相場格言

TOPIXの後を追い始めた日経平均=犬丸正寛の相場の視点

TOPIXの後を追い始めた日経平均=犬丸正寛の相場の視点 TOPIXに続いて日経平均も19日(木)後場に、去る10月6日の直近安値9628円を割った。9496円まで下げている。
 TOPIXは既に去る13日(金)に、10月6日の863ポイントを切っていた。一般的にTOPIXの方がマーケットの実体を現しているといわれる。しばしば、日経平均に対し、先行して動くことも知られている。
 NYダウが30銘柄の構成であるのに対し、日経平均は構成銘柄数225と多い。しかし、両指数とも「株価」だけを計算の対象としていることから、ひと握りの銘柄の影響を受けやすい欠点がある。特に、NYダウの場合は、わずか30銘柄で、しかも、当初から採用されているのはGEだけ。弱い銘柄は排除して、強い銘柄だけによる、「強いアメリカ」を象徴する役目が課せられている。日経平均は、そこまで、極端ではないものの、最近では、ユニクロのファーストリテイリング<9983>(東1)の動きで支えられて面があるように、ひと握りの銘柄が影響している。ここに、一般個人投資家が惑われやすいことが潜んでいる。
 気になるのは、TOPIXが832ポイントと、7月13日の852ポイントをも切ってきたこと。厚い下値の壁と見られていただけに、これによって、今後、相場の組み立てを根本から考え直さなくてはいけなくなった。当然、日経平均も7月13日の安値9050円を見に行くことが予想される。
 衆議院選挙で民主党の勝利が決まった8月31日。日経平均は1万767円の高値(場中)をつけた。以後、この高値を一度も抜くことはなく、「一日天下」に終っている。国民の選んだ政権であることには違いない。しかし、外交問題、防衛問題、景気問題など、あちこちに綻びが目立ってきた。しかし、このまま自民党へ逆戻りもしてほしくない。民主党以上に国民も悩んでいる。

【関連記事】
・2009年11月18日 オバマ大統領の外遊一巡で「NYダウ」は、お役目終了か?=犬丸正寛(BLOG‐TV)
・2009年11月18日 「NYダウ高」の真の狙い!オバマ外遊で強いアメリカを演出?=犬丸正寛
・2009年11月16日 株式市場展望:野村証マジック次第の日経平均株価=犬丸正寛&長島和弘(株式投資情報BLOG‐TV)
posted by 犬丸正寛 at 18:05 | 株で見る世の中

2009年11月18日

「NYダウ高」の真の狙い!オバマ外遊で強いアメリカを演出?=犬丸正寛

■オバマ大統領の外遊一巡で「NYダウ」は、お役目終了か?

「NYダウ高」の真の狙い!オバマ外遊で強いアメリカを演出?=犬丸正寛 NYダウが強い。「強い」というより、「頑張っている」というのが当っているのかもしれない。今年3月の安値6469ドル(場中)から、前日、17日(火)の1万438ドルまで61.3%上昇した。
  最高値である07年10月の1万4198ドルには、まだ、約4000ドル手が届かない。しかし、最高値からの下げ幅に対し、「半値戻し」の水準1万364ドルを達成したことは評価される。
 背景にはアメリカ景気と企業業績の回復がある。リーマンをはじめ、多くの名門企業が破綻した。「アメリカ流市場主義は終った」、との世界からの指摘と批判をかわすためにも、今の「NY株高」はアメリカにとって、ひと息つける。実際、GMの業績は回復が顕著となっている。
 しかし、GMにしてもそうだが、まだ、アメリカ経済が完全に治癒したわけではない。「集中治療室」から一般病棟に移り、最近は外泊が認められるようになったという段階だろう。
 その外出・外泊許可が今回のオバマ大統領のアジア訪問だろう。当然だが、外へ顔を見せる以上は、健康な姿でなくてはいけない。青白い顔色では、不安感をもたれてしまう。
 その外遊中の元気印が、今度のNY高ではなかったのか。もちろん、操作されているということではない。しかし、NYダウは、ご存知の通り、構成銘柄数は、わずか30銘柄である。頑張って買えば、なんとかなる。日本でも、ユニクロのファーストリテイリング株高の効果で日経平均はけっこう底堅い動きとなっている。
 オバマ大統領のアジア訪問は、まもなく終る。再び、国内の失業問題、医療制度問題などに取り組まなくてはいけない。外泊を終えた患者が、病院に帰り、主治医のもとで、再び、健康回復に取り組まなくてはいけない。
 仮に、大統領の外遊中に強いアメリカ演出の一環として、「NYダウ高」があったとすれば、大統領の帰国とともに、その役目はひとまず終了することになるはずだ。
posted by 犬丸正寛 at 10:11 | 株で見る世の中

2009年11月14日

最大の注目点は『忍び寄る景気悪化を見極める動き』=犬丸正寛の相場展望

■マニフェストに「株を上げる」とは書かれていなかった

最大の注目点は『忍び寄る景気悪化を見極める動き』=犬丸正寛の相場展望 来週(16〜20日)は、日経平均の戻りが予想されるものの、引き続き上値を切り下げる流れを断ち切ることはできないだろう。特に、最大の注目点は、『忍び寄る景気悪化を見極める動き』が、いっそう強まることが予想される。
 新政権による、「事業仕分け」は、これまでにない透明なやり方であり高く評価される。自民党政権時代から続いた予算は見直しが必要である。ムダも多いはず。長い目で見れば、日本にとってプラスであることは間違いない。
 しかし、短期的には、景気の足を引っ張る。只でさえ、失業者の多い中で、予算凍結が加われば景気が上に行くことは無理である。
 たとえば、9月本決算及び中間決算が終わったが、特長は、売上の減少が目立つ、『売上欠乏症』だったこと。そこへ、さらに、予算凍結が加われば、景気を一気に下ブレさせる。新政権の家計支援策だけでは、到底、吸収できない。
 日経平均は11月に入って、一度も1万円台に乗せていない。1万円台が、特に問題というわけではない。しかし、心理的な面での影響は大きい。特に、消費に対しては明らかにマイナスである。TOPIXにいたっては、862ポイントと、割ることはないと見られていた直近安値である10月6日の863ポイントを割り込んだ。日経平均は、まだ10月6日安値を切ることなく持ちこたえているものの安心はできない。「昔ソニー、今ユニクロ」といわれるように、日経平均は一部の銘柄で支えられている。TOPIXの下げが示す通り、マーケットの実体はよくない。
 もちろん、株式マーケットのために政治が存在するのではない、との意見もあるだろう。株を持ち上げるために選挙で選ばれたわけではない。その通りだが、しかし、株式マーケットの時価総額は500兆円。国民の財産がそこにある。日経平均が1000円変動すると、時価総額は大体30兆円変動する。仮に、株価が安くなれば消費への影響は非常に大きい。
 とは言っても、マニフェストには、「株を上げる」とは書かれていなかった。むしろ、日本再生のためには、景気、株式マーケットを短期的には犠牲とすることも必要なのだろう。ここまで、日経平均は大きく崩れることなく耐えてきた。だが、そろそろ、ガマンの限界が近づいているようだ。新生日本への生みの苦しみなのかもしれない。
posted by 犬丸正寛 at 12:00 | 株で見る世の中

2009年11月13日

TOPIXは遂に直近安値を切る!「内需不振」の現われか?

コラム(株式投資情報ブログ)■TOPIXの底入れは、まだまだ先・・

 TOPIX(東証株価指数)は13日(金)、一時、862ポイントまで下げ、直近安値の10月6日の863ポイントを1ヶ月ぶりに割り込んだ。日経平均は、直近安値を切ることなく踏ん張っている。
 直近安値に大きい意味があるわけではない。しかし、好決算が続いていることを背景に、まさか、割り込むことはないだろうと見られていた水準。
 日経平均が、直近安値である10月6日の9628円を上回っていることで、マーケットには安堵感はある。だが、機関投資家等のベンチマークはTOPIXだけに、今後の運用姿勢は慎重となることが予想される。
 日経平均は構成銘柄が225銘柄で株価だけが計算の対象。かつては、ソニー効果が大きかったように、現在はファーストリテイリング<9983>(東1)の効果が大きいなど、ひと握りの銘柄が影響しやすい。
 TOPIXは全銘柄が対象で株価だけでなく株数も計算の対象となっている。このため、マーケットの実体はTOPIXがより現実的に現している。しかも、TOPIXは金融、建設、商業など内需関連の影響を受けやすい構成。新政権による、「事業仕分け」など、負の部分が影を落としているといえる。TOPIXの底入れは、まだ先のようだ。
posted by 犬丸正寛 at 20:46 | 株で見る世の中

2009年11月06日

相場の見所は日経平均の戻り度合いの一点に尽きる=犬丸正寛の相場展望

■過大な期待は禁物!最高峰の頂きは、はるか上

相場の見所は日経平均の戻り度合いの一点に尽きる=犬丸正寛の相場展望 来週(9〜13日)の相場の見所は、『日経平均の戻り度合い』の一点に尽きるだろう。最近は、日経平均が1万円割れの水準で推移することが多くなっている。それだけ、投資家心理に『儲からない、儲け難い』、気持ちが強くなっていることがある。
 目先的には、直近安値である10月6日の9628円へ接近したことで戻りが見込めるところにある。これに、材料を加味すると、(1)9月期決算の発表一巡、(2)5、6月大商い信用買い期日到来、などがある。
 9月中間決算は予想以上に良かった。しかし、そのことと、先行きの企業業績のいっそうの向上を保証するものではない。「最悪期」に比較すると良かったということにすぎない。足元が良くなると、どこまでも良くなる錯覚を持ってしまいがち。しかし、たとえば、日経平均が最高値3万8915円から6994円(08年10月)まで大暴落。現在は、わずか1万円そこそこに戻しているに過ぎないのと同じである。過大な期待はできない。最高峰の頂きは、はるか上である。

■戻りの目安は30日線

 特に、9月中間決算発表の、真っ最中に、日経平均が1万円台を割り込んだことの意味は大きい。個別銘柄でも、好決算発表の翌日が天井となったケースも多い。企業業績は好調と言われながら、株価との間にギャップが生じていた。決算発表のイベントは一巡した。
 出来高が今年最高の39億株を記録したのは6月12日。信用買いの6ヶ月期日(制度信用)は12月に到来する。相場の動きが鈍いとなれば、早めの期日売りが出るだろう。
 8月30日の衆議院選挙投票。翌31日に、民主党の勝利が決まり日経平均は1万767円の高値をつけた。以来、ジリジリと上値を切り下げ、未だに、この値段は抜けないでいる。新政権政策に対する不安な部分が相場の重しとなりつつある。仮に、日米関係でトラブルになれば、外国人投資家の売りを誘発する懸念もある。
 ところで、戻りの目安となるのは30日線だろう。1万0060円程度にある。この水準を上抜いてくれば、先行きの相場に期待はもてる。もし、抜くことができないようなら、直近安値9626円を割って、先行き9000円の攻防に移る可能性もある。個人投資家は日経平均が戻しても、一喜一憂せず、景気と日米関係の先行きじっくり見極めるスタンスが肝要だ。老後の大切な資金を失って欲しくない。
posted by 犬丸正寛 at 16:32 | 株で見る世の中

2009年11月04日

現実味を帯びる1ドル50円説!関心集める「金・ドル」の行方

株式市場の話題 有力経済誌「日経ビジネス」は最新号で、『ドル最終章1ドル=50円の恐怖』を特集で取り上げている。タイミングのよい特集だ。
 同誌によれば、有史以来、2006年までに世界で発掘された「金」の総量は15万8000トン。オリンピックプールの3杯半分。しかも、確認埋蔵量はわずか6〜7万トンにすぎないという。1000ドルの大台を超えた金相場だが、需給面から見れば、中長期的にも買い圧力が圧倒的に強い。地金の買い手は新興国の中央銀行。中国の人民銀行は今年4月までに金準備を03年に比べて454トン積み増し1054トンに。ロシア中央銀行も05年末に387トンだった金準備を今年半ばまでに550トンに増やした。
 同誌は、こうした金への指向を強める世界の動向を「ドルの黄昏」、「中国・人民元の野望」、「埋没する日本・円」、そして、「基軸通貨なき世界へ」への項目で紹介している。
 特に、1944年7月、米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズで、金とドルとの交換比率を1トロインス=35ドルとしたうえで、ドルと各国通貨の交換比率を固定する「金・ドル本位体制」の基本が作られた。しかし、ドルの流動性を世界に供給するには米国の経常収支が赤字になることが必要。しかし、それ自体がドルの信認低化につながる矛盾を抱えていたわけだ。同誌はこうした点を紹介しつつ、まもなく、近い将来、GDPでアメリカを抜いて世界一となる中国の台頭を絡ませながら、ドルはいつまで基軸通貨として使われるのかを取り上げている。仮に、アメリカが金本位制に復帰しようとするなら金価格が一気に8000ドルまで急騰、あるいは、それが不可能ならドルの価値は現在の約8分の1に暴落しないと、市場が決めた金価格と釣り合わないと指摘する。一読の価値ありである。
posted by 犬丸正寛 at 16:59 | 株で見る世の中

2009年10月30日

二日新補は荒れると言われるが果たして?=犬丸正寛の相場展望

 来週(11月2〜6日)はいよいよ11月相場。しかも、月初2日が月曜日に当る、『二日新甫』(ふつか・しんぽ)で、昔から、二日新補は荒れると言われてきた。果たして今回はどうか。
 注目点としては、(1)引き続き政治と景気の関係、(2)上昇傾向の長期金利の動向、(3)NT倍率、(4)11月相場の特性、などが挙げられるだろう。
 臨時国会が始まった。景気に対し、新政権の掲げる目標と現実の難しさが露出している。しかし、自民党の質問に、まったく迫力のないことに救われてはいる。「セメントの箱物から生活重視へ」。もっともな政策だが、一気に進めると、ふらついている景気を一気に下放れさせる心配がある。「右か左か」の、やり方にこだわると、かえって、後々、景気テコ入れに多額のエネルギーが必要になってしまう。
 今でも、95兆円の予算を組まなくてはいけないのに、収入面を放置したまま、支援ばかりが進めば、国債発行への負担は膨らむ。借金が膨れ上がっている中での国債発行は誰だって保有は敬遠したくなる。このため、長期金利は1.4%台へ上昇。国債を今後も大量発行するために日本郵政(郵便局)を実質国営化したいのかと、うがった見方になってしまう。
 設備投資など産業活動に伴う金利上昇なら、「良い金利上昇」だが、消費を目的とした国債発行の金利上昇は「悪い金利上昇」ではないか。もちろん、今日、今の生活ができないと、明日につながらないことは分かる。だが、一方で国際競争にも打ち勝って行かなくてはいけない。
 日米問題でも似たことが起きている。「対等な立場」は理解できる。だが、その「対等」の2文字が、なかなか難しい。世界から争いごとが消えることは理想だが、不可能だ。自分の国が傷ついたらどうするのか。「左の頬をぶたれたら、右の頬を出せ」とでも言うのだろうか。そんな馬鹿なことはできない。対等というなら軍隊を持たなくてはいけない。このあたりが国民には見えて来ない。アフガンに直接関与すれば、インド洋での給油より費用と危険が増すはず。
 NT倍率がある。「日経平均」÷「TOPIX」で求める。この倍率が最近は11倍台へ上昇している。通常は10倍前後で推移する。倍率がアップすることは日経平均が優勢、反対に倍率が低下すればTOPIXが優勢である。日経平均は輸出関連銘柄の貢献度が高く、TOPIXには内需関連銘柄の寄与度が大きい。このため、違う見方をすれば、現在、NT倍率がアップしていることは、輸出関連銘柄の健闘、内需関連銘柄の不振を意味する。
 問題は、新政権が内需刺激政策を採っているにもかかわらず、内需関連銘柄が不振ということにある。マーケットは内需刺激策をそれほど評価していない。今後、NT倍率が93年当時の14倍程度まで上昇し、日経平均優位、TOPIX劣勢が続くのかどうか。景気対策が後手に回れば、内需関連銘柄売りは続く心配がある。
 11月相場は、日経平均の、「月足・陽線」が目立つ。1992年以降、08年まで17年間の11月月足は陽線が11回。約7割の確率で、月初より月末が高い陽線が出る月といえる。特に、2006〜2008年は3年連続で陰線となっていたため、今年は陽線となる可能性はきわめて高い。仮に、10月相場の安いことを引っ張って、11月が安く始まるようなら、買い方は下値拾いがよいだろう。空売りは深追いは慎みたい。機関投資家等の決算を控えて、ファンドマネージャーの頑張りも予想される。
 こうした観点から、11月は「二日新甫」だが、意外と荒れない可能性が強い。好業績銘柄の下値仕込みがよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 17:05 | 株で見る世の中

2009年10月26日

注目材料は臨時国会:観点はマニフェストと現実=犬丸正寛の相場展望

■「景気の二番底」は防げるか?

注目材料は臨時国会:観点はマニフェストと現実=犬丸正寛の相場展望 来週(26〜30日)、一番の注目材料は「臨時国会」。その国会を相場との観点でみれば、『マニフェストと現実』ということだろう。

 現実という視点では2つあるように思う。(1)『マニフェスト実行の手順』、(2)『理想と現実』、ということではないか。

 新政権はマニフェスト(政権公約)を掲げて選挙に勝利した。選んだのは国民であることは間違いない。マニフェストに記してないことを、いきなりやっているわけではない。この意味では約束違反ではない。「目標」→「実行」には、強い意志に裏打ちされた実行力が必要なことも分かる。しかし、時には、強引であっても大筋では説明を十分する必要がある。昔のような「主と丁稚」の関係ではないし、従来型のワンマン型経営でもないはず。

 ところが、新政権の手順には、いささか強引さが目につく。マニフェストを掲げて選ばれたのだから、やり方にケチをつけるな式であってはいかがなものか。前政権が「談合的・利権的」だったとすれば、新政権は「強引的」にさえ映る。それでも選んだのは国民ではあるが・・・・。

 一方、今度の政権は、ひとことで言えば、前政権において生じた弱者の救済が目玉の政策である。今、国会は、『家計救済・弱者救済国会』でもある。兵法では相手の弱点を突くのは有効な戦い方であるから、前政権が批判された弱点の「格差問題」を突いた戦いは正しかった。山本勘助をはるかに凌ぐ、名軍師がバックに控えていたのだろう。しかし、新政権が長く続こうとするなら耳も傾けなくてはいけない。そうでないと、選挙中に街頭演説で聞かれた、「一度だけ政権を取らせてください」の叫びが本当に一度だけになってしまう。

 特に、これから年末に向け失業の問題が出てくる。既に、発生している失業をどうするか。今後、失業を増やさないようにはどうするか。家計を救済するだけで、果たして、経済活動が活発になるか、新しい雇用が生まれるか。弱者に温かい社会は大切だが、それだけでは片手落ちである。弱者が強くなって、社会を元気にするには時間がかかる。ここは、家計・弱者救済と同時に日本をリードしていく、「イチロー選手」のような活躍する人を作るべきである。

 とくに、景気・企業業績はこれから『二番底』をつけに行く懸念が強まっている。もしも、前政権のような勝ち組を作りたくないと思っているようでは日本沈没となってしまう。景気・企業業績が悪くなるのは前政権の責任ではなく、現新政権の責任である。しかも、経済は生き物である。時間延ばしは許されない。「景気の二番底」を防ぐことができるかどうか。相場はこの1点を見詰めている。
posted by 犬丸正寛 at 10:01 | 株で見る世の中

2009年10月16日

NYダウは『半値戻し』を達成できるか?=犬丸正寛の相場展望

■注目度高いNYダウの動向

NYダウは『半値戻し』を達成できるか?=犬丸正寛の相場展望 来週(19〜23日)の相場は、(1)NYダウの動き、(2)JAL株価の行方、(3)25日投票の神奈川、静岡の選挙、などが気にされる動きだろう。

 やはり、注目度の高いのはNYダウの動向。14日に1年ぶりに1万ドルを回復、15日には1万0062ドルまで上昇した。企業業績の回復をバックとしているだけに腰が据わった上げとみることはできる。ただ、これから、インテル、JPモルガンのような大幅増益が続くかといえば楽観はできないだろう。インテルの半導体も、JPモルガンの金融も、落ち込みが目立った業界だから戻りも大きい。さらに、ここからの位置をワンランクアップすることは簡単ではない。
 NYダウに当てはめると、高値からの下げ幅の『3分の1戻し』は達成したが、これから、『半値戻し』を達成できるかどうかである。NYダウの高値は2007年10月の1万4198ドル。安値は2009年3月の6469ドル。この下げ幅の「3分の1戻し」は9046ドルだったがクリアした。次は、「半値戻し」の1万364ドルが上値のメドとなる。ここを抜いてくれば「本物」と見ることができる。しかし、直近、10日間で陽線6本、陰線4本と上昇ピッチは速くなっている。基調は強いとしても、短期的には調整も予想される。

■日経平均は「年末危機説」「来年2月危機説」が台頭

 日経平均は、もたついていたが、NYダウ高で16日には1万290円と9月25日以来の水準まで戻した。しかし、ここから1万500〜1万700円には厚い壁がある。しかも、日本では、これから9月期決算が発表される。日本の株式市場は出来高が6月をピークに閑散状態が続いている。このため、日本の証券がJPモルガンのような大幅増益というわけには行かない。さらに、新政権の政策公約実行に伴う、反対側の部分での影響が大きい。失業問題では「年末危機説」、「来年2月危機説」が急速に台頭している。

 新政権の現実経済の難しさを現しているのが「日本航空問題」だろう。既に、株価は100円攻防の危機的ラインに来ている。株価には一喜一憂しないというが、「会社は潰さない」という約束は守れるのかどうか。
 「八ツ場ダムなど全国のダム建設中止」、「成田空港問題」、「債務返済猶予問題」など、多くの国民に発言が乱暴すぎるとの印象を与えたことはある。介護職員処遇改善交付金についても、申請している施設は半分程度にとどまっているという。「いつ、政策方針が変わるか分からない不安がある。一旦、給与を上げたら簡単には下げられない」という声だ。こうした声が25日投票の神奈川、静岡の参議院補欠選挙でどう出てくるか気になるところではある。

 来年度の予算は90兆円台を超えて過去最高となりそうだ。国民が反対なら、政策公約は止める、ということのようだ。仮にそうなら家計にも企業にも厳しい状況となってしまう。26日からの国会論戦はかなり激しいものが予想される。トンボの羽をとったらただのピーナッツと言われるように、NYダウを取ったら日本株は、独力で上値を追える状況ではない。運用ノルマのない個人投資家は無理をすることはない。様子を見るところ。歴史的転換の国会の姿をじっくり見た上で投資しても十分に間に合う。
posted by 犬丸正寛 at 18:12 | 株で見る世の中

2009年10月15日

NYダウ1万ドル回復の背景と日経平均の行方=犬丸正寛の相場の視点

■NYダウは日経平均に対し3カ月から5カ月遅れ

NYダウ1万ドル回復の背景と日経平均の行方=犬丸正寛 NYダウが1年ぶりに1万ドルを回復した。「インテル」、「JPモルガン」など、企業業績の回復が支援となった。アメリカ経済が最悪期を過ぎ、回復に向っているということである。結構なことだ。
 一方、相場サイクルの視点から、NYダウの1万ドル回復を眺めることもできる。その結論から言うと、NYダウは日経平均に対し出遅れていたことがある。1万ドル台乗せで、出遅れ感が一巡する可能性がある。『出遅れ株は深追いするな』、の教えもあり、ここからは強気一辺倒では危ない。
 サイクルを見るには、実は、両指数の「日付」けが重要である。NYダウが高値をつけたのは『2007年10月』の1万4198ドル。日経平均の高値はこれより3ヶ月早い『2007年7月』の1万8295円。
 そして、金融ショック安による安値はNYダウが『2009年3月』の6469ドル。一方の日経平均は『2008年10月』に6994円で安値をつけている。
 つまり、日経平均はNYダウに対し、高値で3ヶ月、安値では5ヶ月も早い動きとなっている。そして、日経平均が1万円を回復したのが2009年6月11日。ここから4ヶ月遅れて、今般、NYダウが1万ドルを回復したことになる。3〜5ヶ月遅れのリズムが生きている。
 また、「日経平均」÷「NYダウ」=「NN倍率」でも、今年7月時点では0.99倍となっていたが、ここをボトムに日経平均がNYダウに先行する形で上昇。NN倍率は1.13倍程度と日経平均優位が続いていた。仮に、今後、日経平均が大きく上昇することなく、今くらいの水準を維持するなら、NN倍率が1倍まで低下するとすればNYダウは1万200ドル台が見込める計算だ。
 しかし、日米とも景気に対し心配な材料が多い。アメリカでは、自動車購入支援が終わった。失業率も依然として高い。財政赤字も大きく、軍事費拡大にあまり頼ることはできない。医療制度問題もある。一方の日本も、今さら言うまでもなく、新政権による、株にとって「負」の部分があちこちで表面化している。しかも、来年度の予算は90兆円台に乗せ赤字国債の可能性もあるという。財政赤字は膨らむ。特に、心配な点は企業を刺激する政策でないだけに景気が浮揚する期待が持てないことだ。
 通常、出遅れ株が買い一巡となった相場はどうなるか。徐々に、「マイナス材料に敏感となり始める」。これから、オバマ政権1年、鳩山政権100日目のそれぞれフシ目を迎える。残念ながら、これまでの景気は「自律反発」であって、実績による回復ではない。両政権が景気に対し具体的にどのような手を打つか。それによって相場の行方が変わってくる。
posted by 犬丸正寛 at 14:23 | 株で見る世の中

2009年10月10日

囁かれる1ドル50円説:世界がドル高への復帰封印?=犬丸正寛

囁かれる1ドル50円説:世界がドル高への復帰封印?=犬丸正寛 アメリカ・オバマ大統領が2009年の『ノーベル平和賞』を受賞することが決まった。大統領は「核のない世界」を高らかに歌い上げている。世界平和は全人類の願いであることは疑いのないことであり、この意味からは、オバマ大統領の受賞には大いなる拍手を送るものである。
 もちろん、疑心暗鬼の塊である人の心が、簡単に核全廃に動くかは疑問である。誰がどう検証するのか難しい。必ずや隠し持つところが出てくる。「言うは易し行い難し」である。被爆県広島の出身である筆者にとっても核廃絶は大いに期待したいところである。

 ところで、この問題を「為替」の問題とダブらせて考えるとどうだろう。『世界がドル高への復帰を封印した』と見ることができるかもしれない。なぜなら、過去の為替相場における重要な決定要素は『有事のドル』であった。仮に、アメリカが経済政策で失敗しようとも、国際的な軍事緊張を引き起こすことで「ドル安」を食い止めることができた。
 しかし、自ら核廃絶を宣言しノーベル平和賞まで受賞する国が、もはや、「有事のドル」を演出することはできなくなる。経済的な要因が、そのまま為替相場に反映されることになるはずだ。ところが今のアメリカは、高失業率、経常収支・財政の赤字を抱えているため、簡単には低金利政策は解除できない状況にある。世界の投資資金は低金利を嫌ってドル離れを活発化させている。大量のアメリカ国債を買い込んだ中国がドル安を食い止めるべく、内需を深耕しアメリカの輸出回復に強力している。しかし、そのことが却って、資金を資源等へ向かわせることになってドル安に拍車をかける要因となっている。
 それでも、世界の投資資金は、アメリカが、いつ、「有事のドル」を演出してくるか注意して見ていたはずだ。これから、有事のドルがなくなるとすれば、安心して経済要因を中心に見て為替に取り組める。
 ドル安基調は続くとみなくてはいけないだろう。1ドル・50円説も囁かれていたが、現実のものとなる可能性も否定できなくなってきた。日本の輸出株はますます買い難いものとなりそうだ。
posted by 犬丸正寛 at 19:46 | 株で見る世の中

2009年10月09日

「嵐の前の静けさ」か?「ひとときの休息」か?=犬丸正寛の相場展望

「嵐の前の静けさ」か「ひとときの休息」か=犬丸正寛の相場展望■新政権と景気の関係は?

 来週(13〜16日)と来々週は、『嵐の前の静けさ』、あるいは、『ひとときの休息』相場の展開だろう。その間隙を縫って日経平均はどこまで戻るかが見所だろう。

 10月25日(日)に参議院の静岡、神奈川の補欠選挙の投票があり、その翌日26日(月)に国会が始まる。「補欠選挙が国会開催前にあるのは、鳩山首相の政治献金問題があるから」(国会担当記者)というように、国会が始まれば、野党からの攻勢が予想される。
 会期は11月末までの1ヶ月程度と見られている。衆参両院での所信表明と代表質問で3、4日程度は費やされる。休日もあるから実質審議は短いものとなる。前政権の補正予算について執行の凍結審議に時間が費やされるものとみられ子育て法案など、新政権の目玉は難しくなる可能性がある。

 一方、新政権と景気の関係については、現時点のマーケットでは、政策の厳しさを売っている。新政権の誕生前に、政策関連を先に買ったということもあるが、それ以上に、長く続いた自民党政権時代からのシナリオの組み直しが行われている。従来型の不景気→公共投資出動が通用しなくなっている。国連でCO2削減を高らかに宣言しただけに、企業側にそのシワ寄せが押し寄せる。エネルギー税の導入も伝えられ、電力株が軒並み年初来の安値を更新している。
 地球環境に優しく、家計に優しく、子供に優しく、誰も反対はしない。しかし、家計が上場するわけではないし、雇用を創出するわけでもない。家計と企業のバランスの難しいカジ取りが待ち構えている。
 しかも、ゆっくりはできない。消費関連企業の8月決算が発表されているが、ひとにぎりの勝ち組を除いては不振を極め、株価は新安値に沈んでいる。予算凍結は景気を悪化させる。次なる景気テコ入れ策を打たないと失業率はさらに悪化する。

 8月期決算に続いて、まもなく9月期決算の発表も始まる。製造業への派遣問題等もあり、下期について経営者は慎重な見通しで臨むだろう。
 日経平均は9日(金)、6営業日ぶりに1万円を回復した。国会開催前と9月期決算発表前の静かな間に、果たして、どこまで戻すことができるか。日経平均、TOPIXとも8月31日が年初来の高値。そこから10月6日のボトムまで日経平均は10.57%下げたのに対し、内需型指数であるTOPIXは12.50%と下げが大きい。TOPIXをベンチマークとしている機関投資家が動き難いことを意味している。
 戻りのメドとしては8月31日の高値と、10月6日の安値の中間値がひとつの目安となるだろう。中間値は日経平均で1万197円(週末は1万0016円)、TOPIXで925ポイント(週末897ポイント)。仮に、この中間値を上回るところがあっても、上ヒゲ足となる可能性があり深追いは慎みたい。
posted by 犬丸正寛 at 19:46 | 株で見る世の中

2009年10月05日

ブラジル・リオデジャネイロ五輪開催決定で関連銘柄人気に期待

 2016年の「夏季オリンピック」がブラジルのリオデジャネイロに決まった。これから先、マーケットでは、『ブラジル関連銘柄』が前面に出て来ることは間違いない。特に、『BRICs』関連の一番手に表示されながら、2007〜2008年のBRICs相場ではロシア、中国、インドなどに先を越され不発だった。その分、これから、オリンピック特需を契機にブラジル関連人気が盛り上がることが期待される。

 ブラジル関連での捉えた方としては、(1)オリンピック開催前の施設等の整備関連特需、(2)オリンピック開催期間中の観光等の効果、(3)オリンピックを契機とした経済発展によるオリンピック後の内需の盛り上がり、の3つの場面での関連銘柄探しが注目される。
 中国の北京オリンピックでもそうであったように、大会開催前に「道路」、「鉄道」、「空港」、「港湾」、「水・電気・ガス等の整備」、「宿泊施設」、「競技施設」などの建設が見込める。関連で建設機械、鉄鋼、非鉄金属、セメント、電線などの需要が出てくる。2007年当時は中国の鉄鋼需要が急増したことで、日本の公園からスベリ台がなくなったほどだ。関連銘柄は建設機械を筆頭に鉄鋼などに注目できる。既に、日本の鉄鋼メーカーはブラジルでの高炉建設を計画。プラント株、耐火レンガ株なども注目される。鉄道車両、信号システムなどでも日本の優位性が発揮できるだろう。
 施設、ホテル、駅舎などの建物建設では日本の土木・建築会社にもビジネスチャンスとなろう。建物が立ち上がってくれば、内装関係、空調、電気関連の需要が発生する。
 オリンピック開催となれば旅行会社、航空会社には特需が見込める。そして、なにより、広大な国土(世界5位)を誇るブラジルの発展がオリンピックを機に見込まれる。人口も世界5位。豊かになってくれば消費についても大いに期待がもてる。
 地理的には遠い国だが、日本からの移民も多く「遠くて近い国」である。ブラジル関連銘柄研究は積極的に手がけたい。
posted by 犬丸正寛 at 17:00 | 株で見る世の中

2009年10月02日

過去17年間の10月相場の成績は?=犬丸正寛の相場展望

過去17年間の10月相場の成績は?=犬丸正寛の相場展望 来週を含め10月相場は、『日経平均1万円の壁が形成されてしまうかどうか』、『新政権の次なる一手』、そして、『9月中間決算発表と下期見通し』、などが注目されるだろう。
 日経平均は、去る7月27日に今年3度目となる1万円台に乗せた。さらに、衆議院選挙で勝利した民主党政権を祝して、8月31日には1万767円の年初来高値をつけた。その1ヵ月後の9月28日に今度は1万円を割り込んだ。
 仮に、日経平均がこのまま下落を強めると、7月以降、2ヶ月間にわたる1万円台のモミ合いに大きな壁を作ることになってしまう。この間の出来高が、それほど多くなかったことから、シコリは多くなく、圧迫にならない、との見方もある。しかし、そうであるならば、早い時期に1万円台を回復しなくてはいけない。この点が今後の見所である。
 もう一点、気になるのは日経平均が最初に1万円台に乗せたのが6月10日。多くの主力銘柄が『6月相場』で、商いを伴って買われていることがある。東証1部の出来高は6月12日の39億9743万株が今年の最高である。6月相場まで逆登って見れば1万円程度にはかなりのシコリがあるとみなくてはいけない。このシコリ株を肩代わりするだけの元気のある投資家が果たして、いるかどうか。

 加えて、『10月相場』の成績は、あまり、良くない。1992〜1998年までの17年間の日経平均は『陽線7回』、『陰線10回』と圧倒的に陰線が多い。言うまでもないが、陰線は、始値より終値が安いことであり、10月の日経平均は月末に安くなるケースが目立つことである。今年の10月相場も軟調子となる可能性は大きい。
 一方、「家計部門重視」を打ち出している新政権が、家計部門だけで景気下降リスクを食い止めることができるかどうかも見所だ。『家計は人を雇用しない』からだ。やはり、雇用は企業によって生み出されるものである。もちろん、個人消費の増加→企業への恩恵は期待される。しかし、雇用に安心感がないと、家計は消費には慎重である。家計部門刺激による景気浮揚には時間がかかる難しさがある。どこまで、庶民が高失業率にガマンできるか。日経平均の1万円割れには、このことも含んでいる。新政権は早くも次の一手を求められようとしている。
 10月は9月の中間決算の発表が始まる。前、麻生政権のエコ減税等の効果で家電、エコカー中心に関連企業の業績は上向いた。しかし、その効果は一巡する懸念がある。むしろ、「家計優遇」に対し、「企業圧迫」の動きが出てくる心配がある。下期については、経営者は「様子見」のスタンスを強めるはずだ。あまり、良い数字は見込めないだろう。
 結果、10月相場は強い展開は難しいだろう。日経平均は9500円程度では下げ止まるとみられるが、その後の戻りが鈍ければ見切り売りが本格化して7月13日の9050円まで下げる可能性もある。個人は、上値買いは慎重に、突っ込み場面に備えるスタンスがよいだろう。空売りも慎みたい。
posted by 犬丸正寛 at 17:07 | 株で見る世の中

2009年09月25日

新政権発足1週間を探る:根底では相場の地殻変動が起きている

■19業種が値下り、特に「金融」の下げが目立つ

新政権発足1週間を探る:根底では相場の地殻変動が起きている 鳩山民主党政権が9月17日に正式発足して、カレンダーベースでは1週間が経過した。営業日ベースではわずか4日間。一見すると平穏な動きだったが、注意深く見ると「大きく荒れた相場」だった。
 東証の33業種について指数を、新政権発足前日の「9月16日の終値」と、「25日の終値」で比較した。33業種中、値上り業種は14、値下り業種は19業種と、値下り数が上回った。しかも、最大の注目点は値下りの平均が3.4%と、値上り平均の1.02%に対し3倍に達したことだ。

 特に、値下り率1位は『証券』の12.31%、次いで2位『空運』の11.50%が2ケタと、他を大きく上回る下落率となった。さらに、『銀行』の9.20%、『不動産』6.03%と続き、このほか、『保険』、『金融』、『建設』なども1.9〜2.3%下げ、値下り業種は合計で19に達した。
 反対に値上りした業種は『食料』の2.50%、『繊維』1.93%、『精密』の1.91%、『電機』1.40%、自動車など『輸送』は0.59%、値上り率14位の『鉄鋼』は0.10%だった。

 特徴的だったのは「金融関連」と「空運」、「建設」などが大きく下げ、「食料」と新型インフルエンザ関連の「繊維」が堅調だったこと。
 金融の下げは、「亀井大臣の発言」が響いた。中小企業、個人等の借り入れを3年程度、返済猶予するというもの。金融機関にとって収益圧迫要因となる。証券が大きく下げたのは、証券税制への懸念があるところへ、野村ホールディングス<8604>の今年3月に続く増資発表が嫌気され25日にストップ安したのが響いた。空運では日本航空<9205>の再建を巡る、政府の厳しい姿勢から上場来安値に沈んだ。建設は八ッ場ダムの建設中止が波及した。

■これからも新政権の政策を織り込む相場が続く

 いずれも、戦後、ほぼ一貫して続いてきた『自民党―官僚―企業』によるシステムが、新政権によって『民主党―国民』中心のシステムに大きく変わることによる影響だ。その現われが、『返済猶予』であり、『日本航空再建見直し』であり、『八ッ場ダム建設中止』である。
 しかも、こうした見直しは、大小、これからも予想される。長年続いた体制が変われば、いろいろなところでシステム変更が発生する。
 日経平均はこの間、16日の終値1万270円に対し、25日の終値1万265円と、僅か5円しか変化していない。日経平均だけしか見ていない人には、新政権は相場に変化なし、と映っているだろうが、紹介したように根底ではマグマが動くように、相場の地殻変動が起きている。これからも、「新政権の政策を相場が織り込んで行く展開」である。代表的な指数だけでなく、細かくウオッチして行くことが大切である。
posted by 犬丸正寛 at 17:00 | 株で見る世の中

2009年09月19日

「内需重視政策」を反映するTOPIXの動きがポイント=犬丸正寛の相場展望

「内需重視政策」を反映するTOPIXの動きがポイント=犬丸正寛の相場展望 来週を含む、今後の相場は、『TOPIX』の動きがポイントとなってくるだろう。TOPIXは、日経平均以上に、新政権の打ち出す「内需重視政策」を反映する指数だからだ。
 そのTOPIXの年初来高値は8月31日の987.21ポイント。日経平均とは高値時期は同じで、その後、同じように調整となっている。ところが、18日(金)は、TOPIXが一時925.50ポイントまで下げ、当面の下値のフシとなっていた930ポイント(9月14日)を切ってきた。一方の日経平均は下値フシを切ることなく止まっている。
 日経平均とTOPIXには大きな違いがある。どちらも東証1部銘柄が対象ということでは同じだが、採用銘柄数に違いがある。日経平均の225銘柄に対し、TOPIXは全銘柄。しかも、日経平均は株価だけが計算対象だが、TOPIXは株価と発行株数の両方を対象とした時価総額方式。日経平均は輸出関連銘柄の影響を受けやすく、TOPIXは金融株、消費関連、建設などの内需関連の影響を受けやすい特徴がある。
 このため、新政権の内需政策が支持されるならTOPIXの動きが強くなるわけだ。しかし、そのTOPIXが、18日に、一時的にせよ揺れ動いたことは先行きに対する、何かの警戒サインの可能性かもしれない。
 ダム建設をはじめ公共工事の見直し、派遣問題の見直し。さらに、亀井大臣の発言も飛び出した。「貸し渋り・貸し剥がしを抑え、借入金の3年程度の猶予」の法案を今度の臨時国会に提出し成立させるという。返さなくてよいとは言っていないが、借金の棒引きとも受け取られかねない。金融機関だけでなく、商取引自体が萎縮し、結果、内需振興ではなくなる心配がある。
 総理大臣は、「日本株式会社」の社長。株式会社制度を止めて社会主義国になるというのなら別の話だが、日本株式会社である以上は、「収入」「稼ぎ」は絶対に必要だ。株式会社には多くのステークホルダーが存在している。これまで、株主、経営者等に重心が偏り過ぎて、従業員等が追いてきぼりにされていたことはある。そこの是正は必要だろうが、従業員=組合が強くなりすぎて、千葉県の不正経理のように,みんなで渡れば怖くない式となってはいけない。稼ぎを忘れては、会社は衰退する。いったん、落ち込んだ売上を回復させことは、実は、経費削減よりも大変なことである。
 会社なら社長が代われば、経営スタイルが変わるのは当然である。しかし、どのような経営者になろうとも、会社が収入を安定着実に伸ばし、その会社に集う関係者が生きがいを感じるものでなくてはいけない。旧経営陣を批判するだけでは、だめである。
 今すぐに新政権に対し評価を下すことは避けなくてはいけない。しかし、日本株式会社の鳩山新社長が、日本の特徴をどのように発揮し、経営のカジ取りをするか。これから、TOPIXの動きと共に見詰めていきたい。
posted by 犬丸正寛 at 17:00 | 株で見る世の中

2009年09月12日

相場展望:新政権ご祝儀相場となるかどうか最大の見所=犬丸正寛

■民主党政権誕生は明治維新にも匹敵する歴史的な出来事

相場展望:新政権ご祝儀相場となるかどうか最大の見所=犬丸正寛 来週の相場は、16日(水)、正式発足の『新政権ご祝儀相場となるかどうか』が、最大の見所だろう。今度の民主党政権の誕生は明治維新にも匹敵する歴史的な出来事で、日本にとって、バラ色の将来を約束するものとの評価がある。もし、そうであるならば、日経平均の上値のフシである1万2500円を目指した上昇相場となってもおかしくはない。果たして、どう動くか。
 『ご祝儀相場』を出すには地合いは好タイミングにあるといえる。9月中間決算発表までの狭間ということもある。また、日経平均の動きが煮詰まっていることもある。9月に入って、月間の高値と安値の幅は僅か434円。これは、8月の高安幅625円をさらに下回る。これまでの動きでは、月間の高安幅が1000円を超えると、その翌月は振幅が小さくなる傾向がある。7月の高安幅が1309円と4ケタを超えたことで8月が縮小した。さらに、8月に続いて、9月も小幅となっているため、値を上げるなら絶好である。
 また、出来高が薄いことも、日経平均の「価格効果」ということでは好タイミング。出来高の薄いことは売り物の少ないことでもあるからだ。1万2500円から上にはシコリ帯があるが、そこまでは、比較的、売り物少ない真空地帯。ご祝儀相場を出すなら、今しかないと言ってもよいくらいの好需給である。。
 もちろん、ご祝儀相場不発の可能性もある。連立政権の難しさが、早くも、ちらついていることがある。アメリカとの軍事防衛問題や郵政問題が浮上している。どちらも、悩ましい問題。日米とも民主党政権ということで、日本の民主党も邪険にはできない。社民党との関係がどうなるか。また、選挙によって国民の信を問うた上で実現した郵政民営化を白紙にできるかどうか。
 「民」に厚いことは、「企業」に厳しくなることを内包している。派遣問題から、早くも、生産を海外へ移すことを検討する企業もみられる。「公開会社法」の制定も伝えられるし、証券税制も投資家に厳しい形で浮上する可能性もある。日本株式会社の売上を稼ぐ「企業」ではなく、「民」優先がする政策が永続するとみられるようなら相場は下げるだろう。
 これまで、「企業優先」で、「民」がなおざりにされたことを考えると、短期的には「民」へ振り子は振れるのは止むを得ない。しかし、そのことが、長期化することがいちばん怖い。国民全員が親方日の丸となって、結果、国力を削ぐ心配があるからだ。相場にとって、来週は「大事な週」である。
posted by 犬丸正寛 at 17:21 | 株で見る世の中

2009年08月29日

新政権ご祝儀相場へ:新しい相場の幕開け=犬丸正寛の相場展望

■「ご祝儀相場」の後に「政策吟味」へ

新政権ご祝儀相場へ:新しい相場の幕開け=犬丸正寛の相場展望 来週を含む、先行きの相場は、(1)新政権ご祝儀相場、(2)新政権への政策見極め、が注目点となるだろう。
 週明けは、選挙結果を踏まえての新しい相場幕開け。「民主党」新政権誕生はほぼ間違いないだろう。戦後、「無」からスタートした日本は、「豊かさを求めて」頑張ってきた。経済全体が大きくなって、庶民生活が豊かになればとの共通の願いで、少々の問題、格差には目をつむってきた。しかし、社会資本が整い、家庭内に物質が溢れる時代となって、国民の「一致団結」の価値観は豊かさと共に消え去った。組織の硬直化、腐敗、格差問題など豊かさの副作用がクローズアップしてきた。テレビ時代劇なら、「水戸のご老公」のお出ましとなるところだろう。ご老公のかわりに、時代が「民主党」政権の誕生を求めている。

 アメリカはひと足早く民主党政権となった。リーマン、GMの破綻など、市場主義の行き過ぎに対する反省がある。日米とも似ている。少し違うとすれば、「企業」−「マーケット」主義のアメリカに対し、日本は「企業」−「官」主義という点だろう。主役の座が「企業」「官」から、「民衆」中心の新しい仕組みの時代に移って行く。しかし、われわれ民衆が力を得るということと、何もしないで「棚からボタ餅」ということではない。逆に、今まで以上に『努力と義務』が発生してくるはずだ。

 ともかく、週明けには、恐らく民主党政権による新しい仕組みの時代が始まる。既に、このところ、外国投資家は、日本株買いで歓迎の意を表しているようにみられる。経済大国の日本が「民」に目を向けた政策で、内需が上向けばアメリカにとっても悪い話ではない。この外国投資家による、「新政権ご祝儀相場」が、週明けにはクライマックスとなることが予想される。

 そして、その次に来るのは新政権の政策を咀嚼し消化する動きであろう。たとえば、10数年続いている「ゼロ金利政策」。庶民にとって、預金しても利息のつかない時代を味わってきた。「民」中心ということなら、「金融機関」から「庶民」へ所得移転が行われる可能性はある。ゼロ金利政策解除は、金融機関にとって、収益的にどのような影響を及ぼすのか。金利が上がり始めると、景気にどのような効果と影響がでるのか。また、「消費者庁」の発言力が強まるであろうことも、企業にとっては活動がこれまでと違ってますます制約されるはずだ。こうした、新政権の政策吟味が、ご祝儀相場の後に予想される。

 一方のアメリカは、NYダウが快調に戻りに転じている。だが、高失業率はさらに悪化の方向にある。失業率の改善は一般の景況より遅れるとは言うものの、時間がかかり過ぎると「民」の不満は高まる。追加の景気対策も必要となる可能性がある。それは、財政赤字をさらに悪化させる。仮に、NYダウが1万ドルとなれば失業率は数パーセント改善される、という生易しいものでもないだろう。NYダウ高にも警戒感が台頭するはずだ。中国の株式市場も揺れているのも気になる。

 基本的には、かつての日本が「東京オリンピック」−「大阪万博」−「日本列島改造」と走ったのと同じ動きを中国は歩んでいる。来年の上海万博で、中国の内需拡大はいっそう盛り上がるだろう。ただ、中国の基調は強いとしても、日米のバブル崩壊の教訓が生々しいだけに、早めのブレーキも予想される。
 国内では天候不順による消費停滞がある。これに、新型インフルエンザ大流行の心配もあって、消費には大きくは期待できない。民主党政策の子育て支援銘柄もかなり買った動きで新鮮味は薄れている。これからは、徐々に、全体相場より「個別物色」の色合いが強まるものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 13:04 | 株で見る世の中

2009年08月22日

民主新政権と株価:織り込んだかどうかは問題ではない=犬丸正寛

【犬丸正寛の来週の相場展望】

民主新政権と株価:織り込んだかどうかは問題ではない 来週は、引き続き『新政権の経済対策への期待と不安』、『中国の景気と株価の動向』、『日経平均は3段上げを終了したかどうか』、『不順な天候の影響』などが注目されるだろう。

 8月30日(日)の投票日まで最後の1週間。民主党300議席獲得の見通しが出るなど、民主党新政権誕生は間違いないようである。外国人投資家も日本株を買って、新政権へエールを贈っているようにも見える。日米首脳会談も既に日程に上がっているという。外国からの視点は、自民党主導の時代は終わったということだろう。これまでは、幕府とお代官さんに任せておけばよかった。これからは、国民が自らの責任において考え行動しなさいということだろう。良い話ばかりではないだろう。しかし、真の民主主義のためには、苦労とコストはかかるということか。
 民主党新政権と株価。織り込んだかどうかということは、もはや問題ではない。「新しい日本のためには覚悟を決めるしかない」、「やってみなければ分からない」ということだろう。これから先は、案件ごとに株価が織り込んで行くことになる。ならば、新しい日本へ変わることに、胸を弾ませたい。

■心配な材料は『中国』

 日経平均は今年3月10日の安値7021円から8月14日の1万630円まで、日柄で5ヶ月、上昇率で51.4%。日柄、率とも上げ不足ではないだろう。一方、チャートの形は「3段上げ」が完成したようにも見える。もちろん、「おまけ」もある。しかし、日柄、上昇率も考え合わせると、高値圏に入っていることは間違いなさそうだ。高値圏では好材料以上に、悪い材料に敏感となることは頭に残しておきたい。
 その心配な材料が、『中国』。約55兆円の大型投資で景気は上向いている。同時に土地の値段も上昇し、かつての日本のバブルを彷彿させる。既に、上海総合指数は8月4日を頭に2ケタ下落で調整の気配が漂っている。仮に、バブル崩壊なら株価は暴落する。それを恐れて政府が、金融引き締めに転じても株価は下げる。
 中国の景気が調整入りすれば、日本の4〜6月のGDPが年率で3%を超す伸びとなったといっても、中国効果が大きい。日本の内需にはとてもそんな力はない。エコカー、エコ家電にいくばくかの効果はあったが、一巡した後に怖さがある。しかも、天候不順で消費は悪い。
 こういう状況では中国が下げれば、まちがいなく日本は下げる。かつて、「アメリカがクシャミをすれば日本は風邪を引く」が、今は、「中国がクシャミすれば日本は肺炎になる」。それでなくても、新型ウイルスの脅威が襲いかかって来ている。無理はできない相場である。
posted by 犬丸正寛 at 16:00 | 株で見る世の中

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