相場格言

2011年02月26日

「民主主義」か「独裁主義」かを問いかける相場=犬丸正寛の相場展望

★強い日本銘柄に物色の芽

「民主主義」か「独裁主義」かを問いかける相場=犬丸正寛の相場展望 日経平均は日足では戻り売りとなったものの、週足では、まだ押し目買いのチャートとなっている。来週(2月28日〜3月4日)は、こうした形の中で、『民主主義か独裁主義かを問いかける相場』の可能性を含んでいる。

 企業のワンマン経営と同じように、独裁者国家においても、右肩上がりの好環境のときは、即断即決で果実を早く手にすることができるメリットがある。しかし、一旦、もたつき始めると、日頃の、社員や庶民の不満があちこちで湧き起こる。ワンマン企業の場合は創業者というケースも多いから失敗しても経営権を簡単には手放なそうとはしない。独裁者国家もまた同様である。

 世界を見渡すと、東西冷戦のあと、旧東側諸国は、独裁体制のまま民主主義・資本主義のいいところ取りをやって急成長した。独裁主義的・資本主義とでもいうものだろう。そのひずみがやってきた。民主主義の中では、人は、競争の結果、格差が生じることは承知している。負けもあるかわりに、自分の努力次第では勝ちもある。しかし、独裁的ワンマンでは、常に、独裁者の一人勝ちである。

 民主主義は時間がかかるしコストもかかる。しかし、独裁的ワンマンが行き詰ったときの支払うコストの大きさは民主主義に比べると非常に大きい。北アフリカの騒動がどこまで広がるか。それによって、世界経済に与える影響度も変わってくる。一部では北朝鮮でもデモの動きがあると伝えられているし、中国も同じような気配が漂っているようだ。押さえ込むことができるのかどうか。

 GDPで中国に抜かれて3位に落ちた日本。しかし、心配することはない。勤勉さと、緻密な研究とモノ作りを忘れなければ強さは発揮できる。部品を集めて、「組み立て」中心で伸びて行くのも方法ではある。しかし、精巧な部品がなくては組み立ても成り立たない。日本は依然、優秀な部品を世界に供給し続けている。だから、貿易収支は依然、優秀である。

 今度の世界的な波乱は民主主義の日本、勤勉な日本を見直すよいタイミングとなったのではないか。日本をマザー工場、研究拠点として、しっかりとやり、その上で海外において根を下ろして行く。日本が真のグローバル展開をしていくうえでよいチャンスだろう。

 今後は、「日本の強さ、優れているところを見詰め直す」相場だろう。こういう目でみれば、日本の「円」が強張っていたことはうなずける。「日本の強い銘柄」を物色する動きが芽生えてくる可能性がある。
posted by 犬丸正寛 at 12:45 | 株で見る世の中

2011年02月23日

BRICsの安全牌はブラジルだけ!=犬丸正寛

BRICsの安全牌はブラジルだけ!=犬丸正寛 『BRICsの安全牌はブラジル』――。こんな見方が出ている。言うまでもなくBRICsとはブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字で経済発展の目立つ国々。これらの国に、中東産油国も加えて日本の主たる得意先である。BRICsは2005〜06年頃から言われ出し、とくに、中国の2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博に関連した社会整備投資で一気に燃え上がった感がある。

 ところが、最近は様子がおかしくなってきた。『経済が発展して豊かになれば堕落が始まる』の教えもあるとおり、世界の先端を走ってきたヨーロッパが財政悪化でおかしくなり、今、中東が社会不安を起こしている。経済発展の一方で生活格差が目立ち、物価高の目立ってきた中国も油断ができない状況に置かれている。人口が多いだけにたいへん厄介だ。

 見渡すと、日本のお得意さんがそろってガタついている印象だ。もちろん、領土問題で強行姿勢のロシアとも本気でビジネスに取り組むわけにもいかなくなっている。

 これまでマーケットを引っ張って来た、「BRICsは、もはやマーケットでのテーマではなくなりつつある。とくに、民主主義体制でないところのリスクは高い」(中堅証券)。そこで、BRICsの中で登場するのが「B」のブラジルということだ。日本からの移民も多く親日的で安心感がある。これからは、しばらく、残されたBRICsの中の「ブラジル関連銘柄」探しに熱が入るということのようだ。

 また、(1)中東も民主化が進めばマーケットとして有望、(2)日本人と気質の似ているベトナムにも注目できる、(3)不振のヨーロッパでもドイツは別格で、勤勉な国は生き残れる。世界が不安定となればドイツ同様、勤勉な日本の優位性が発揮できる。これから、日本の時代ではないか。といった見方も出始めている。もちろん、アメリカとの同盟関係を強固したうえで民主主義、資本主義のプレーヤーとしてイチロー、マツイ、ナガトモのような活躍を期待するということだ。
posted by 犬丸正寛 at 19:26 | 株で見る世の中

2011年02月19日

対ロシア外交の立て直し役で期待高まるトヨタブランド=犬丸正寛

■ロシア外交立て直しの担い手

対ロシア外交の立て直し役で期待高まるトヨタブランド=犬丸正寛 『対ロシア外交ではトヨタブランドが力を発揮する』――。こんな見方が囁かれている。前週後半、トヨタ自動車<7203>(東1)がロシア極東のウラジオストクで多目的車(SUV)を年間3万台生産すると伝えられた。トヨタ側からは肯定も否定のコメントは出てない。しかし、「あれだけの大きな外交案件の絡む材料に何も背景がないとは考え難い、おそらく、経団連あたりの意向が働いているとみるのが妥当だろう」(中堅証券)。

 言うまでもなく、今の日ロ関係は最悪。とくに、日本にとって、北方領土返還の希望は遠のくばかりだ。ロシアは、北方領土に中国や韓国企業を誘致するとまで言い出している。そうなれば、先々の領土交渉はますます難しくなる。その一方でロシアは日本に経済関係の協力強化を求めてきている。誘いに応じないと関係は、一層ギクシャクする。しかし、今の日ロ外交関係を考えれば、日本政府は表立って動くことはできない。

 そこで、登場となったのがトヨタということだ。「世界ブランドのトヨタならロシア政府にとってもメンツは十分に立つはず」(同)。

 鳩山政権下で、こじらせた日米関係が主因となって、中国との尖閣諸島問題に発展し、さらに、ロシアとの間では北方領土問題で最悪状況になっている。「日本国民の多くは民主党政権では外交はダメだと思い知らされたはず。4島の同時返還どころか、このままでは1島も返って来なくなる心配がある。ほとんどの国民は、がっかりしているはず。政治がだめなら経済の出番。おそらく、経団連あたりは次の政権を読んだ動きをしているのではないか。トヨタブランドに掛けられた期待は大きい」(同)。

 民主党政権の対米外交の失敗で、トヨタがアメリカで生贄にされた感がある。最近、米政府のトヨタに対する技術の優秀さ発言で、トヨタの名誉は回復され、むしろ高まった。そのトヨタが今度は対ロシア外交立て直しの大切な役割と期待を背負っているのかもしれない。
posted by 犬丸正寛 at 18:51 | 株で見る世の中

2011年02月18日

強い中にも『波乱の芽を含んだ相場』=犬丸正寛の相場展望

■反落が来てもよいように回転を利かした投資を心がけたい

強い中にも『波乱の芽を含んだ相場』=犬丸正寛の相場展望 来週(21日〜25日)は、強い中にも『波乱の芽を含んだ相場』だろう。企業業績の好調とNYダウの強さに支えられて、日経平均は、まもなく昨年4月以来の1万1000円台回復が見込まれる。

 本来なら菅内閣にとっても支援材料となるところ。しかし、国民の内閣支持率は20%台へ下がり、しかも、心配されていた党内部の亀裂が目立ってきた。とくに、今の政権では外交については、アメリカとの関係を悪化させないように努力するのが精一杯。北方領土問題では、ロシアに振り回されている。トヨタ自動車に極東に工場進出してもらって、ロシアとの関係を地ならしをしてもらうことしか打つ手がないのかもしれない。政治より経済である。

 もしも、内閣総辞職となっても、相場には大きくは響かないだろう。マーケットは期待していないから、ずるずると行くより、新しい政権となることを好感するだろう。むしろ、日本の政局よりアメリカの動きのほうが心配だ。アメリカは景気刺激に対し、「アクセル」を踏み続けている。その反動で「財政赤字が過去最大」という報道が見られるようになってきた。

 だからといって、一気にブレーキを踏むようなことはないだろう。ただ、踏み続けてきた「アクセル」ペダルから足を放すことは考えられる。これ以上の加速は必要ないとの姿勢が見えたらNYダウは反落する可能性がある。すでに、中国はアクセルペダルから足をはずし、ブレーキペダルへ足を掛けている。日本の好業績は中国のアクセル踏み込みによって好調を持続してきただけに無視はできない。

 引き続き、個別の材料株相場の展開である。決して、腹いっぱい買ってはいけない。いつ、反落が来てもよいように回転を利かした投資を心がけたい。配当利回りの良い銘柄については下値を丹念に仕込んで行くのがよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 19:52 | 株で見る世の中

2011年02月17日

佐渡高校が甲子園出場で注目される『佐渡島』=犬丸正寛の見聞記

■佐渡市は1000万円の予算を計上

佐渡高校が甲子園出場で注目される『佐渡島』=犬丸正寛の見聞記 3月23日に開幕する今年の「春の甲子園」高校野球大会。春夏を通じて、初めて出場する新潟県立・佐渡高校。失礼ながら、観光、文化での佐渡は著名でもスポーツ、とくに野球では強いという印象はなかった。驚いているのは地元でも同じようで、地元での喜びは日々高まっているという。

 佐渡市役所総務課によると、「学校の同窓会、OB会を中心として支援する組織ができているようです。市としては、<甲子園へ送る会>をつくって応援体制をとっています。甲子園への足代として1000万円の予算も計上しました」という。

 佐渡島は人口約6万4000人、自然豊かで伝統芸能など観光資源に恵まれている。訪れたい場所ながら遠いという印象の人には、甲子園で、恐らく、応援歌に「佐渡おけさ」が流れることだろうから、一気に佐渡へ旅する気持ちが高まることだろう。

「甲子園効果がどのような形で観光面などに現れるか想像できません。今は、これまで通り、自然のすばらしさ、文化、芸能などの優れた点をていねいに紹介していきます」(総務課)ということだ。

 とくに、目立った選手がいるということはなさそうで、「全員野球」がチームカラーのようだ。初出場のチームが甲子園で1勝を挙げることは大変難しいものの、佐渡旋風を引き起こしてくれることを楽しみにしたい。

■注目される佐渡汽船

 佐渡に本社を置く上場企業は少なく、ジャスダックに上場の佐渡汽船<9176>(JQS)がある程度。同社は佐渡と新潟をジェット船とフェリーを就航させている有力企業。10年12月期(予)では、売上120億円強、営業利益約7億円の成績。甲子園で佐渡高校の人気が盛り上がれば同社株に対する人気も上昇が予想される。直近の同社株は237円。(写真=佐渡汽船の新潟・両津間を運航するジェットフォイル3隻と大型旅客カーフェリー「おけさ丸」)

佐渡汽船の新潟・両津間を運航するジェットフォイル3隻と大型旅客カーフェリー「おけさ丸」
posted by 犬丸正寛 at 19:34 | 株で見る世の中

2011年02月10日

日経平均高値圏モミ合いの中『材料株物色相場』の様相=犬丸正寛の相場展望

★金利高の中国の景気の行方、米国は株高だけで景気は良くなるのか

日経平均高値圏モミ合いの中『材料株物色相場』の様相=犬丸正寛の相場展望 来週(2月14日〜18日)は、日経平均の高値圏モミ合いの中で、『材料株物色相場』の様相が強まるだろう。

 (1)第3四半期決算発表の一巡
 (2)中国の利上げで中国関連株には様子見気分が強まる
 (3)アメリカの長期金利上昇による景気への影響見極め
 (4)年度末接近で法人等の売り懸念

 など、積極的に手を出し難い相場環境だ。例年、2月頃から3月に向けて調整色の強まる動きとなっており、今年も、例年通りの気乗り薄い展開とみられる。一番の理由は、やはり、決算発表の終わったことだ。新日本製鐵<5401>(東1)のように下方修正、トヨタ自動車<7203>(東1)のように上方修正もあり、多額の特損計上で急落したダイキン工業<6367>(東1)など、決算発表は株価には刺激的だった。それがなくなる。

 しかし、以前のように、『困った時は中国関連株』というわけにはいかなくなった。中国は相次ぐ金融引き締めで、景気にどの程度影響があるのか見極めなくてはいけない。仮に、金利上昇をものともせず、中国景気がさらに上昇に向かうようだと、中国政府は物価高によるエジプト型の内乱を心配して、さらなる金利引き上げに向かうだろう。中国政府は、ここは少々、景気を犠牲にしてでも物価の押さえ込みを最優先するだろう。経済活動、株価には楽しい話ではない。

 一方のアメリカは株バブル化に成功している。株高による資産効果で消費が期待できる。しかし、金利の上昇は住宅・不動産の回復にはマイナスに作用する。オバマ政権は、住宅・不動産の回復は諦めたのだろうか。果たして、株高だけで、アメリカは景気をどこまで良くすることができるのか。そろそろ、その答えを求め始める段階に入りつつあるのではないか。

 こうしてみると、日本のマーケットでは、テーマ性のある好業績の人気銘柄が物色の前面に出てきそうである。たとえば、ゴールドウイン<8111>(東1)のような銘柄だろう。
posted by 犬丸正寛 at 18:25 | 株で見る世の中

2011年02月05日

『わずか30分、されど30分』東証の取引時間延長の意味=犬丸正寛の話題

■東証の取引時間30分延長の意味合いは大きい

『わずか30分、されど30分』東証の取引時間延長の意味=犬丸正寛の話題 東京証券取引所の取引時間が、今年5月9日から変更となる見通しと伝えられた。現在の取引は、『前場』(ゼンバ)が午前9時〜午前11時、『後場』(ゴバ)は午後12時30分〜午後3時までとなっている。

 このうち、前場取引を午前9時〜午前11時30分へ、30分間の取引時間を延長するということだ。わずか、30分でも意味合いは大きいといえそうだ。

 証券業務に携わる、働く側からみると、勤務時間が長くなり、とくに、昼休み時間の削られることへの不満は予想される。仮に、交代要員を用意することになれば会社側にはコストアップとなる。

 一方、投資家側にとっては、取引の時間がたとえ30分でも増えることは使い勝手はよくなる。とくに、刻々と、目まぐるしく変化する世界情勢において、それに対応するマーケットが開いていないということでは存在感がないからだ。今や、私設取引所を開設して深夜取引を始めるところも出ている。

■東京と上海の同時立会い時間帯が増える

 とくに、今は、アジアとの結びつきが深くなっているため、韓国、中国のマーケットもウオッチしなくてはいけない。お隣りの韓国は午前9時〜午後3時まで休憩なしでの立会い。中国・上海は、日本と同じ前・後場制で、前場が9時30分〜午前11時30分、後場は午後1時〜午後3時。しかし、実は、今回、東証が30分延長することで中国との時差があることによって東京と上海の同時立会い時間帯が増える。上海の午前の取引時間を日本時間に置き換えると10時30分〜午後12時30分となって、上海の動向をより映すことができる。

東京証券取引所

■一方では批判的な声も・・

 「今や世界は24時間取引の時代を迎えつつある。NYは昼の休憩はない。日本も投資家のことを考えれば、30分延長なんて言わないで、前後場を通しての取引をやるべき」との見方もある。その一方で、批判的な声もある。「東証の現物売買が盛り上がらないこの時期に30分延長しても効果はないだろう。むしろ、225オプション取引などデリバティブにメリットが出て、東京証券取引所より大阪証券取引所に効果は大きいのではないか。とくに、東京の会員(証券会社)にとっては、これまで、度重なる取引所のシステム投資による負担は増えている。しかも、システム投資によって、取引量が増えるどころか、逆に、沈滞気味。稼がなくてはいけないディーリングも、商いが薄いうえに、規制が厳しくなるばかりで手が出し難くなっている。それに、楽しみにしてきた東京証券取引所自体の上場も延び延びでは不満は貯まりに貯まっている」(中堅証券)との声もある。

 また、あるベテラン個人投資家は、「今のマーケットは<銘柄に投資する>というロマンが消えている。銘柄にではなく、<株価を買う>ことが目立ちすぎている。取引所はもっと腰の座った投資の啓蒙活動に取組んでほしい」との声も。

 今回の東証の取引時間の30分の延長は、たかが30分でも、日本のマーケットには、かなり大きい意味合いを持っているようだ。
posted by 犬丸正寛 at 15:22 | 株で見る世の中

2011年02月04日

『NYと中国の綱引き』を見守る相場へ=犬丸正寛の相場展望

■景気に対しアクセル踏みたい米国、ブレーキを踏みたい中国の事情

『NYと中国の綱引き』を見守る相場へ=犬丸正寛の相場展望 来週(7日〜10日)の相場は、『NYと中国の綱引』が見所となりそうだ。背景には、アメリカも中国も来年はトップ交代の年に当っている。アメリカは、オバマ政権が再選なるかどうか、そのために、アメリカは今年、「景気対策」に一段と力が入る。

 一方の中国は、次期国家主席はほぼ決まっている。中国にとっては、共産党の体制維持がいちばんのポイント。そのために民主化運動、物価対策には最大の神経を尖らせているはず。ギリシャのようなことは絶対に避けたいはずだからだ。物価上昇(インフレ)が、民主化運動へ結びつくことは、なんとしても断ちたいはず。

 今の中国の物価上昇率はかなり高くなっている。過去、天安門事件が起きたときも物価上昇は非常に高かった。そのことは、中国政府は十分承知しているはず。「春節」の終わる8〜9日あたり、いきなり、金利引き上げ、あるいは人民元の切り上げといったことが出ないともいえない。つまり、アメリカは景気に対し「アクセル」を踏んでいるのに対し、中国は景気に対し「ブレーキ」を踏みたい、という大きい違いがある。

 仮に、中国株が下がれば、日本株への影響は大きい。今や日本では中国関連と名前のつかない銘柄はないからだ。中国がブレーキを踏む影響はアメリカにも波及する。中国の春節明けは注意しておきたい。また、日本の上場企業の第3四半期(4〜12月)決算も、まもなく一巡する。手がかり材料がなくなる。NYダウの上昇で支えられている日本市場だが、波乱の芽を含んでいることは頭に入れておきたい。
posted by 犬丸正寛 at 19:50 | 株で見る世の中

2011年01月28日

決算本番で「良い子探し」の個別物色相場の展開へ=犬丸正寛の相場展望

■「春は名のみ」で、今年の風はまだ冷たい

 来週(1月31日〜2月4日)は、いよいよ立春の2月相場入り。ただ、歌詞にもあるように、「春は名のみ」で、今年の風はまだ冷たい。とくに来週に限ってみれば、『良い子悪い子』的な展開が予想される。

決算本番で「良い子探し」の個別物色相場の展開へ=犬丸正寛の相場展望 なぜか。3月期決算会社の第3四半期(4〜12月)決算発表がピークとなり、そこへ目が集まるからだ。たとえば、注目の新日本製鐵<5401>(東1)は、28日(金)に好決算を発表した。第3四半期は、前年同期比21.7%増収、営業利益は1520億円強(前年同期は赤字316億円強)とすばらしい内容だった。ここまで良かったものの、今3月期通期については増額どころか、下方修正となった。しかも、マーケットで期待されていた年5円程度の配当も年3円配当にとどまった。当然、株価は軟調だ。

 このように、決算発表の傾向としては、図体の大きい主力企業の慎重姿勢が目立つ一方、小型企業の好調という傾向がみられるようだ。この流れに沿った銘柄物色が続くものとみられる。当然、好調な小型企業は大きく値上がりする可能性はある。

 日経平均は来週も高値圏でのモミ合いの展開だろう。来年は米中の2大国が政権交代の年を控え、今年は景気を強くしたい意志が働く。当然、日本株の下支えとして作用する。

 しかし、一方で、日本国債の格下げが行われた。予想されていたこととはいえ、スペインより格下は楽しくない。国の借金がGDPの2倍に達し、解決の手立てを持てない今の日本の政権では低いランクは当然かもしれない。「一気に解散総選挙となるようなら、すっきりする」との見方はある。しかし、支持率1%でも続けるという菅内閣だけに、国会がこじれると日本の景気下ブレリスクが出てくる。しばらくは、良い子探しの個別物色相場の展開だろう。
posted by 犬丸正寛 at 18:59 | 株で見る世の中

2011年01月21日

上昇日柄も4ヶ月超で『目先底を探る動き』=犬丸正寛の相場展望

★銘柄ごとに≪戻り≫をしっかり見極めること

上昇日柄も4ヶ月超で『目先底を探る動き』=犬丸正寛の相場展望 来週(24日〜28日)の相場は、『目先底を探る動き』だろう。日経平均は昨年9月1日の安値8796円から、1月13日の1万620円まで20.7%上昇し、上昇日柄も4ヶ月超に達し、ひとまず目先の天井をつけた感がある。

 この間、外交問題、為替動向を睨みながら、輸出関連銘柄から地方本社の出遅れ銘柄まで幅広く買われた。ひとまず、ご苦労様である。

 さて、調整としては、週足で13週線なら1万円前後、26週線なら9700円が下値のメドとなる。とくに悪材料が予想されるわけではないから13週線まで押せば十分だろう。むしろ、重要なことは、仮に、13週線で下げ止まったとして、その後の戻りが、どの程度になるかがポイントである。

 もしも、戻りが小幅にとどまるようだと、3月年度末へかけての本格調整を頭に入れておく必要がある。

 これから、3月期決算の第3四半期(4〜12月)決算が本格化するため、個別に業績の良い銘柄を物色する相場とみられる。そして、チャートとにらめっこで、銘柄ごとに、戻りをしっかり見極めることだ。とくに、これまで4ヶ月間、出番のなかった売り方(空売り)にとっても、戻り場面で売りを仕掛けるチャンスでもある。
posted by 犬丸正寛 at 17:33 | 株で見る世の中

2011年01月07日

『雪ウサギ』相場に突入!掴みどころのない不確かな展開に=犬丸正寛の相場展望

■引き続き「輸出関連株」が主導

『雪ウサギ』相場に突入!掴みどころのない不確かな展開に=犬丸正寛の相場展望 新しい年を迎え、おめでとうございます。日経平均は昨年9月1日の8796円をボトムに上昇を続けている。7日(金)には1万550円と昨年9月ボトムから19.9%の上昇。一方、TOPIXは9月2日のボトム799ポイントから7日の928ポイントまで16.1%の上昇。引き続き「輸出関連株」が主導の形だ。

 とくに、相場は年明けからの動きに元気がよい。
(1)NY高
(2)危惧されていた円高が進まなかった
(3)日米間の修復が進んでいる
(4)1月末予定の国会まで政局が空白
(5)新春相場期待、とくに、ウサギ年ということで「跳ねる」期待が強い
などが株高の背景となっているものとみられる。

■NY高の波及は大きい

 なかでも、NY高の波及は大きい。アメリカの中間選挙の翌年は景気と株は強いという過去の教えとおりの展開。一時、日本の民主党政権誕生直後は、冷えていた日米関係が領海問題、北朝鮮の軍事脅威などがあって、関係が修復されている。関係が悪化していた時は、NYダウに対し、割り負けに置かれていた日経平均。政府間の関係修復なら、当然、マーケットも割り負け修復となる。現実にそうした動きとなっている。

 「NN倍率」(日経平均÷NYダウ)の「1倍」は見込んでよいはず。今、NYダウは1万1697ドルだから、日経平均の1万1000円台は見込める理屈である。

■相場は強いが掴みどころのない不確かな展開

 ただ、松の内(7〜15日)あたりを過ぎてくると、「おめでたさ」も終わり、現実のことに目が向き始める。日米とも国会が始まる。とくに、日本は内閣改造が行われる見通し。しかし、参議院議長(民主党)が首相、官房長官に対し、「国を担う資格なし」と、月刊誌で批判するなど、党内の足並みの乱れが気になる。果たして、内閣改造で乗り切れるのか。政治がガタつくと、尖閣のような問題が出てくる心配がある。為替もどちらに動くか難しい。しかも、NYダウは、これから大きなフシどころの1万2000ドルに差し掛かる。

 卯年は跳ねる。一方で、ウサギには優しさの印象もある。寅のように強い印象ではない。白い雪原の「雪ウサギ」も思い浮かぶ。可愛くて、優しいものの、雪の風景に溶け込んで掴みどころが無いともいえる。まさに、今の相場が強いのに、自信が持てないのと似ている。「雪ウサギ」相場なのかもしれない。昨年9月安値から4ヶ月。さらに、「節分天井」も近づいてくる。雪ウサギを追いかけ過ぎて、雪に埋もれて遭難しないようにしたいものである。
posted by 犬丸正寛 at 18:03 | 株で見る世の中

2011年01月06日

個人の株回帰が鮮明!「卯年相場」らしく年初から跳ねる相場に期待=犬丸正寛

■マネックスの12月は現物株注文2ケタ増、FX取引28%減少

個人の株回帰が鮮明!「卯年相場」らしく年初から跳ねる相場に期待=犬丸正寛 ネット証券大手のマネックスグループ<8698>(東1)が、6日(木)発表した12月の売買状況によると「個人投資家の株式回帰」の動きが鮮明となっている。同社の2010年12月の単月の「株式」注文件数(現物・信用合計)は、11月に比べて7.2%増加。とくに、現物注文が10.6%増と、信用取引の伸び1.0%増を大きく上回った。さらに、注文件数の内、取引成立の約定件数では現物・信用合計で11月比8.2%増の6万7878件と昨年5月(8万2837件)に次ぐ件数となって、昨年1年間を通して2番目となった。

 一方、「投信」の約定件数は横ばいの6449件(11月6447件)、「FX」(外国為替証拠金取引)の取引金額は11月に比べ28.8%減少した。12月の営業日数は11月に比べ1日多かったことを差し引いても、12月は「株回帰」が顕著だったといえる。

 師走相場特有の動きと指摘する向きもある。ただ、モチつき相場といわれる師走相場としては、本来、中心となる信用取引ではなく現物取引の多かったことは注目される。「相場の基調が強い」と判断されている。

 12月は日経平均が、月初の9939円から月末には1万228円(高値は1万394円)となるなど、1ヶ月を通して強いことがあった。11年相場も年初1万352円で始まった日経平均は6日(木)には1万518円と続伸している。また、一気に1ドル・70円台へ行くのではと心配された円高も今のところ落ち着いている。まもなく、内閣改造も行われる見通しで、今度こそ力強い内閣が期待できるかもしれない。企業業績も今のところ堅調。どうやら、個人投資家にとっては、「卯年相場」らしく、年初から跳ねる相場が期待できそうだ。
posted by 犬丸正寛 at 16:03 | 株で見る世の中

2011年01月03日

シニアアナリストの水田雅展氏に2011年の相場を聞く=犬丸正寛

【2011年の相場は新興国から先進国へ】

■解散総選挙あれば日経平均1万5000円も期待、内需株一斉見直し

水田雅展――今年は、「ウサギ年」です。どのような相場イメージをお持ちですか。

 【水田氏】 「ウサギ」ということで、みなさんは、跳ねるという印象だろうと思います。私は、ことしは、ウサギでなく、「カメ型」のジリ高相場ではないかと思っています。

――年初のスタートもゆっくりですか。

 【水田氏】 そうですね。足元の円高が、やはり気になります。1ドル・80円台で止まるようなら、相場への影響は、さほど大きくないと思います。しかし、仮に、70円台半ばまで円高が進むようなら日経平均の9000円近くも予想されます。いずれにしても、1〜3月は円相場の動向を見極める動きだろうと思います。様子見ということでカメ型のおとなしいスタートということです。

――きっかけになる材料としては、どのようなことを予想されますか。

 【水田氏】 海外ではアメリカの景気がどのていど上向いてくるか。国内では解散総選挙があるかどうか。この2つに強い関心を持っています。

――アメリカ景気に期待できますか。

 【水田氏】 私は期待しています。指摘されているとおり、中間選挙後の翌年のアメリカ景気はかなり良くなると思います。景気刺激策を打ってきたことの効果はあるとみています。次の本選挙に向けても、とくに失業対策など景気対策に力が入ると思います。

――アメリカ景気の回復によって、何が起きますか。

 【水田氏】 昨年までの新興国に変わって、「先進国」がクローズアップされると思います。とくに、今年、新興国と先進国を見る場合、「変化率」の物差しで見ることが大切です。新興国は、これからも伸びることは期待できます。しかし、伸び率が、たとえば、これまでの10%だったものが5〜6%へ鈍化する。一方、先進国は、これまで1〜2%の伸び率だったものが4〜5%になってくるという変化の違いです。そうなると、新興国に流れていた世界の資金は先進国へ戻ることが予想されます。したがって、日本の輸出関連株を見る場合、これまでの新興国関連より、北米関連に妙味が強まると思います。

――日本の政局は揺れています。衆議院の解散壮挙はありますか。

 【水田氏】 分かりません。しかし、今の民主党政権は支持率低下など、ほころびが目立ちます。バラマキと増税がセットということでは国民は納得しないと思います。(解散の)可能性ということで言えば、あり得るでしょう。もちろん、解散があれば相場にはプラスです。その場合は日経平均1万5000円も考えられます。

■北米輸出関連に妙味

――注目されている銘柄は。

 【水田氏】 キーワードで言えば、「グローバル企業」、「北米」「資源」、「エネルギー」、「ネット」などだろうと思います。グローバルで展開する資源、エネルギー関連で三菱商事<8058>(東1)双日<2768>(東1)などの商社株は注目できます。北米関連ではDIC<4631>(東1)に注目できるでしょう。仮に、解散総選挙があれば、国内活性化という観点で内需株が一斉に見直されると思います。とくにネット関連は注目でしょう。

――ありがとうございました。(聞き手=犬丸正寛)
posted by 犬丸正寛 at 11:26 | 株で見る世の中

2011年01月01日

株式評論家・海老原紀雄氏に2011年の相場を聞く=犬丸正寛

【米国金利動向が最大の注目材料』】

■米金利上昇なら資金の流れが新興国資源から株へ流れる

株式評論家・海老原紀雄氏に2011年相場を聞く=犬丸正寛――ズバリ、2011年の日経平均は。

 【海老原氏】 下値9000円、上値1万2000円とみています。雰囲気としては、4月に高値をつけ、9月に安値をつけた2010年と大きくは違わないと感じています。

――注意する動きは、どのようなことでしょうか。

 【海老原氏】 1にも、2にもアメリカの経済、とくに、「アメリカの金利」からは、ひと時も目が離せません。アメリカの金利次第で相場はがらりと変わる可能性があります。今年は2010年と雰囲気は、大きくは違わないと言いましたが、それは、アメリカの金利が大きく変化しないという前提です。

――なぜ、アメリカの金利ですか。

 【海老原氏】 アメリカの資金供給量は50兆円とたいへんな規模です。日本の5兆円も小さいわけではありません。しかし、デフレが進行している日本では、砂に水が吸いとられるごとく、インフレを引き起こすほどの効果はないでしょう。この点、アメリカについては、インフレの芽を含んでいると思います。とくに、クリスマス商戦が予想以上に好調で高級品も売れているようです。さらに、どこかの時点で、住宅と雇用に明るさがみられるようになると、アメリカの金利は一気に反転上昇となるでしょう。アメリカの金利が上昇に転じれば、2010年に起きたことと、まったく逆のことが予想されます。

――アメリカの余剰資金と低金利によって、新興国に向かっていた資金の流れが変わるということですか。

 【海老原氏】 そうです。世界の資金が金利の高い新興国の国債等、さらに、資源に向かいました。その結果、海外債券等を組み入れた毎月分配型の投信が日本の投資家に人気でした。もう一方で原油、金、トウモロコシなどが値上がりしました。しかし、アメリカの金利が上昇となれば、この両方(高金利商品と資源)が頭を打ってしまいます。前提が変わってくるのですから当然です。その結果、今度は、資金が株へ回るはずです。同時に、アメリカの金利上昇はドル高・円安要因ですから、日本株にはプラスに働くでしょう。アメリカの金利が、いつから上がり始めるかを、見逃してはいけません。必ず、毎日、チエェクして変化を嗅ぎ取ることです。早く、変化をつかんだ人が2011年相場では成果を挙げることができるでしょう。

――ヨーロッパの問題はいかがでしょう。

 【海老原氏】 ヨーロッパの財政危機は、既に、かなり織り込んでいると思います。ただ、3,4月にスペインの返済問題がありますので、一時的には影響を受けることは予想されます。

――どのような銘柄等に注目されていますか。

 【海老原氏】 REIT(不動産投信)に注目しています。とくに、利回りは4%以上です。毎月分配型の投信と同じような感覚で注目することができると思います。資源関連では、「金」、「原油」は、かなりの水準に来ていると思います。変わって、出遅れている「穀物」関連で、肥料、飼料関連の銘柄に注目しています。スマートグリッド(次世代送電網)関連で富士電機ホールディングス<6504>(東1)は有望と思います。

――ありがとうございました。(聞き手=犬丸正寛)
posted by 犬丸正寛 at 11:47 | 株で見る世の中

2010年12月24日

2011年は『卯年』で跳ねても翌年『辰巳天井』控える=犬丸正寛の相場展望

■深追いできぬ!前半勝負で後半手仕舞いも

2011年は『卯年』で跳ねても翌年『辰巳天井』控える=犬丸正寛の相場展望 2011年のエトは「卯」年。当然、ピョンと跳ねることが期待され予想される。

 しかし、注意すべきは、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・羊・申・酉・戌・亥の4番目で、その次に待ち構えているのが、2012〜13年に到来する、『辰巳天井』だ。相場に手を染めるものなら、誰でも無条件に嫌がる。しかも、08年10月のリーマンショックでつけた日経平均の安値6994円から、来年10月で丸3年の『大回り3年』に当っている。ピョンと跳ねたからといって、深追いは出来ない。

 跳ねる可能性がある理由のひとつは、ミクロの企業業績好調がある。これまでの、中国等の輸出好調でかなり稼ぐことができた企業は体力をつけている。この企業業績の好調に、もし、政権交代があって、連立にせよ産業政策優先の政権となれば、マクロ面のプラス人気も加わって跳ねる可能性は強いといえる。

 ただ、仮にそうなったとしても日本を取り巻く環境が劇的に変わるわけではない。少子高齢化は、さらに進み、人口自体の減少がいよいよ鮮明となってくる。企業は体力をつけたとはいえ、従業員を採用することには依然、消極的だ。国内マーケットが縮小に向かう中では簡単には人は増やせない。加えて、インフレ懸念から高成長の中国が金融引き締めに動き経済成長のブレーキペタルを踏み込もうとしている。EUの財政問題も、ますます深刻の度を強めている。結果、日本の失業問題は悪化することはあっても改善される見込みは期待できない。たとえば、道州制の採用といった、思い切った日本列島の再構築を図る政策でもない限り国内活性化は難しい。もはや、東京発の全国均一化のモデルは通用しない。

 もちろん、領土問題は表面的にはおとなしくなっても、根本的にはなんら解決されていない。むしろ、いつ火を噴くかわからない怖さを秘めている。国際緊張は日本売りの可能性もあり、為替(円相場)も、どちらへ動くか予測がつかない。

 かくして、2011年・卯年は、ピョンと跳ねることは期待できても、「上ヒゲ」足のチャートとなる可能性が強い。大胆に予測すれば、年前半に「ピヨン」と跳ねて、後半はダレルのではないか。前半は跳ねる相場について、後半は「辰巳天井」に備えて手仕舞うのがよいのではないか。(今年の週間展望は今回で終わります)
posted by 犬丸正寛 at 19:02 | 株で見る世の中

2010年12月17日

カナダの不動産投資『ランドバンキング』=犬丸正寛の見聞記

■TSIインターナショナル・グループのセミナー

カナダの不動産投資『ランドバンキング』=犬丸正寛の見聞記 このほど、都内で開催された『ランドバンキング』のセミナーに出席した。夕方6時半、東京国際フォーラムのセミナールームは定員いっぱいの50人。開催したのは、カナダ・トロントに本社を置く、TSIグループ・オブ・カンパニーの日本法人「TSIインターナショナル・グループ」(スティーブン・ハギンズ社長)。ハギンズ社長はフットボールのMVPに輝いた実績を持ち、在日のカナダ人の中でも存在感を増している。日本に来て11年、香港勤務も入れるとアジアでの生活は17年という。ハギンズ社長は、「今年は当社にとって成長した良い年でした。資本金はまもなく1億円弱(現在5000万円)にします。年明け1月にはオフィスも移します。2011年は、さらによい飛躍の年にします」と、よく通る声で挨拶。カナダ、アジア、そして日本中を飛び回る忙しさで、挨拶が終わると次のミーティングへ。『ランドバンキング』の説明は藤本直孝バイスプレジデント(写真)にバトンタッチした。

『ランドバンキング』の説明は藤本直孝バイスプレジデント(写真)にバトンタッチした。

 『ランドバンキング』は、耳慣れない言葉。しかし、仕組みはいたって簡単。未開発の田畑、山林などの大規模な土地を手当てして、開発認可を得たうえで住宅地として売却し値上がり益を得る。かつて、日本でも電鉄会社が土地を手当てし、住宅地として開発したのと似ている。しかし、土地さえあればよいということではない。人里遠く離れた開発の目処のないところでは意味がない。あくまで、住宅地等の開発が見込める場所でなくてはいけない。残念ながら、既に、日本では開発され尽くされた感がある。

 日本に比べ、国土が広く、経済成長の目覚しいカナダ、とくにトロント周辺では住宅地等都市開発が活発という。このトロント周辺を地盤に同社の『ランドバンキグ』が注目を浴びているということだ。

 バイスプレジデント藤本直孝氏のあらまし説明に耳を傾けてみよう。「カナダは天然資源に恵まれています。原油確認埋蔵量は1800億バレルと、サウジに次いで世界2位。オイルサンドが中心です。LNGの生産量は3位で輸出量は2位、ウランは世界でトップクラスです。金、ニッケル、アルミも多く、最近注目されているレアアースも開発されています。カナダの人口3300万人に対し、資源量は国内で消化し切れないため資源の輸出余力が高いのが特徴です。10年前は対米ドルに対しカナダドルは30〜40%低い水準でした。最近は資源高にも支えられ対米ドルでほぼ1対1の水準です」。
つまり、われわれには、カナダと聞けば観光としてのイメージが先に来る。しかし、観光だけでなく、経済力面から有力な投資先対象ということだ。

 さらに、藤本氏は強調する。「金融面での健全性は国家財政、民間金融機関とも世界でもトップクラスです。ただ、カナダでも出生率は低く、同時に高齢化も進んでいます。このため、アジアを中心に毎年20〜30万人の移民を受け入れています。もちろん、誰でも受け入れるのではなく、若く、あるていど経済力があり、起業家、投資家、エンジニアなどカナダ経済に貢献が期待できる方々が中心です。こうした条件をクリアした移民の方々が移民して10年以内に住宅を購入する傾向が見られます。ここにも、当社グループのランドバンキグビジネスのチャンスが生まれているのです」。

 100〜200エーカー程度の規模で土地を手当てして、その後、デベロッパー(不動産開発会社)に売却する。手当てした土地は細分化して投資家に販売する。投資家はカナダ政府に土地所有者として登記される。手当てしてから販売まで同社の場合、ほぼ5年が目安。2〜3倍の値上がりを見込む。同社自身が造成したり、住宅を建てたりといったデベロッパーの業務は手がけない。あくまで、未開発土地を手当てして、デベロッパーへ売却することが目的。

 ならば、デベロッパー自体がランドバンキングをやればよさそうなもの。実はそれが難しいところに同社の強みがある。地域住民、地元自治体に精通していないと難しい。反対の地主があっては開発に遅れが生じる。あるいは、開発の目処のない場所を買っても意味がない。

 見込み通り、開発認可が下り、2、3倍に値上がりしたら投資家に売却の賛否を取る。51%の賛成があれば、その時点でデベロッパーへ売却し、持分に応じて投資家に売却金が分配される。
もちろん、リスクは絶対にないとは言えない。売却まで5年程度と期間が長いため、リーマンショックのような経済変動が起きないともいえない。ただ、同社が土地を担保に銀行等から借り入れを発生させて土地購入をやっていないことによる強さはある。あくまで、投資家の直接金融を中心としている安心感はある。そのかわり、投資家は途中での売却はできない。

 セミナーを聞きながら、日本での、かつての土地神話を思い出した。とくに、昭和40年代初めころは、土地投資がもっとも有利だった。その後、土地バブル崩壊に見舞われた。こうした流れに照らし合わせてみると、今のカナダは、日本の昭和40年代当時と似て、登り坂ではないかと思った。
posted by 犬丸正寛 at 18:59 | 株で見る世の中

2010年の相場を主な指数を通して振り返る=犬丸正寛の相場展望

2010年の相場を主な指数を通して振り返る=犬丸正寛の相場展望 まもなく、2010年の相場が引けようとしている。主な指数を通して1年を振り返ってみた。

 まず、日経平均は09年12月30日の大納会1万0546円に対し、今日、2010年12月17日(金)は1万0303円。昨年末に比べ243円、率で2.3%の下落。同様の比較でTOPIX0.4%下げ、大型指数0.9%下げ、小型指数は3.0%の上昇だった。

 指数は大きな動きはなかったものの、東証1・2部中で値上率上位にはフルキャストホールディングス<4848>の295.8%、自動車部品工業<7233>=277.7%、富士機工<7260>=214.0%上昇など活躍した銘柄が目立った。とくに、自動車関連銘柄に活躍銘柄が多かったという印象だ。

 一方、日経平均を「年足チャート」に置き換えてみると、「始値1万0609円」、「高値1万1408円」(4月)、「安値8796円」(9月)、「終値」を現在の1万0303円とすれば、小幅陰線で、やや上ヒゲと下ヒゲの長い「トンボ足」となる。形からは、強弱感の分かれた気迷い相場の2010年だったといえる。

 さらに、過去にさかのぼって、日経平均の「年初と年末」の開きをチエックすると、1995年に144円がある。今年の幅243円は、15年ぶりの小さいものということになる。気になるのは、1995年に小幅の動きとなった後の1996年、97年、98年と大きく下げていることだ。

 2010年も小幅な動き、つまり、動きが煮詰っているだけに。2011年相場は気になる。もちろん、上に放れる可能性もあるわけだが。ただ、民主党政権の行方、尖閣諸島・竹島・北方4島などの領土問題の行方、沖縄普天間基地の行方、若年層の失業問題の行方、少子高齢化に伴う内需不足の問題の行方、膨れ上がる国の借金の行方。

 目を外に転じてもヨーロッパの財政不安の行方、支持率低下のオバマ政権政策の行方、中国の景気の行方、朝鮮半島問題の行方など、大きい問題ばかりだ。東西冷戦後の世界が豊かになった反面、統治の難しさが表面化して、歴史の転換点にきていることがあるようだ。

 こうしてみると、2011年の相場は「薄い氷」の上を歩くに近い状況と思われる。「マクロ」の懸念材料を頭においたうえでの個別銘柄投資が大切な年となりそうだ。
posted by 犬丸正寛 at 18:07 | 株で見る世の中

2010年12月10日

『休むも相場』政局波乱に備えてじっくり来年の作戦練る=犬丸正寛の相場展望

『休むも相場』政局波乱に備えてじっくり来年の作戦練る=犬丸正寛の相場展望 年内相場は営業日であと13日間となった。来週(13〜17日)は、全般小動きの中で、『後片付け相場』だろう。

 外交問題、為替問題などは一応の落ち着きとなっている。しかし、今度は国内の政局が波乱含みだ。稼ぐための「産業政策」より、「使うことを優先」の今の民主党政権政策に国民は先行き不安を抱いている。とくに、今回、外交・軍事問題が重なったことにより、その危惧は強いものとなっている。支持率のいっそうの低下は避けられないだろう。菅総理は支持率1%になっても政権を守るという。そういう極論がかえって不人気に輪をかけることになってしまう。ほんとうに1%となっても「有言実効」が可能なのかどうか。

 民主党内に隙間風が吹き始めていることはわれわれ政治の素人にだって感じられる。「内紛会社の株は買えない」のと同じように、「日本株式会社の取締役会」がごたついていては日本の明日に期待は持てない。若い人の雇用状況はいっこうに改善されない。昔なら学生運動が巻き起こっているところではないか。

 野党、自民党には政権奪還のまたとないチャンスだろう。ここで、攻めきれないようなら政権返り咲きは永久に来ないかもしれない。かくして、年明けには政局波乱が待ち構えている可能性が非常に強い。このため、「株を枕に越年」ということにはならないだろう。

 来週は出遅れ銘柄の個別物色の一方で、持株の整理をする、「後片付け」の動きだろう。出来高は恐らく閑散が予想される。年末ギリギリまで頑張り過ぎることはない。いまこそ、『休むも相場』の教えで、ゆっくりと来年の作戦を練りたい。
posted by 犬丸正寛 at 17:17 | 株で見る世の中

2010年12月03日

神戸製鋼所の北米での自動車用ハイテンの展開=犬丸正寛の見聞記

■軽くて強い自動車用鋼板。米自動車メーカー採用の効果絶大

神戸製鋼所の北米での自動車用ハイテンの展開=犬丸正寛の見聞記 GM(ゼネラル・モーターズ)の再上場で元気の出てきたアメリカの自動車産業。絶好ともいえるタイミングで神戸製鋼所<5406>(東1)が、自動車用の高級鋼板を引っさげて、北米事業をさらに強化する。2日、東京の鉄鋼会館で開かれた、「北米における自動車用鋼板事業の新プロジェクト」発表の会見に出てきた。

 山口育廣副社長の概要説明は次のとおりだ。「北米における自動車用冷延ハイテンの需要増に対応するため、米国USS社との合弁拠点プロテックコーテーティング社に、自動車用冷延ハイテンの連続焼鈍設備を約4億米ドルを投じて2011年初頭に建設着工する。2013年初頭に稼動の予定。年間約50万ショートトンの能力」という。

 難しい専門用語が続く。「ショートトン」は、重さの単位トン(t)。日本の1tに対し、アメリカでは0.9tと、やや、小さい(ショート)。「ハイテン」とは、高張力鋼板のことで、1ミリ平方メートルの鋼板を引っ張った場合、どれだけの力に耐えることができるか。通常、使われている鋼板は、「引っ張る力が20〜30キログラムで切れる。これに対し、ハイテンは60キロと通常の2倍から3倍の強さがある。さらに、引っ張り強度150キロのハイテンも開発済み」(広報室)ということだ。

 価格については、未公表ながら、当然、普通鋼板に比べれば高いはず。強度比較並みの2、3倍ですかと聞くと、「そこまでは。でも、高いことは間違い」とのことだ。

 なぜ、自動車用に普通の鋼板に代わろうとしているのか。アメリカの自動車には、「CO2削減」と、「安全対策面」の2つのニーズが求められている。車を軽くすれば、CO2削減には貢献する。しかし、強度を増すために鉄の板を厚くすれば、車重が増えて、CO2削減に逆行する。悩ましい、2つのニーズを解決できるのが、「軽くて強いハイテン」というわけだ。この、ハイテン技術では神戸製鋼が世界的で、USSも認めて今回の締結となった。

 ただ、ハイテンの鋼板はUSSが、合弁会社のプロテック社(オハイオ州)へ供給する。材料供給面での神戸製鋼のメリットはない。プロテック社は1990年の設立で、溶融メッキ鋼板を中心に生産し、利益も出ているという。今後、アメリカの自動車メーカー向けにハイテンの売上が増えれば、合弁会社からの配当金が見込まれる。
 さらに、もっと大きい効果として、会見の中で感じたことがある。自動車の本場アメリカで冷延ハイテンがビッグ3などに採用されることで、ヨーロッパ、アジア、とくに日本の自動車メーカーで、「それならば」と、採用が見込まれるという狙いが込められている思われることだ。
posted by 犬丸正寛 at 18:35 | 株で見る世の中

『テーマなき個別買い相場』中心の展開へ=犬丸正寛の相場展望

■テーマ性なく「好業績と好チャート」が前面に

『テーマなき個別買い相場』中心の展開へ=犬丸正寛の相場展望 来週(6〜10日)の相場は、『テーマなき個別買い相場』中心の展開が続くだろう。

 師走相場ということでは、例年とおりの回転の速い相場展開。しかし、08年暮れ→09年1月、09年暮れ→10年1月と根本的に違うのは「テーマ性」がないことだ。08年はGSユアサ、シャープなど環境エネルギー関連、09年はスマートグリッド関連が活気のある動きをみせていた。

 今年は、「これといったテーマ銘柄は浮上していない。テーマは政権政策との関連が非常に深い。今は、年明けの政局がどうなるか分からない不安定さがある。ダム建設ひとつ見ても、やる、やらないとくるくる変わっている。とても、テーマを発掘できる雰囲気ではない」(中堅証券)ということだ。

 幸い、NY株の強い動きに支えられている。しかも、日米関係信頼回復を契機に、アメリカ等の外国人投資家の日本株買いも戻っている。需給面ではしばらく強い動きが予想される。

 日経平均の動きは、昨年11月安値9076円から、今年1月14日の1万909円まで上昇した形と似ている。今年も11月2日の9123円が直近の安値。前回と同じ上昇率20.1%を当てはめると、来年1月上中旬に1万956円の目標となる。そのていどを目安にしておけば、大きな差はないだろう。

 これから、いよいよ、ペッタン、ペッタンと年末特有のモチつき相場が佳境を迎える。テーマ性がない分、「好業績と好チャート」が前面に出た物色と予想される。
posted by 犬丸正寛 at 17:11 | 株で見る世の中

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