬丸正寛 at 11:25 | 株で見る世の中

2008年02月07日

ミロク情報サービスの是枝周樹社長に聞く

会計事務所及び企業向け会計・税務ソフト開発販売の大手「ミロク情報サービス」
設立30周年を迎え、さらなる経営基盤の強化を目指す是枝周樹社長に聞く


是枝周樹社長 ミロク情報サービス(9928・東証2部・http://www.mjs.co.jp/)は、平成23年3月期に連結経常利益30億7000万円(平成20年3月期計画8億円)を目標とする中期経営計画を推進する。昨年、会社設立30周年を迎え、さらに強固な経営基盤の確立を目指す。会計事務所及び企業向け会計・税務ソフトの開発販売の大手である同社の是枝周樹社長に聞いた。

平成23年3月期、連結経常利益30億7000万円目標に中期経営計画を推進

――まず、中期経営計画の数値についてお願いします。

是枝社長
 単体と連結で申し上げますと、平成23年3月期に、「単体」で売上高190億円(平成20年3月期計画163億8000万円)、経常利益28億5000万円(同7億4000万円)、「連結」で売上高222億円(同188億1300万円)、経常利益30億7000万円(同8億円)をそれぞれ目標としています。とくに、単体での経常利益率15%の達成を掲げ収益性の向上に努めます。

――平成19年3月期の経常利益率1.61%、平成20年3月期計画の4.51%(いずれも単体)に対し、中期計画の経常利益率15%は飛躍的な向上ですね。

是枝社長
 当社は会計事務所とその顧問先を中心とした企業に支えられて成長を果たすことができましたが、さらなる成長性と安定性という観点から、なお一層の経営基盤強化が必要です。昨年、当社にとって設立30周年という節目の年を迎え「ベンチャースピリットで100年企業の礎を築こう」をスローガンに掲げ中期経営計画を策定しました。

――計画の骨格、事業戦略についてお願いします。

是枝社長
 「安定的な収益基盤を早期に確立し、継続的な業績拡大を実現する」ことを基本方針としています。この基本方針に基づき次の諸施策に取り組みます。
@ 保守サービスの充実・多様化による収益性向上を中心とした安定収入の大幅拡大=会計事務所向けビジネス及び中小企業向けビジネスにおいて、当社が提供している各種サービス品質のさらなる向上に努め、保守サービスの契約率向上を図ります。とくに、会計事務所マーケットにおいてはTVS(トータルバリューサービス)の内容充実により顧客満足度の向上を図ります。中小企業向けビジネスにおいては、従来からのソフトウエア運用支援サービスのサービス内容を拡充し、既存ユーザーにおける契約率の向上と新規顧客への100%契約獲得を目指しています。
A 会計事務所マーケットにおける新規顧客の獲得=会計事務所マーケットにおける新規顧客の獲得は中小企業マーケットの顧客基盤を拡大することに繋がり、安定的な業績拡大を目指す上で極めて重要です。会計事務所のユーザー組織であるミロク会計人会連合会(http://www.mirokukai.ne.jp/)との連携を強化して会員数の増強を支援するなど、会計事務所との共栄を推進します。
B 会計事務所とのパートナーシップを強化し、顧問先企業を中心とした新規企業の開拓による事業規模拡大=「ミロク」ブランドや主力商標ブランドの確立、認知度向上のために広告宣伝・販売活動への積極的な投資を行います。今後3年間で会計事務所の顧問先及び企業の新規顧客への売上を今期計画に対し約40%の増加を見込んでいます。特に今期より会計事務所の顧問先をターゲットとして会計事務所を通じて提供している「ACELINK Navi記帳くん07」の導入を促進し、平成23年3月期までに累計導入本数3万本達成を目指しています。
 このほか、C企業規模に合わせたソリューションビジネスの強化、DCSRへの取り組み強化のための業務改革の推進、などにも取り組んで行きます。

新たな潜在マーケット(ユーザー顧問企業)をターゲットに積極的にアプローチ

――現在のユーザー数について教えてください。

是枝社長
 会計事務所マーケットは全国に3万2000事務所で、このうち当社のユーザーは8400事務所です。8,400の会計事務所が顧問をされている中小企業は約50万社と推定され、当社の潜在マーケットがここにあります。一方、当社の企業ユーザー数は1万7000社ですので、この50万社の潜在マーケットに対して、より積極的にアプローチすることで企業ユーザー数を大きく伸ばせると考えています。

――平成23年3月期でのセグメント別売上見通しをお願いします。

是枝社長
 平成23年3月期単体ベースですが、契約系の売上(ハード・ソフト・導入支援サービス売上など)は、125億4900万円、これは平成20年3月期計画比13%の伸びです。一方、安定系の収入(保守サービス収入など)は64億5000万円と平成20年3月期計画比23%の伸びを見込んでいます。もう少し内訳をご説明しますと契約系売上では平成20年3月期に導入する企業向け新システム等により24.6%増える見通しです。安定系収入では先ほどから申し上げています「保守」売上が25.2%増えますし、「記帳くん07」拡販によりソフト使用料が2.36倍の大きな伸びとなります。安定系の収入が増えることで経常利益率が大きく向上します。

(後記)
年12円配当継続で利回りは4.36%と魅力十分
 このほど発表の平成20年3月期の第3四半期(平成19年4〜12月)までの連結業績は売上高が前年同期比1.4%増、営業利益0.7%増、経常利益5.7%増だった。3月期通期では売上高1.2%増の188億1300万円、営業利益74.9%増の7億8200万円、経常利益86.9%増の8億円の見通し。予想1株利益12.9円、年12円配当を継続する。4日の株価275円に対し配当利回りは4.36%にもなる。中期経営計画で飛躍を目指す同社株は配当取りで魅力十分といえる。
posted by 犬丸正寛 at 12:59 | 株で見る世の中

2007年12月25日

金融商品取引法施行はチャンスか−信金中央金庫の中平幸典理事長に聞く

【犬丸正寛の「そこが聞きたい」】

信金中央金庫<8421>(東証上場)中平幸典理事長に出資証券について聞く

都銀、地銀上回る7719の店舗数で金融市場で存在感一層高まる

 信用金庫業界が金融市場における存在感を一層強めて来ることになるだろう。既に、預金残高が9月末で113兆円と都銀、地銀に次ぐ規模を有し、とくに店舗数において7719カ店と地銀、都銀などを大きく上回っていることから、これから到来する本格的な間接金融から直接金融において、個人を中心とした展開で強さを発揮できるからだ。

信用金庫のセントラルバンクとして経営をサポート
−−後ろ向きの合併は終息


金融商品取引法施行はチャンスか−信金中央金庫の中平幸典理事長に聞く 東京証券取引所に出資証券を上場している信金中央金庫<8421>(東証上場)とは、いったいどのような組織なのかについて、信金中央金庫の中平幸典理事長に説明してもらおう。「全国287信用金庫の中央の金融機関です。われわれは基本的に2つの大きな役目があります。1つは信用秩序の維持、2つ目は業務機能の補完です。信用金庫全体で113兆円の預金残高があり、このうち19兆円を信金中央へ預け、それに対し金融債を発行しています。信金中央金庫は27〜28兆円の資産を運用、この運用益で信用金庫の支援と出資者へ配当を行っているのがビジネスモデルです」。
信金中央金庫ホームページ 同社が全国287の信用金庫に対しどのような支援を行っているのか。引き続き中平幸典理事長に説明してもらおう。「まず、信用金庫の経営力強化支援があります。信用金庫経営力強化制として経営相談制度と資本増強制度があり、資本増強制度等にもとづく資本供与額は今年9月末で29金庫で2491億円です。うち劣後ローンは1056億円ですが、信用金庫の経営・財務改善に伴い過去に供与した劣後ローン等を返済する金庫も出てきています。次に信用金庫に対する業務支援ですが、これ多岐にわたっていますが、最近における特色あるものとしては、信用金庫向け商品の拡充(SCB延長特約付定期預金など)、信用金庫の融資業務サポート(機械・設備などの動産担保融資など)、信用金庫の資産・負債全体のリスク管理の支援、有価証券ポートフォリオ分析などです」。つまり、個々の信用金庫ではできないこうした業物支援を同社が行っている。
 もちろん、信用金庫業界にもバブル崩壊の影響は大きかった。1996年には416あった信用金庫は07年9月末で287金庫(現在284)まで129も減少した。経営の悪化で合併が続いたためだ。しかし、「後ろ向きの合併は終息した」と中平理事長が強調されるように、信用金庫の体質はすばらしく改善され、自己資本比率は9月末で11.96%と地銀(10.13%)、第二地銀(9.60%)を上回り都銀(13.71%)に次ぐ好内容を誇る。後ろ向きから前向きの攻めの場面にあるわけだ。
 こうした全国の信用金庫のセントラルバンクである信金中央金庫は役職員数1086人、国内13店舗、海外4拠点、総資産28兆円。2008年3月期は経常収益4420億円(07年3月期3697億9000万円)、経常利益540億円(同544億7300万円)、配当年1万3000円と極めて好内容なのである。
 もう一度、中平幸典理事長に締めをお願いしよう。「1990年以降の動揺期は業界としては経営困難がありましたが、今では経営改善が進み安定しています。若干利ザヤが縮小していますが経営は健全です。一方で運用環境は変化しています。長期金利が低下局面では国債のウェートが高くなりますが、現在の局面では国債偏重は良くないためある程度リスクを取るスタンスで分散投資に、それも一気にでは段階的に取り組んでいます。今度のサブプライムローンでも80億円台の損失にとどまっています」。
 今度の商品金融法についてお伺いしますが、中平理事長はかつて行政の経験がおありですが、どのような印象ですか。「新しい法律ができると慣れるまでは時間がかかります。行政にいたと言いましても、もう20年も前のことですが、当時インサイダー取引規制の法律をつくった時にも、何が良くて何が悪いか、分らなかった。私どもの業界では投信のところで少し影響が出て来年3月末に投信残高1兆円と申し上げてきましたが若干ズレ込むとおもいます」。
 もともと、地域密着型で個人へじっくりと説明して営業を行うのは信用金庫のもっとも得意とするところ。今度の金融商品取引法施行は、むしろ同社にとって力を発揮するチャンスである。
posted by 犬丸正寛 at 15:06 | 株で見る世の中

2007年11月22日

堅実国家カナダに世界の資金が注目--スティーブン・ハギンズ氏に聞く

【犬丸正寛の「そこが聞きたい」インタビュー】

「ランドバンキング投資」を主力事業としている
TSIインターナショナル・グループ株式会社
代表取締役社長スティーブン・ハギンズ氏に聞く


堅実国家カナダに世界の資金が注目

Stephen Huggins 同社はカナダのトロントに本社を置くTSIグループの一員で日本法人。TSIはカナダにおける「ランドバンキング投資」を主力事業として、総合建設業、資産管理、不動産管理を手がける。このうち、「日本での業務は不動産投資商品を専門に機関投資家、個人投資家、資産管財人などに、安全で収益性の高いランド・バンキングの機会を提供しています」というスティーブン・ハギンズ(Stephen Huggins)社長にカナダの経済及びカナダの不動産投資について聞いた。
 ハギンズ社長は香港に5年、日本で8年の勤務経験を持つ。ウエスト・オンタリオ大学卒業。フットボールではMVPの実績を持ちカナダの英雄的な存在。通訳は同社の竹村ますみさん。


豊富な資源、年30万人の移民受け入れ、安定した政局
サブプライムローン問題無縁でカナダドル堅調続く


―早速ですが、このところ米ドルに比べ、カナダドルの堅調が目立ちます。

カナダハギンズ社長 オーケ、理由は3つあります。1つはカナダが天然資源の豊富なことがあります。2001年のアメリカのイラク侵攻以降、原油中心に資源価格が上昇していることがあります。2つ目は金融政策が保守的なこと、3つ目はG7の中では金融制度の安定していることがあります。

―保守的とは。

ハギンズ社長 カナダはアメリカに比べて人口が少なく福祉に厚い国です。中央銀行も公定歩合を高く設定しているためカナダではサブプライムローン問題はほとんどありません。たとえば、アメリカでは銀行全体数の20%がサブプライム問題に関わっているといわれますが、カナダではわずか5%にすぎません。

―香港での勤務がおありとのことですが、中国についてはいかがですか。

ハギンズ社長 香港はビジネスを始めるのは簡単ですが、日本で始めるのは大変です(笑)。でも、日本は長いですから大丈夫(笑)、構築できます。中国については香港で経験したことが頭に残っています。マクドナルドが進出した際に25年のリースで契約したのに2年後にはカットされてしまった。リーマンブラザーズも100億ドルの訴訟を起こされた。大きいところでこうしたことがあるのですから、小さいところではもっとトラブルがあるでしょう。難しいところがあると思います。

―中国はオリンピック後に反動が来ませんか。

ハギンズ社長 オリンピクの後に直ちにピークアウトすることはないでしょうが、2011年頃が境となる可能性があります。

―日本の企業の中にも生産工場を中国からカナダへ移す動きもあると聞きます。カナダは今のお話では政治、民生が安定し資源も豊富ということですから貴国へ目が向くでしょうね。

ハギンズ社長 カナダ、アメリカ、メキシコが北米貿易協定を結んでいますから関税のかからないメリットがあります。労働力の質も高く、移民も認めています。メキシコに比べ5〜10年先には差がはっきりしてくると思います。

―御社のビジネスについて。

ハギンズ社長 4つの事業があります。不動産投資、総合建設、不動産開発、資産管理です。このうち、東京でやっていることはランドバンキングという不動産投資です。ランドバンキングはちょっと聞きなれない言葉かも知れませんが、イギリス王室などを対象とした非常に歴史のあるものです。土地の値段が上昇する条件は2つです。人口の増えること、経済が成長することです。

―日本は残念ながら人口がこれから減少です。

ハギンズ社長 そうですね、今の日本は人口横ばいですから土地で利益を上げることは難しいでしょう。カナダは移民歓迎の政策を採り、毎年30万人増えています。政治が安定し金融も安全であるという条件が揃っていますから経済の成長が期待できます。投資ということで著名な投資家で比較しますと、ジョージソロスタイプは中国とか東欧に目が向いて、ウオーレンパフェットタイプはファンダメンタルズが良いカナダということでしょうね。


「大トロント圏構想」を背景にランド・バンキングが脚光

スティーブン・ハギンズ―日本の投資家に対しては。

ハギンズ社長 カナダの土地に投資してもらうのですが、われわれはどこでもよいということではなく立地条件を厳しく選定しています。トロントの周辺を中心として「大トロント圏」を目標として開発しています。1エーカーは1224坪ですが、われわれは100エーカーの土地を購入しこれを小分けして投資家に販売します。開発許可が下り、地価が上昇したところで一括売却して利益を分配します。東京ではわれわれの公認代理店を通じて投資家の方々にプレゼンテーションします。

―日本に対し、なぜ今ですか。

ハンギンズ社長 日本は個人金融資産が多く、低金利で運用が難しいことがあります。われわれは今、問屋から小売の段階のよいチャンスととらえています。このため日本向けに準備している商品があります。コカ・コーラも日本では今はコーラが主力ではなくジョージアが主力となっています。元本が確保された「定期証券型」のランドバンキング商品です。

参考:ランドバンキング投資

posted by 犬丸正寛 at 13:49 | 株で見る世の中

2007年10月09日

「昭和情報機器」の寺田光弘社長に聞く

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昭和情報機器(6922・ジャスダック) 寺田光弘社長に聞く

syo_s2.jpg 昭和情報機器(6922・ジャスダック)は07年12月期の営業利益3.0倍、経常利益6.4倍、最終利益大幅黒字転換と業績の急回復を見込んでいる。漢字プリンタの最大手である昭和情報機器の寺田光弘社長を訪問した。

―――前期は無配とされましたが、今期の配当はどのようにされますか。

寺田社長
 年10円配当の予定です。

―――06年12月期の業績悪化はどのような理由ですか。

寺田社長
 主力の漢字プリンタ・システム部門はサプライ品が13.8%増、漢字プリンタ製品も0.1%増となって部門全体では5.6%増えました。このため、売上高全体では2.2%増の127億9800万円と順調でした。しかし、利益面では消耗品売上における原価上昇もあって経常利益は88.1%減の8900万円となりました。また、資産の健全化のため棚卸資産を見直し、旧機種の一部や仕入から年月の経過した消耗品を廃棄したほか、仕掛品についても一部評価減を実施し特別損失3億1800万円を計上したため最終損益で2億5800万円の損失となりました。

――6月中間期では売上高67億6900万円(前年同期比4.9%増)、経常利益1億6400万円(62.0%増)、最終利益4000万円でしたが、内容をお願いします。

寺田社長
 漢字プリンタはサプライ品が10.4%増、プリンタ製品7.0%増と好調だったことが寄与しましたが。広告制作プリンタ部門も7.8%の伸張となりました。下期も主力の漢字プリンタの出荷が引き続き好調を維持する見込みで、ユーザー向けの消耗品の販売も伸びるため、売上高10.2%増の141億円と2ケタの伸びを見込んでいます。営業利益6億9100万円、経常利益5億7000万円、最終利益2億4100万円の見通しです。

――中間期末の1株当り純資産と予想1株利益はいかがですか。 

寺田社長
 中間期末の1株純資産は459.1円、予想1株利益は17.7円です。

――株価は330円ていどですからPERは18.6倍、PBR0.71倍、配当利回りは3.0%とう計算です。ところで、今年7月にマースエンジアリングへの360万株の弟三者割当増資をされましたが。この点についてお願いします。

寺田社長
 当社は業務用大型漢字プリンタ製造販売のパイオニアとして、創業以来、漢字情報処理システムを中心として事業を展開してきました。当業界はカラー機への発展期お迎えつつあり、当社としては今後より高品質でハイスピードな機種の開発投資や技術力のあるパートナーとの業務提携等が必要であり、漢字プリンタ以外の収益部門確立の必要性を考えていました。マースエンジアリングはアミューズメント業界向けシステムの開発・製造・販売・アフターサービスを主たる事業とされています。当社は工場を保有しないファブレスメーカーですが、マースエンジニアリングは工場を複数有するメーカーであり、両者の強みを生かし、中小型プリンタを含む情報関連機器の共同開発を進めていきます。

posted by 犬丸正寛 at 17:58 | 株で見る世の中

2007年10月01日

海外事業比率の高い銘柄はひとまず敬遠

 IHIが約6000万株の大量の売り物を浴びている。08年3月期の営業利益を62.5%増の400億円と予想していたが、170億円の赤字に転落すると発表したためだ。
 事前に情報が流れてインサイダーの疑惑がなかったかどうか。前週末(金)、9月28日の株価は寄り付き375円、高値376円、安値358円、終値361円、出来高2461万株という動きだった。同社株にとっては比較的大きな陰線だったことが少々、気になる。
 その点はさておいて、今度の件で、海外での事業拡大にはリスクが大きいということだ。日本は少子高齢化で需要が停滞、むしろGDPは減少する懸念さえあり、日本企業はこぞって海外進出を強化している。企業は生きていかなくてはならないから、それはやむを得ないことだが、商慣習も生活スタイルも異なり、今回のIHIでは人手不足や欠陥工事によって多額の損失が出たという。同じようなことが進出企業にも発生しないとは言えない。
 活気のある中国も、オリンピックが終了すれば、社会的な不満が噴出する可能性もあり、今はオリンピック前で日中の関係は良好だが、終わったら果たしてどうなることか。
 今年、ブルドックソースで外国ファンドが敗退して以降、外国人持ち株比率の大きい銘柄は敬遠された。今度は海外比率の大きい銘柄はしばらく敬遠されるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 11:03 | 株で見る世の中

2007年09月25日

小泉・安倍・福田政権に見る景気との関係

 小泉―安倍と続いた後を受けて、福田新政権がスタートした。
(1)小泉政権 2001年4月26日スタート
日経平均=13,973円  
日経平均のトレンド=下降トレンド。03年4月に7600円台まで下落。
景気=バブル崩壊で下降
企業業績=悪化。
社会=失業率アップ。「なんでもいいから景気を良くしてくれ」の声。
政策=規制緩和、企業部門主導の「勝組」政策

(2)安倍政権 2006年9月26日スタート
日経平均=15,557円  
日経平均のトレンド=上昇トレンド。 07年2月に18,300円まで上昇。
景気=回復から拡大。戦後最長を更新。
企業業績=07年3月期、4期連続の増益。
社会=「大手企業ばかり儲けてけしからん」、「年金なんとかせい」の声。
    参院選挙大敗。
政策=規制緩和継続、格差是正。

(3)福田政権 2007年9月25日スタート
日経平均=16,401円
日経平均のトレンド=頭打ち横ばいトレンド
景気=拡大中。
企業業績=08年3月期も増益だが、伸び率は鈍化。
社会=「年金、地方、中小企業、アメリカとの関係をきっちりしてくれ」の声。
予想政策=アメリカとの関係強化、対中国政策。内政では年金と格差是正。

★ 不況の時=苦しさから一刻も早く逃れたいため、「なんとかしてくれ。今より良くなるのなら、なんでもオーケ」で、勝組政策が採れた。野党も国民の生活を良くすることに反対はできないから口出しはしない。小泉さんはやりやすかった。

★ 回復期=苦しさから逃れることができると、周囲を見て比較する余裕が出て、わがま
 まも芽生え、不平等を口にするようになる。野党も批判しやすい。安倍さんはダウン。

★ 調整期=回復の後のバランス。しかし、安倍さんの時に悪いことが次々と表面化し、株でいう、「悪材料出尽くし」状態だから、何が出るか分からないのと違って、調整手腕に長けていればやっていける。 ぴたり福田さんは適役。
ただ、北京オリンピック後の不況、株暴落が待ち受けているので、調整ばかりに目を向けていると、安倍さんの二の舞になる。
posted by 犬丸正寛 at 15:52 | 株で見る世の中

2007年09月19日

日経平均が2ヶ月ぶりに30日線を上回ってきたと喜べない理由

 日経平均が30日移動平均線を上回ってきた。7月23日に同線を切って以来のことだから、ほぼ2ヶ月ぶりである。大きくは次の2点である。(1)NYダウが政策金利引下げで急反発した、(2)日本の現実の景気・企業業績にはまだ余熱があることだ。

 つい最近まで、アメリカの金利引き上げが話題となっていたが、サブプライム問題の表面化から一気に引き下げが実施された。それだけ問題が大きいことであり、先行きの景気に対する懸念の大きいことの現れでもある。実際に、アメリカの非農業部門の雇用者数は、6、7月と連続で10万人を切り、8月はマイナスに落ち込んだ。先行き、失業率のアップとなり、個人消費の減少、企業業績の悪化につながる。だから、アメリカの政策当局は金利引き下げで臨んできた。

 しかし、日本は問題である。なぜか。アメリカはこれまで、数回の金利引き上げを行ってきたから、仮に、景気が悪くなれば、金利引き下げで対応できる。日本は、日経平均が1万8000円台に乗せ活況の時も、金利引き上げはケシカランと見送られた。このため、これから景気が悪化したら金利引き下げようにも、今の超低水準では下げる余地がない。「上げておけばよかったと嘆いても遅い。

 政府部門には1000兆円近い負債があり、財政再建の観点から公共投資はできない。家計も少子高齢化で、それほど元気がない。景気を引っぱってきた企業にも疲れが見れる。そこへ、中国のオリンピック関連特需が一巡したらどうなるのか。

 30日線を上抜いてきたことで、しばらくは1万6000〜1万7000円での推移となるだろうが、余熱の冷め始める時が恐い。30日線を抜いたといって喜んでおれないのだ。
posted by 犬丸正寛 at 15:45 | 株で見る世の中

2007年09月14日

東京茅場町・千代田書店「売れ筋本」 上位3位&第10位

(1)「新難儀 ニコニコ相場様」 投資日報社    2000円
(2)「守り抜け個人資産」    祥伝社      1680円
(3)「食料争奪」        日本経済新聞   1890円



(10)「不思議の国のM&A」   日本経済新聞   1785円 
posted by 犬丸正寛 at 10:30 | 株で見る世の中

2007年09月11日

当面は8月安値がボトムだが、先行きの2段下げ相場を考えておくほうがよい

 当面、日経平均は、去る8月17日につけた1万5262円を割ることはないが、中期的にみれば1万3000〜1万4000円の下値を予測しておくことが必要だろう。
 一番の視点は、チャートの動きからみて1段下げで終わる可能性は極めて小さく、2段下げの可能性を含んでいることだ。日経平均の直近高値1万8295円(7月6日)から、8月の今回の安値までの下げが1段下げである。今後、6ヶ月の期間、この8月安値を割ることがなければ、2段下げは回避される可能性はある。
 しかし、@新日鉄に代表されるように、大型株には期待が強かった分、上値でのシコリが相当量残っているため需給関係が悪い、A景気がこれから悪化する可能性が強くなってきた。アメリカの非農業部門の就業者数が8月は遂にマイナスに転じた。続いて、中国のオリンピック特需がまもなくピークアウトする。先に行くほど景気の悪化が顕著となる。B政治は本来は売り材料とはならないが、自衛隊派遣で、日米関係が悪化すれば売り材料となる。とくに、外国人投資家はブルドックソースで敗退して以降、日本株を売りたい方向と見られている、C企業々績に円高がマイナスとして働く。内需に支えるだけの力がなく、企業々績の頭打ちの懸念が強い、事などを考え合わせると、明るい見通しは持ちにくい。
 もっとも、直ちに、景気企業々績が悪化すわけではないから、しばらくは持ちこたえるだろう。
 高値期日の来る年末から年初には2段下げに入って行く心配が強い。06年6月の1万4045円が次の下値のフシ。さらに、実態が悪くなれば05年10月の1万2996円を考えておいたほうがいい。『中間選挙の翌年はNYダウは高い』、という格言は先の1万4000ドルで達成した。
posted by 犬丸正寛 at 13:37 | 株で見る世の中

2007年09月07日

ホームページでニセ情報が流されるとどうしたらいい!  インターネット版謄本の「電子認証」のニーズ高まりそうだ

 東証にTD−Netという情報を開示するホームページがある。タイムリーに情報をディスクローズするという意味でTDという。従来だと、東証の兜クラブという記者倶楽部に入っている一般紙が企業の重要事項を新聞で伝えていたが、今では、瞬時に伝わる。
 とくに、従来は、遠隔地の投資家には時間のハンディから不利だった。ところが、今ではホームページにアクセスすれば、北海道の人でも、沖縄の人でもすぐに情報を見ることができる。証券の大衆化に大いに貢献しているシステムである。
 しかし、いつの時代にも悪さをする人はいるもので、ニセの発表資料を流す可能性もあるのだそうだ。当該企業のホームページになりすまして、「上方修正」といったウソの情報を流し、あらかじめ買っていた株を売り抜ける手口だそうだ。
 今までの、ウリふたつのホームページを見ることがあるのだから、ITの専門家には簡単なことだろう。確認はできていないが、実際にニセの情報が最近、流れたのだそうだ。そうすると、このホームページは本物ですという証明が必要になってくるだろう。われわれの実生活では、正式な取引契約では、区役所、市役所などで謄本・住民票などを取って自分本人であることを証明する。
 インターネットの世界でも、今後、このニーズが高まってくるだろう。「電子認証」というのだそうである。今、世界でこの認証の発行が認められているのは日本1社を含めて5社だそうである。
posted by 犬丸正寛 at 16:18 | 株で見る世の中

2007年09月04日

急増する「コンプライアンス違反で辞めました」! 社会一般に比べ進んでいる証券界のコンプラ

 海の向こうでは、イチロー選手が200本安打を記録し、松井秀樹選手も活躍されている。とくに、松井選手は謙虚で、甲子園の高校当時と変わっていない。日本人の誇りである。
 スポーツの世界はルールがきっちりと決まっているから、そのルールに基づいて力を思い切り出せばいい。
 ところが、企業の世界では、ルールが守られていないケースが目立つ。最近、ゲームセンターとゲーム機器販売の某社が、風俗営業法の許可を得ていなかったことから、幹部が逮捕され、そのわずか数週間後には倒産した。法令順守というコンプライアンスに違反したためである。大手調査機関によれば、06年度のコンプライアンス違反で倒産した企業数は前年度に比べ40%近くも増えているという。
 政治の世界でも、就任したばかりの農水相が不正受給問題で、わずか1週間で辞任した。これも、コンプライアンス違反である。
 証券界でも、証券取引等監視委員会ができて、まだ十数年だが、お陰で、かなり透明で綺麗なマーケットになってきた。インサイダー取引、風説の流布、株価操縦、有価証券虚実記載、という4大違反行為が取り締まりとなったからだ。
 日本は昔から、ドンブリ勘定の好きな国民である。企業の中でも法律がどうのこうの言う人はうるさがられてきた。法務部門を置く企業が増え、企業の社会的な責任に対する認識が高まっている。長く、悪口を言われてきた証券界だが、社会一般からみれば、証券界のコンプライアンスは進んでいる。企業、政治家も見習ってほしい。
posted by 犬丸正寛 at 16:38 | 株で見る世の中

2007年08月30日

素人の目で見ても疑問の日本ロジステック株の発表10分前急騰

 29日(水)の午後、どう見てもおかしいと思われる取引がみられた。あくまで、マーケットの動きから見た、初心者的な疑問であることは断っておくが。
 29日にMBO(経営陣による買収)を発表した日本ロジステック(9323)の株価である。8月24日(金)、27日(月)、28日(火)と3日間、まったく商いがなく、29日も前場、後場と売買がなかった。それが、「午後2時51分に379円で商いができ」、そのあとすぐに急騰、2時59分に高値595円をつけた。
 問題点は午後3時にMBOの材料を発表、その「MBO価格が561円」だったことだ。仮に、561円を事前に知っていれば、時価がそれ以下なら、誰だって買いたくなるはず。事実、知ってか知らずか、2時51分以降に買ったひとはいるのです。
 普通に考えれば、今まで商いのなかったのに、発表10分前に急伸だから、「何か知っていなければ買えないはず」。こういうことが通るようでは、「美しい日本どころか、美しい株式市場にはほど遠い」。
posted by 犬丸正寛 at 10:17 | 株で見る世の中

2007年08月29日

東京茅場町 経済・株の専門「千代田書店」

   売れ行き良好書 ベスト3〜第10位
(1)「世界一やさしい問題解決の授業 ダイヤモンド社 1260円
(2)「ドル覇権の崩壊」      徳間書店     1575円
(3)「改正証券・金融商品取引法のポイント」     2310円
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(10)「株券電子化の仕組みと対応策」 日本実業出  1470円
posted by 犬丸正寛 at 12:05 | 株で見る世の中

2007年08月28日

安倍改造内閣スタート、海千山千の顔ぶれで、国会始まれば日経平均1万7200円も

 安倍改造内閣がスタートした。日経平均は朝方は安く推移していたが、次第に高くなり評価がジワリと上向いている。派閥対応型の昔と変わらないとの見方はあるが、この状況では、海千山千のつわものでないと乗り切れない。
 バブル崩壊後の経済立て直しを、勝ち組をつくることで今日の景気回復に導いてきたのだから「格差」や「ひずみ」、「不満」がでるのは当然である。揺り戻しがあるのは当たり前である。
 しかし、今度は格差を是正しようとするあまり、ヤル気を削いでしまって、日本の競争力を奪ってはいけない。その点、今度の顔ぶれなら大丈夫ではないだろうか。野党にやり込められてしまうような顔つきではない。とくに、舛添先生には大いに期待したい。テレビで国会中継を観るのが今から楽しみである。大胆予想。日経平均は国会が始まれば1万7200円ていどまでは簡単にいくだろう。
posted by 犬丸正寛 at 11:28 | 株で見る世の中

2007年08月21日

株式相場は中期の視点で見る、「構造論」から「循環論」へ移行段階、資産を殖やしたいなら「大型株」を避けて好業績「小型株」の研究を

 株式相場を、「中長期の視点」で見詰めるところに来ているのではないか。筆者は経済指標などの数値を大切にはするが、それ以上に、古いタイプの人間だから、相場格言などによる「投資家心理」をより大切にした見通しを立てるようにしている。
 人の世には、病でいうなら、症状を和らげる「対症療法」と、病気に罹り難くする「体質改善」がある。経済なら、「循環論」と「構造改革」だろう。
 相場格言の『大回り3年』の循環論でいえば、2003年からの上げ相場が終わったとみている。そこのところを「小型株指数」(発行株数6000万株以下)と、「大型株指数」(同2億株以上)で紹介したい。
 「小型株指数」=ボトムは2002年12月、高値は2006年2月で期間はほぼ3年。
 「大型株指数」=ボトムは2003年4月、高値は1番天井が2006年4月で3年。2番天井が07年3月で期間4年。

 バブル崩壊後の不況脱出のため、「政府部門」、「企業部門」、「個人家計部門」の中で、小泉政権が採った政策が、「企業部門活性化」だった。1円でも株式会社が創れ、新興市場への株式上場をやりやすくする政策だった。この結果、新興銘柄など小型株が活躍し、大型株に先行して上昇した。
 そして、小型株の後を受けて上昇したのが新日鉄などの大型株である。リストラが進み、利益が出る「体質」へ改善されたことで株価が急伸した。大型株指数の1番天井は、小型株指数と同じ「3年」サイクル。しかし、大型のダンプカーや大型の戦艦が急に止まることができないのと同じように、大型株の天井打ちは小型株より1年程度時間が余計にかかった。
 これを、少し理屈っぽく言えば、たとえば、大型株の代表である新日鉄(発行株式数68億株)は、89年当時にはグループ全体で6万人を超える従業員を抱えていたが、現在は2万人を切るところまで人が減少した。それだけ利益の出る体質へ「構造的」な改善が進んだわけだ。しかし、現在の人員をこれ以上、減らすことができるかといえば、それは無理である。よって、03年当時からのようなリストラ増益はこれから先、大きくは期待できない。今後は、世界景気や日本の景気の変化、つまり「景気循環」の影響を受けることになる。
 東西冷戦の終結という地球儀的な「構造改革」は、来年の中国のオリンピックで、ひとつの仕上げの段階を迎える。つまり、鉄鋼需要は大きな盛り上がりのヤマ場を過ぎることになる。この点からも、鉄鋼の業績がこれからもハイスピードで伸びることは期待し難い。
 ところで、小型株でも、大型株でも、ピークをつける時は象徴的な出来事が起きるものだ。小型株の時は、ホリエモン、ムラカミファンド問題が引き金だった。大型株の鉄鋼がピークをつけたのも、公園からスベリ台が消えるという異常事態があった。社会悪となるような出来事はだめだ。株だけが社会で存在しているわけではないからだ。
 これから相場を見るうえで、日経平均の動きは大切だが、同時に小型と大型株指数の動きを個々にチェックすることが大切である。『先に散った花から先に咲く』の格言があるように、先に天井をつけた小型株が先に底をいれるはずだ。小型株指数は既に、月足チャートで2段下げに入っているが、大型株はやっと1段下げが始まったばかりである。
 中国は国土が広い、インド、ブラジルなども将来性がある。オリンピックが終わったあとも元気が期待できる。しかし、今からそれを期待するのは早すぎる。今、それを期待して買いに出れば、上値での売り物がたくさん控えているから、力尽きてしまう。
 06年に小型株が天井を打った後の下げが強烈だったように、これから大型株も厳しい状況が予想される。中期投資を考えるなら「小型好業績株」の底値水準を狙うことだ。
posted by 犬丸正寛 at 15:14 | 株で見る世の中

2007年08月17日

暴落した相場、「需給悪」が原因

 日経平均が大暴落となった。最大の理由は、材料より、「需給悪」である。買いたいという人より、売りたい人が一気に増えたからだ。
 「売り」には、保有株を売りたい人と、株券を借りて売る「カラ売り」がある。今の局面は、保有株の処分売りである。なぜ、急に、処分売りが増えたのか。現実の景気、企業業績が良かったため、「期待」が大きかったから、今の今まで処分できなかったからだ。 良い例が新日本製鉄だ。08年3月期の予想1株利益が57円。つい数年前までは、10円にも満たない数字だったことを思えば、様変わりであり、大相場を期待するのもやむを得なかった。高値964円をつけた時点のPERは16.9倍と1部平均の19倍を下回っていた。平均並みのPER19倍で1100円前後の相場は当然と思われた。
 ところが、新日鉄の株価は伸び切れなかった。『株価が期待の割りに、動きが鈍くなったら要注意』の格言から、慎重を唱えるチャート派も多かった。数字という「デジタル」ではよくても、チャートいう「アナログ」では動きが悪かった。理屈通り行かないところに相場の難しさがある。「デジタル」と「アナログ」の両方で患者を診察するドクターのように、株を診る場合も、両方の目でみることが大切である。
 需給にも短期と中長期がある。目先の需給は投げが、ほぼ一巡で改善される。腕に自信のある向きには、戻りを取りに行く、またとないチャンスである。
 一方、中長期投資を考える向きには買い出動はまだ早い。民主党の勝利したことによる日米関係の行方、オリンピック終了後の中国経済の行方、国内の景気、企業業績の見直しなどが必要となってくる。
posted by 犬丸正寛 at 15:18 | 株で見る世の中

2007年08月16日

15日付けの日本経済新聞を読んで

 去る15日の日本経済新聞の会社記事面を見て、「あらら」と思われた投資家の方は多いのではないでしょうか。「減益」、あるいは「予想下回る」の見出しがついた企業が多かったことです。
 一般的には、企業業績好調と受け止められているが、これだけ、マイナス的な見出しが増えてくると楽観はできない。「内需が思ったほど伸びない」、「原油、金属などの原料高を製品価格に転嫁できない」、「人手不足で人件費が増加」などが主な理由だが、仮に、これに中国需要の頭打ち、円高などが加わると、一気に企業の業績は悪化する。
 日経新聞を見て、株価がこの点を織り込み始めたとすれば、単なる調整ではすまない可能性がある。 
posted by 犬丸正寛 at 16:07 | 株で見る世の中

2007年08月15日

東証が9月3日に種類株市場創設、応える第1号は伊藤園優先株市場は今や世界の常識、個人投資家に高利回り運用の道を開く

 9月3日に、東京証券取引所に「種類株市場」が誕生する。われわれに馴染の深いのが通常に売買されている「普通株」。これに対し、種類株の代表的なものに「優先株」がある。これが、9月3日から売買される。優先株の第1号は、あの「おーいお茶」で知られる伊藤園(証券コード番号2593)。
 優先株をひと言でいえば、株主総会において議決権はないが配当が普通株より25%多いことだ。個人をメインユーザーとする同社が、株式の面でも個人投資家に多くの配当金を出すことで喜んでもらおうという、つまり、「個人に温かい会社である」、ということだ。
 この優先株、外国ではポピュラーな存在だ。海外では日本のような株式持合いがなく、伝統的に個人投資家を大切にする考えがあるからだ。優先株市場の時価総額は、マーケット全体の時価総額に対しアメリカで9.3%、ドイツ14.7%、イタリア3.2%、スイス18.9%、スエーデン71.1%、デンマーク46.1%。
 今回の伊藤園の優先株は、普通株1株に対し0.3株が無償でもらえる。8月27日が権利が発効できる最終日だから、それまでに伊藤園の株(いうまでもなく普通株)を買っておけば配当の良い優先株をもらえる。ちなみに15日前場の株価は3580円、売買単位は100株だから投資金額は35万8000円。もちろん、無償権利が落ちる(なくなる)28日には、現在の株価のままとして計算すれば0.3株分の権利落理論株価は2754円。
 優先株の08年4月期配当は年48円(普通株は年38円)で、優先株利回りは1.74%(48円÷2754円、%)となる。さらに、100株当り2000円相当の株主優待品もある。これをカウントすれば、国債利回り10年物1.70%(14日)を上回り、個人にとっては、嬉しい高利回り金融商品ということになる。
 種類株市場を創設した東証、その第1号として応える伊藤園。日本も個人投資家中心のマーケット定着を目指して9月3日に優先株の売買が始まる。
posted by 犬丸正寛 at 11:33 | 株で見る世の中

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