相場格言

2011年10月21日

『波乱の中で下値を固める展開』を予想=犬丸正寛の相場展望

★「EU首脳会議」と「タイ洪水」の影響が懸念材料

『波乱の中で下値を固める展開』を予想=犬丸正寛の相場展望 来週(24〜28日)は、『波乱の中で下値を固める展開』が予想される。波乱となる懸念材料は、
(1)23日のEU首脳会議での金融不安の行方
(2)「タイ洪水」の業績への影響、の2つ・・・だろう。

 EUの首脳会議の行方は待つよりほかはない。ただ、テレビで伝えられるギリシャの反政府デモを観ていると、容易でない印象を受ける。当面の資金繰りは手当てできたとしても、根本的に儲かる国家にできるのだろうか、借金国家から脱皮できるのだろうかと。既に、能力のある人はカナダなどへの移民が増えているという。

 EU諸国が長期にわたって助けることができるのかどうか。さらに、ギリシャ以外にもギリシャと似た国に同じようなことが起こる心配はないのか。『歌を忘れたカナリアは裏のお山に捨てましょう』のように、『稼ぐことを忘れた国家』も捨てられるのではないだろうか。EUがメンツにこだわっていると、全員がダメになる心配がある。もちろん、日本も呑気に構えていることは出来ないが。

 一方、「タイ洪水」の影響は全体として、どの程度の金額となるのか、全く分からない。工業品だけでなく、「海老」(エビ)などの輸入にも影響が予想されるのではないか。反面、タイの河川などの治水工事も見込めるのではないだろうか。いずれにしても、日本からの進出企業は多いだけに影響が出ることは避けられないだろう。とくに、9月期の決算発表が控えているだけに心配である。

 ただ、こうした波乱はあるものの、4月以降、大商いを演じる形で、買いついてはいないだけに売物は少ない。10月になって、東証1部出来高が20億株を超えた日は僅か2日間しかないことにも現れているように売物は枯れている。

 昔から、『閑散に売りなし』と教えている。まとまった売物がないのだから、下げる場面はあっても瞬間安で終る可能性もあるわけだ。波乱含みの中にも下値に対する強さをうかがわせる相場とみられる。引き続き、復興関連銘柄の押し目に注目するのがよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 18:55 | 株で見る世の中

2011年10月19日

【今日の出来事&マーケット】ソフトバンクとドラゴンズ優勝は地方時代を象徴?=犬丸正寛

■東京発の全国均一型を狙ったビジネスモデルは影が薄い

【今日の出来事&マーケット】ソフトバンクとドラゴンズ優勝は地方時代を象徴?=犬丸正寛 プロ野球で、パ・リーグの「ソフトバンク」に続いて、セ・リーグは「中日ドラゴンズ」が18日(火)にシーズンリーグの優勝を決めた。マーケットではソフトバンク<9984>(東1)株が直近安値2112円(9月27日)から21%強上昇し堅調。19日(水)には、中日の優勝が刺激になったとも思われることから、JR東海<9022>(東1)名古屋鉄道<9048>(東1)愛知銀行<8527>(東1)などの名古屋銘柄の一角が堅調となっている。

 セ・パ両リーグとも年間試合数は144試合。直近での勝率ではソフトバンク6割6分2厘、中日は5割6分1厘と違いはあるものの、両チームとも本拠地が東京ではないという共通項がある。言うまでもなく、ソフトバンクは福岡県福岡市、中日は愛知県名古屋市が本拠地。関東の常勝チームの巨人と西武は、それぞれセ・パで3位に沈んだ。

 こうした動きには、いくつかのヒントが含まれているように思われる。とくに、圧倒的な強さを誇ってきた巨人、西武のチーム不振が今年だけではない。ここ数年冴えない。実際、巨人の本拠地球場東京ドーム<9681>(東1)の株価は安値圏に沈んだまま。西武にいたっては母体の西武鉄道は何年か前に上場廃止に追い込まれている。最近は、スポーツニュース以外で、テレビにプロ野球が登場することはほとんどなくなった。むしろ、日本サッカーやアメリカ大リーグの放映が目につく。最近は、巨人のマークのついた帽子をかぶっている子供たちを見ることも少なくなった。

 かつての、「巨人―大鵬―卵焼き」の定番は消えてしまったようだ。今や、プロスポーツを目指す若い人は地方のチームに入団するケースが目立ち、腕に自信があればアメリカへ渡る。野球以外にサッカーを選ぶ人も増えている。こんな具合だから、産業界でも東京発の全国均一型を狙ったビジネスモデルは影が薄くなっている。

 とくに、ビジネス界では情報の発達で東京と地方の格差が縮まり、固定費負担の大きい東京に居る必要もなくなってきている。実際、投資の世界では、証券取引所の「適時情報閲覧サービス」によって、全国どこにいても平等に情報が入手できる。

 今後、こうした傾向は、まだ、しばらくは強まりそうだ。

(1)グローバル化の進展で企業、投資家の目が外に向く。これまで、東京は日本において絶対的存在だったが、これからは世界の中の1つの都市としての位置づけとなる

(2)日本は農業等も含め日本再生のためには、「道州制」の導入など地方活性化が求められ、地方の時代が来る

(3)「デジタル情報」より、「人を介したアナログ情報」が見直されるには、まだしばらく時間がかかる。社会全体が短期での成果を求める風潮が強くなっているからだ。行き着くところまで行かないと中長期的な発想は難しい・・・ことなどがあるだろう。

 とくに、現在の株式マーケットでは、「モグラたたき」のごとく、短期売買、それも超短期売買が中心となっている。この背景には、名門企業のJALの破綻や東京電力<9501>(東1)株の暴落などで長期投資に対する不安があることも事実。しかも、さらに来年には、現在の処理時間0.002秒を上回る超高速の売買システムが取引所に構築されるという。まさに「速いもの勝ち」の時代がいっそう強まる。

 ただ、思い出されることがある。かつて、「大きいことは良いこと」として、量や規模の拡大を追及した。その結果、1980年代後半の「バブル経済」を作り出し、そして、その崩壊に苦しんだ苦い経験がある。今度もまた、「速い」ことに対する天井がどこかで来るのかもしれない。その反動と反省が来るまでは、世の中に「ゆっくり」主義のリズムが生まれるのは無理なのかもしれない。
posted by 犬丸正寛 at 16:18 | 株で見る世の中

2011年10月18日

【今日の出来事&マーケット】オリンパス株急落の意味するものは何か?=犬丸正寛

■「代表取締役の解雇等決議」が嵐を巻き起こす!

【今日の出来事&マーケット】オリンパス株急落の意味するものは何か?=犬丸正寛 オリンパス<7733>(東1)が、14日(金)9時30分に発表した「代表取締役の解雇等決議」がマーケットに嵐を巻き起こしている。14日(金)のオリンパス株は450円安、17日(月)も500円安と暴落、さらに、この日(18日)も274円安の1281円と、2009年2月の安値1210円以来の水準まで下げた。10月13日(木)には直近高値2526円をつけていたから、わずか3営業日で49.2%の大幅下げ。

 オリンパス株に冷水を浴びせられた形となって、18日の日経平均は152円安と急反落した。とくに、マーケットでは、オリンパス社長の「解雇」という2文字に強く反応している。社長を解任されたのは、マイケル・シー・ウッドフォード氏。同氏は2005年にオリンパス・メディカル・システムの社長を務め、今年5月に同社社長に就いていた。同社の発表資料によると、「マイケル・シー・ウッドフォード氏と他の経営陣の間にて、経営の方向性・手法に関して大きな乖離が生じ、経営の意志決定に支障をきたす状況になった」ということだ。

 「外国人経営者をトップに据えれば、当然、考え方の違いは予想されていたはず。それを解任するということだから東日本大震災並みの想定外のことが起きたのだろう。多額の使途不明金で問題となっている大王製紙とは次元の違うもの」との見方も。もちろん、想定外のことが何かは、分からないが。

 最近、外国との問題ではスズキ<7269>(東1)もフォルクスワーゲンとの間で提携に関する違反の有無をめぐってモメている。スズキの株価は3月の震災時安値を大きく下回り、9月12日に年初来安値1468円をつけ不振。ライバルのダイハツ工業<7262>(東1)が上場来高値となっているのとは対照的だ。

 グローバル化時代の進展とともに外国企業との間で、今後、こうした提携問題、国際訴訟問題、進出先での雇用問題、さらには今回のタイ洪水など、トラブル、リスク表面化が予想される。しかも、その場合、意外に株価への影響が大きいという悩ましさがある。

■リスクとリターンを見極める目がますます大切

 もちろん、リスクを恐れていては外には出てはいけない。狭い日本では食べていけない。ゴーン日産自動車<7201>(東1)のように外国人経営者で業績を向上させ、株価堅調というところもある。国際訴訟関連のビジネスで業績を飛躍させているUBIC<2158>(東マ)も存在感を高めている。

 ただ、これまで、どちらかといえば、グローバル展開についてはマーケットにおいての評価は良い点ばかりが目立ってきたことは事実。これからは、良いことばかりでなく、マイナス面も表面化することを、今回のオリンパス株価急落、ギリシャの金融不安、そして、これから業績への悪影響が予想されるタイの洪水などの出来事はマーケットに対し注意信号を点滅させていると見るべきだろう。

 個人投資家にとっては、グローバル化は企業にまかせておけばよいという考えだけでは通用しなくなった。とくに、これまでは国内中心に見ておけばよかった社会、経済について世界によりいっそう目を向けなくてはいけない時代。かつては、『遠くて知らないものには手を出すな』という教えを守っていればよかった。しかし、それでは、日本企業も投資家も成果を挙げることは難しくなっている。積極的に外に目を向け、学び、リスクとリターンを見極める目がますます大切となっている。
posted by 犬丸正寛 at 18:12 | 株で見る世の中

2011年10月14日

『本格相場への道を探る』展開へ=犬丸正寛の相場展望

★NYダウ75日線上抜きの有無がポイント

『本格相場への道を探る』展開へ=犬丸正寛の相場展望 来週(17〜21日)は、『本格相場への道を探る展開』だろう。日経平均は10月5日の8343円をボトムに13日の8854円まで6.1%上昇、短期的な底は入っているとみられる。

 とくに、短期的な相場強弱の目安とされる30日線を去る11日に上回って、直近14日まで4営業日30日線の上で推移している。上値を指向しているとみてよい。

 ただ、本格的上昇の尺度とされる「75日線」は上抜いていない。とくに、当面はNYダウが、75日線を抜くことができるかどうかがポイント。去る、12日にNYダウが1万1625ドルと急伸したときも75日線に頭を押えられた。13日時点のNYダウは終値で1万1478ドルと75日線の1万1607ドルには届いていない。日本時間の今夜(14日)がどうなるか、さらに来週の動きがどうなるか最大の見所といえる。もちろん、上抜けばNYダウは1万2000ドル台へ向けて本格上昇が予想される。

 一方、日経平均の75日線は9200円程度とかなり上にある。日本の場合は、まだ本格相場を語る段階にはない。ただ、NYダウが75日線を抜いて来るようなら、日経平均も先行き9000円乗せから75日線を目指すものとみられる。

 アメリカにとって、タイの洪水被害はほとんど影響ないだろう。やはり、アメリカにとって気になるのはヨーロッパの金融不安であり中国経済の減速感だろう。1度は否決したスロバキアは2度目でヨーロッパの金融機能強化に賛成した。ユーロ参加17カ国の足並みが揃った。安心はできないものの、当面の危機は乗り越えたのではないだろうか。この意味ではNYダウに期待できるのだが。

 日本は20日から臨時国会が召集される見通し。第3次補正予算が成立すれば復興が本格的に動き出す。ただ、日本からの進出企業が多いタイの洪水被害の影響は小さくはなさそうだ。とくに、これから9月期本決算・第2四半期決算の発表が始まるだけに気がかりな点である。

 このため、日経平均が75日線を上抜いて本格上昇となるためには、

(1)NYダウの上伸
(2)復興需要の本格化
(3)決算発表終了・・・などを見たうえでということになるだろう。短期的には9000円を目指したジリ高相場だろう。
posted by 犬丸正寛 at 19:41 | 株で見る世の中

2011年10月07日

『四面楚歌にあって新しい展開を探る相場』を予想=犬丸正寛の相場展望

★「輸出比率」と「外国人持株比率」の高い銘柄を避け内需株中心の展開

『四面楚歌にあって新しい展開を探る相場』を予想=犬丸正寛の相場展望 来週(11〜14日)は、『四面楚歌にあって新しい展開を探る相場』が予想される。

 ユーロ問題は、なんとか小康状態を保っている。しかし、根本的に解決されたわけではない。いつまた火を噴くかわからない心配がある。アメリカも、かつてない規模のデモが起きている。これに、もしも、中国でも社会不安が起きたら世界経済の状況は厳しくなる。まさに、四面楚歌の油断できない状況が続く。もちろん、日本も他人事ではない。若い層の失業率は高く、不満は溜まりつつある。

 こうしてみると、経済の舵取りの難しさを世界各国とも抱えている。とくに、アメリカも日本もこの2年余、庶民に軸足を置いた「経済的平等」、「友愛」を大切にした民主党政権の下で走ってきた。しかし、今の状態をみる限り、結果は「おもわしくない」と言わざるを得ない。競争社会において、格差がつき過ぎることは良くない。しかし、それを嫌がって、平等、優しさを強調すると「活力」が失われ、むしろ、庶民には、もっと厳しい状態を招く。やはり、企業、個人の意欲、活力が前面に出るような政治が必要だろう。

 稼いだうえで「分配」を考えることが大切で、「分配ありき」では、ギリシャのように分配する原資がなくなってしまう。なにかの小説にでてくる言葉の、『人(とくに男)は強くなくては生きることができない。しかし、優しさを忘れたら生きる資格がない』と似ている。今の民主党政策は、優しさを重視するあまり強さを置き忘れているのではないか。強くない国は世界の中で衰退する。いっそのこと、優しさの民主党と強さの自民党が一緒になれば、新しい展開も期待できるのではないか。

 民主党の野田内閣は、7日、停止していた公共工事について停止解除を決めたという。掲げてきた「セメントから人へ」政策の修正であろう。セメントも人も両方とも大切なのである。一応、新しい「芽」として注目できる。ただ、野田内閣は、昔の代官と農民の関係のように年貢をまきあげることが頭にあるようだ。それでは、農民は空腹で耕作をする元気も気力もなくなってしまう。増税が先行するようでは株価の上値は重いだろう。

 まもなく、9月決算(3月期決算は中間)が発表となる。おそらく、最近の円高、世界経済波乱をみれば、輸出関連は厳しいだろう。ただ、輸出関連株は9月の下げで、そのあたりは、かなり織り込んだものとみることはできる。だけど、発表が終るまでは手は出せない。

 その点、内需関連株は輸出関連のような急激な落ち込みはないはず。既に、以前より内需不振と言われ続けてきた。むしろ、厳しい内需の中で新しい展開を見せている企業もあるし、これから第3次補正予算で内需が復興中心に刺激される。そこへ、公共投資停止解除も加わり、悪い話ではない。

 幸い、日経平均、TOPIXとも9月安値がボトムとなって、一応、「彼岸底」となっている。このまま、持ちこたえることができればマーケットに、徐々に力強さが戻るものとみられる。「輸出比率」と「外国人持株比率」の高い銘柄を避け、「内需株」中心の相場が展開されるものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 18:17 | 株で見る世の中

2011年10月04日

【今日の出来事&マーケット】ユーロ安・円高、NYダウ安をどうみるか?=犬丸正寛

★ユーロ安、NYダウ急落に見舞われた日本市場の行方

【今日の出来事&マーケット】ユーロ安・円高、NYダウ安をどうみるか?=犬丸正寛 3日(月)の円相場は対ユーロで101円を切って100円台へユーロ安・円高。しかも、NYダウは258ドル安の1万655ドル、さらに、アジア市場も荒れた。まさに、海外では暴風雨となった。これを受けて4日(火)の日本のマーケットは186円安の8359円、TOPIXも18ポイント安の729ポイントまで下げた。

指標では、いくつかの注目点がある。

(1)NYダウは3日(月)の安値が1万653ドルと、去る、8月9日の安値1万604ドルはキープしている
(2)しかし、S&P500は3日(月)の安値が1098ポイントと去る8月9日の1101ポイントを切った
(3)日本の4日前場での東証1部・新安値銘柄数が輸出関連株を中心に115社(3日は終日で35社)に急増した

 これらをどうみるか。まず、NYダウの底堅さは、ユーロ安はドルの復権でもあり、再び、アメリカ・ドルが世界で強さを発揮することへの期待もあるのではないか。2008年の「リーマンショック」はアメリカ発だったのに対し、今回の「ユーロショック」は欧州発である。もちろん、ギリシャ問題が世界恐慌に発展しないことという前提条件はつく。

★気になるアメリカS&P500の8月安値切り

 一方、機関投資家等が重要視するS&P500が下げていることは気になる。米国国債格付引き下げがあった8月9日時点の安値を切ってしまったことは注意が必要だ。アメリカ国内の景気悪化、高い失業率等が響いているように思われる。とくに、経済の中心地ウオール街で起きた政府批判デモの影響が大きかったのではないか。アメリカは他国のことは言っておれない、国内に国民の不満が高まっている。オバマ政権への不満である。

★新安値急増でも日経平均、TOPIXとも「彼岸の安値」はキープ、「土俵際で粘る」

 日本も4日(火)は日経平均、TOPIXとも下げたものの、しかし、直近の9月安値はなんとか維持している。日経平均の4日の安値は8359円まで下げたが、去る9月26日の安値と同じ8359円で止った。TOPIXは4日の安値は729ポイントで、去る9月26日の安値727ポイントより上で止まっている。とくに、この日は新安値銘柄が急増したことを考えれば日本のマーケットは、相撲でいう「土俵際」で粘った印象だ。

 2008年のリーマンショック、そして、今回のユーロショックとわずか3年の間に世界を揺るがす大きな経済変動が2度も発生した。この間、日本は世界が採った危機回避のための積極的な経済対策の恩恵を受けることができた。今度は、日本が東日本大震災の復興を旗印に日本再生を掲げて世界を牽引する順番だろう。このまま、日経平均、TOPIXが9月26日を維持できれば、「彼岸底」となって期待は高まる。
posted by 犬丸正寛 at 15:01 | 株で見る世の中

2011年09月30日

『本格的な秋相場』がスタート!息の長い上昇相場に期待=犬丸正寛の相場展望

★9月で輸出株売り一巡、内需株出番

『本格的な秋相場』がスタート!息の長い上昇相場に期待=犬丸正寛の相場展望 来週(10月3〜7日)は、『本格的な秋相場』がスタートとなるだろう。

 日経平均は直近の安値が連休明け9月26日(月)の8359円。ほぼ、「彼岸底」となっている。とくに、特徴的だったのは、ユーロの金融不安で、この9月の底で輸出関連株の見切り売りが一斉に出たことである。売るものは売ったといえるだろう。

 その、ユーロについては、ドイツがギリシャ支援で国内の了解を取り付けた。まだまだ、安心と油断はできないものの、当面はひとまずユーロ問題は売り材料ではない。

 一方、国内では野田内閣が発足して1ヶ月。最初の臨時国会は無難に乗り切った。次は、10月中旬にも予定される臨時国会での復興のための第3次補正予算。多少の波風はあっても、「復興」は最優先政策だけに野党もいつまでも反対というわけにはいかないだろう。今は、小沢元代表のことと復興を天秤にかければ、明らかに復興を急がなくてはいけない。菅前総理の振舞いで政治は3ヶ月もの空白ができた。小沢元代表のことで、また空白をつくることはできないはず。

 第3次補正が10兆円を超える規模で成立なら復興関連中心に内需株への物色人気は高まることが予想される。処分売りしたばかりの輸出関連株と、これから仕事量の増える内需株のどちらが手がけやすいかは明白である。

★「彼岸底」で息の長い上昇相場も

 筆者は8月が底と見ていたが、政局空白もあって底打ちは1ヶ月ズレ込んだ。9月の日経平均の月足チャートは3ヶ月連続の陰線だった。恐らく、10月は「陽線」となって相場は反騰基調に入るものとみられる。阪神淡路大震災のときは、TOPIXは震災発生時から5ヶ月目に底が入り、その後は向こう1年間上昇を描いた。今回も息の長い上昇相場が期待できるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 17:31 | 株で見る世の中

2011年09月22日

ユーロの行方を見守る相場展開へ=犬丸正寛の相場展望

■ユーロ解消か、再構築か、締め切り時間迫る

ユーロの行方を見守る相場展開へ=犬丸正寛の相場展望 来週(26〜30日)は、『ユーロの行方を見守る相場』だろう。S&Pが直近でイタリア国債の格付けを引き下げた。ギリシャ、スペインも厳しい状況にある。歩調を合わせるかのようにIMF(世界通貨基金)の報道もあった。EU圏の銀行がユーロ圏の財政危機で約21兆円もの損失を抱えているという。大きい金額だ。

 こうなってくると、次の一手の支援が難しくなってくる。さらに、ギリシャは10月に大規模な労組によるスト計画が伝えられている。「ユーロ」はそうとう危ないところに来ているようだ。どうなるのか。

 勝手な想像を許してもらうなら、(1)ユーロ(17カ国)を解消して、各国が自国通貨とドルでの従前の態勢に戻る、(2)ユーロの中で財政のしっかりした国で「第2ユーロ」の再構築をはかる、(3)現在のユーロを維持しつつ中国、インド、できれば日本も組み込んで拡大版の「ユーロ・アジア」とする、といったことを思いつく。果たして、どうなるか。

 来月のギリシャのストがどのような規模となるか、そして他国への影響がどのように及ぶかが見所となりそうだ。深刻な影響なら、一気にユーロ解消というケースも否定できないだろう。実際、ユーロ非加盟のイギリスは自国通貨ポンドとドルでうまくいっている。

 仮に、(1)のケースなら「ドル復権」である。それで世界が安定するというのなら、多くの世界の国はドルを選ぶだろう。それは、NYダウにはプラスであり、連動性の高い日経平均にも好い効果となる。

 ユーロ危機は新たな展開の芽も含んでいる。いずれにしてもそろそろ、ユーロの締め切り時間が迫っているようだ。
posted by 犬丸正寛 at 17:46 | 株で見る世の中

2011年09月16日

『衣替え相場』が本格化!「輸出関連」から「内需関連」銘柄へ=犬丸正寛の相場展望

★夏物の「輸出」から、秋・冬物の「内需」へ

『衣替え相場』が本格化!「輸出関連」から「内需関連」銘柄へ=犬丸正寛の相場展望 「暑さ寒さも彼岸まで」。まもなく、衣替えがやってくる。来週(20日〜22日)のマーケットも『衣替え相場』が本格化となるだろう。

 厳しかった残暑も彼岸を堺に秋色の気配が漂いはじめることだろう。マーケットでは、「輸出関連銘柄」から、「内需関連銘柄」へ入れ替えが本格化するものとみられる。

 思えば、リーマンショックを乗り越えるため、世界各国が一斉に政府支出を増大させた。その反動が今、世界の重石(おもし)となっている。各国とも国家財政の悪化(借金)に見舞われ、新興国では強烈なインフレによる社会不安を抱えている。政府支出規模が大きかっただけに、とても短期間で重石を取り外すことはできない。目先的にはギリシャ支援で一致をみているものの、ギリシャ自体が根本的に財政を立て直す気持ちがないと、また金融不安は頭をもたげてくる。世界を見渡して、輸出関連銘柄は本腰を入れて買う情況にはない。

 とくに、今の世界における経済政策は、リーマンショック直後のように思い切りアクセルを踏む時ではない。たとえば、昔、自動車がマニュアル車時代だったとき、坂道を登るときのように、クラッチペタルを操作しながらブレーキペタルとアクセルペタルを瞬時に3つも操作しなくてはいけない高等な運転技術が求められているのと似ている。オートマチック車に慣れ切ってしまった今の時代の難しさがここにある。

 もちろん、日本も財政(借金)の厳しさは他人事ではない。日本の国債は日本国民によって大半まかなわれているという強みは確かにある。しかし、人口高齢化に伴い、それも難しくなっていくことを忘れてはいけない。

 もっとも、今の日本は、東日本大震災で「復興」のために借金もやむなしで一致している。ただ、そのための増税となると話は違ってくる。まさに政治の出番である。優先順位からすれば、まず「復興ありき」だろうが、果たしてどうか。まもなく復興のための第3次補正予算の審議が始まる。10兆円を超える規模なら、「復興関連銘柄」の出番である。難しい話ではない。お金が向かう確実なところなのである。酷な言い方だが、いつまでも輸出関連に未練を残してはいけない。早く切り換えた人ほど復興関連で成果を得ることができる。

★日経平均、TOPIX久々に30日線上抜く

 日経平均、TOPIXとも週末16日に30日線を8月1日以来、1ヵ月半ぶりに上抜いた。NYダウの行方など安心はできないものの、マーケットは復興関連銘柄を中心とした内需関連銘柄への期待を強めている。とくに、内需株の動きをより強く反映するTOPIXが日経平均以上に力強く30日線を大きく上抜いている。彼岸を堺として強い相場が見込まれるとみてよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 18:29 | 株で見る世の中

2011年09月10日

【東日本大震災から6ヶ月】フシ目のマーケットを検証=犬丸正寛

【今日の出来事&マーケット】

■復興に動き出した政治と堅調な企業業績で「彼岸底」の可能性強い

【東日本大震災から6ヶ月】フシ目のマーケットを検証=犬丸正寛 3月11日(金)、14時46分に東日本を引き裂いた大地震と大津波から半年となる。マーケットでは、9月9日(金)がちょうど6ヶ月目のフシ目だった。

 現地を見ていないので実感としては言えないものの、テレビ、新聞、雑誌等で受ける印象では、復興は遅れているようだ。指摘されているように政治の役割が批判される点はあると思われるが、それだけ、難しく大きい課題を抱えているということだろう。

 いずれまた襲って来るであろう大津波を想定すれば海の近くの平坦地での生活は見直さなくてはいけない。高台の用地をどのように用意するのか。個人単位で対応できる話ではない。しかも、高台に新しい生活の場を設けたからといって生活の糧(かて)が確保できるわけではない。

 とくに、被災地域が岩手県から茨城県まで広範囲に達しているため県単位の復興ではなく、東北地域全体の生活と産業が一体となった復興、再生計画が求められる。そのための企画立案と分析に時間がかかっていることは理解できる。

 それも、一歩前進の雰囲気は感じられる。10日(土)の新聞、雑誌では第3次補正予算について復興関連7〜8兆円という報道もあった。「1国2制度」を取り入れた規制ゼロのスーパー特区構想も報じられている。新政権発足と共に政治は動き始めてきたようだ。

 震災が発生した3月11日(金)の日経平均は1万254円(前日比179円安)の安値引け。TOPIX(東証株価指数)は915ポイント(前日比15ポイント安)と同じく安値引けだった。その後、3月15日(火)に日経平均は場中(ザラバ)で8227円、TOPIXも同日725ポイントの安値をつけた。

 そして、6ヶ月経った9月9日(金)の終値は日経平均では8737円、TOPIXでは755ポイントである。両指数とも3月15日の安値に対しては、かなり上の位置にある。

■ギリシャ問題あっても瞬間的か

 一部では、3月安値を切るような急落が伝えられている。しかし、筆者はその可能性は皆無無とは言えないものの、可能性は小さいとみている。もしも、日経平均、TOPIXが3月安値を切るとすれば、その時の条件は何か。(1)ギリシャのデフォルト(債務不履行)によるEU等の金融パニック、(2)日本政府の復興に対する無策、(3)日本企業の業績悪化、などだろう。このなかで、ギリシャ問題は否定はできない。しかし、仮にそうであったとしても日本の市場には瞬間的な影響でとどまるだろう。

 とくに、日本国民に「ギリシャのようになってはいけない」という危機感が強まり、「増税」に対し暗黙的了解が強まる。しかも、既に、復興に対し新政権は積極的に動き始めている。「無策」とはいえない。

 また、企業業績の強いことがある。夏場の電力危機を見事に乗り切った。特に、日本企業はリーマンショックのあとの不況において経費削減等のスリム化をはかっている。その分、国内消費等には影響が及んでいるものの、企業は復興の青写真が示されるなら、いつでも前向きに転じる準備はできている。9日現在の日経平均の予想1株利益は672円と高水準をキープできている。

 日本には、春と秋の「彼岸」がある。先祖の墓参りをして、苦しい中にも恵まれた国に感謝する。相場もこの彼岸を境として転機となっていることが多い。折りしも、アメリカでは日本の彼岸に当る日に、FOMC(公開市場委員会)を開いて金融政策面からの景気テコ入れを発表する見通し。動き出した野田新政権に期待して、「彼岸底」を信じてみたい。
posted by 犬丸正寛 at 13:02 | 株で見る世の中

2011年09月09日

日本株式会社『野田新社長の方針』に耳を傾ける相場へ=犬丸正寛の相場展望

日本株式会社『野田新社長の方針』に耳を傾ける相場へ=犬丸正寛の相場展望 来週(12日〜16日)は、『野田新社長の方針に耳を傾ける』相場だろう。野田総理は、「日本株式会社」の社長でもある。社員を前に、どのような方針と具体的な取り組みを示すか。とくに、前社長には、言葉に振り回された感があるので、実行が伴うかどうかを社員(国民)は見極めようとするだろう。

★「貸借対照表」重視型か、「損益計算書」重視型かを見守る

 その新社長訓示式は13日(火)に臨時国会として行われる。会社は突き詰めれば、「貸借対照表」と、「損益計算書」に集約される。一般的に企業を見ていても、財務・経理畑出身の社長は貸借対照表を重視し、営業畑出身の社長は損益計算書を重視する傾向が見受けられる。当然、貸借対照表重視型においては、「債務」(借金)を減らすことに加え、「経費削減」が優先され、損益計算書型においては「売上」を伸ばすことが最優先の取り組として、それぞれ、トップの口から述べられることが多い。

★貸借対象表にこだわりすぎると社員はソッポも

 その野田新社長については、「貸借対照表」重視タイプの印象が強い。売上を増やすことで財務内容を改善するというやり方より、直接、財務に手を差し込んで一気に改善する手法の雰囲気だ。当然、「増税」とか「債務カット」といったことが予想される。

 しかし、こうした政策はタイミングを誤ると景気にマイナスとなるだけでなく、社員(国民)の反発を受ける心配がある。ギリシャを見ていても、人は利益をカットされたり、負担がアップすることには敏感に反対する。やり遂げるには、理想論の「思い」だけでは難しい。実績が大切である。社員・国民の納得を得るだけの実績を野田新社長が持ち合わせているとは思えないところに心配がある。実績のないまま、いきなり負担増では社員はしらける心配がある。「あの社長が言うのなら着いて行こう」という実績をつくることが先決ではないのだろうか。急がなくてはいけないからこそ、まず小さな実績をつくることが大切だろう。

 社長就任早々で申し訳ないものの、自らの給与をカットするくらいのことをやったうえで社員・国民に負担を求めるというのなら分からないでもない。財務・経理畑の人には、数字ありきや理屈が先行するきらいがある。

 今の日本には財政再建も成長という売上も両方大切な時である。新社長の言葉をマーケットは見守っている。
posted by 犬丸正寛 at 20:00 | 株で見る世の中

2011年09月06日

『新政権スタートで急落の相場』〜何が起きたか?=犬丸正寛

【今日の出来事&マーケット】

★「輸出関連株」から「内需関連株」へ潮流変化の動き

今日の出来事&マーケット 6日(火)の東京市場は、ほぼ「全面安」となった。前日のNYダウが253ドル安と大きく下げたことが響いた。日本では、野田新内閣がスタートしたばかりというのに。

 どのように見ればよいのか。筆者は、「マーケットで物色対象に変化が生じる時に起きる象徴的な動きである」とみている。「輸出関連株売り」の「内需関連株買い」の潮流の変化である。

 世界に目をやれば当然であろう。NYダウの不安定な動きに象徴されるアメリカ景気の不透明感。いっこうに収束する気配のないEUの財政不安。さらに、中国など新興国の高度経済成長に対するヒズミなどなど。どこを見ても海外の経済状況は良くない。

 当然、6日の東証1部の年初来新安値銘柄は輸出関連銘柄が圧倒的に多い。トヨタ自動車、スズキ、ヤマハ発、ソニー、パナソニック、東芝、三菱電機、ローム、カシオ、リコー、日本写真印刷、野村ホールディングスなど、グローバルで展開する銘柄ばかりである。

 このため、6日の日経平均終値は193円安の8590円と大きく下げた。下落率では2.2%。

 一方、TOPIX(東証株価指数)も下げてはいるものの、1.9%の下げにとどまっており、日経平均の下落率より小さい。これは、TOPIXには建設株など内需関連銘柄の寄与度が高いことがある。実際、建設株等は小幅安にとどまっている。とくに、小野薬品が新高値に買われるなど相場格言でいわれる『電気が消えるとお化けが出る』動きとなっている。電気とはエレクトロニクス株などの輸出関連株であり、お化けとはファインケミカル(精密化学)の代表の薬品株のことである。

 とくに、株式投資において注意すべきことは、「今より良くなるか、悪くなるか」という点である。この物差しに当てはめれば、輸出関連は良くなる可能性は多くは期待できない。むしろ、内需関連株には、新内閣による復興が背景にあるから期待が持てる。当然、内需関連銘柄に軍配が上がる。

★リーマンショック後の動きと反対の展開に

 しかし、今のマーケットには豊富な資金があるわけではないから、輸出関連株を売って内需関連株への乗り換え資金を作らなくてはいけない。振り返ってみれば、「09年3月」にも似たような動きが起きた。あの時は、人口減少、少子高齢化が進みデフレ解消は見込めないということで内需を一斉に売った。反対に、海外はリーマンショックから立ち直るために各国が足並みをそろえ大規模な景気刺激策を採るということで輸出株が買われる動きとなって現在まで続いた。これからは、09年3月当時の反対が来るものと捉えることができるだろう。

 ただ、不透明な海外においてアメリカについては基軸通貨ドルを支配している強みで、景気対策を打つことができる。実際、まもなく景気対策QE―3(第3次金融政策)が発表となる見通しだ。このため、NYダウは下げたといっても去る8月9日の安値1万604ドルに対しては余裕がある。

 今年の日本には、08年のリーマンショック以上の「東日本大震災」という経済にとって大ショックが起きた。リーマンショックの時と同様、日本でも大規模な復興・景気対策が大手を振って見込める。

 現物投資の個人投資家にはたいへん分かりやすい相場がこれからやってくる。復興に関連した内需関連銘柄を仕込む絶好のタイミングといえるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 19:18 | 株で見る世の中

2011年09月04日

『台風12号で災害列島見直しへ』求められる災害に強い国土造り=犬丸正寛

【今日の出来事&マーケット】

■「コンクリートから人へ」の見直し急務

『台風12号で災害列島見直しへ』求められる災害に強い国土造り=犬丸正寛 台風12号が週末に列島を襲った。最初は関東直撃かと思われていた。方向転換して四国、近畿に集中豪雨をもたらした。NHKの報道では亡くなられた方は11名、行方不明者25名という。大惨事である。

 台風が日本に来るのは今に始まったことではないものの、気になるのは、年々、被害の規模が大きくなっていることだ。とくに、降雨量が半端でない。今回も、わずか数日の間に1800ミリに達したところもあったようだ。テレビ中継でも、水害に見舞われた方が、「経験したことのない雨」と、そろって口にされている。

 これまで、安定した降雨に恵まれ、緑いっぱいの日本は美しき国であった。しかし、これほどの豪雨に見舞われると、もはや、「熱帯」であり、「アマゾン」のようである。

 根本的に災害対策を考える必要がある。人の住める場所を改めて見直す必要があるだろう。筆者は過疎地の出身である。少ない住人のために大々的な治水、災害対策を求めることには無理があるだろう。故郷は誰にとっても大切。しかし、前提条件となる「自然」が変わってしまった。列島地図を精査して安全に近い地域、場所を選び出し、そこには集中して安全対策を講じることが求められるのではないか。

■「建設株」の見直し機運が台頭

 今年は東日本大震災に見舞われた。津波に襲われたところには住むことはできない。津波だけではない。台風による洪水で家が流され、土砂崩れで家屋が押しつぶされた。これからも異常な降雨量が続くことになれば安全な場所に移るより仕方ない。

 政権を取った民主党は、「コンクリートから人へ」を打ち出してきた。しかし、今、これだけの災害に見舞われていることから政策は見直す必要があるのではないか。「人のためにコンクリートは大切」なのだ。

 長らく低迷してきた「建設株」に、今回の東日本大震災と毎年発生する洪水によって、見直し機運が台頭するものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 20:25 | 株で見る世の中

2011年09月03日

『アメリカ雇用統計悪化がマーケットに与える影響』は?=犬丸正寛

【今日の出来事&マーケット】

■マーケットは「景気刺激の催促」を強める

犬丸正寛 週末2日に発表された「8月のアメリカ雇用統計」は、非農業部門の就業者数の伸びは前月比横ばいと発表された。これを受けて2日のNYダウは一時282ドル安まであり、終値は253ドル安の1万1240ドル。週明けのマーケットはどう動くか。

 これで、7月まで10ヶ月連続で続いた就業者の増加が止まった。通信大手企業のストの影響が大きかったといわれるものの、それを吸収できなかったところにアメリカ景気の足腰が弱くなっていると受け取られた。

 しかし、これによってNYダウが、これ以上大きく下がることはないだろう。実際、去る8月9日の安値1万604ドルに対しては十分な余裕がある。機関投資家等が見る「S&P500」についても、2日の終値は1173ポイントと、去る8月9日の1101ポイントに対し6.5%上にある。

 今回の雇用者数横ばいは、政府に対し景気対策を催促する働きがある。既に、NYダウは景気対策を催促して、8月9日の安値1万604ドルから9月1日には1万1716ドルまで10.4%値上りしていた。今回の悪い雇用統計によって、見出し的効果は大きく、「催促」はいっそう強まるものとみられる。

 実際、早速、オバマ大統領は8日にも景気対策についての声明を発表するという。さらに、9月20日、21日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)で景気対策「QE3」(第3次量的緩和)が検討されるもよう。

■悪いことを放置できないのが政治の役目

 足元の統計数字が悪いからといって、今は弱気は禁物である。悪いことを放置することはできない。「悪いからこそなんとかするのが政治」だからだ。これから、8日の大統領声明、20〜21日のFOMCの景気刺激策の本気度をマーケットは読み込んでいくだろう。

 仮に、8日の大統領声明が期待されるものでなければマーケットは、もう一段下げて催促の動きを強めるものとみられる。

 NYダウが波乱含みながらも催促相場を強めることは日本のマーケットにとっても悪い話ではない。日本でも「野田新内閣」による「経済復興」を買う相場が予想されている。猛暑のあとの今年の秋は、日米とも政治に対する期待が一段と強まっている。
posted by 犬丸正寛 at 22:50 | 株で見る世の中

2011年09月02日

『野田新内閣の船出』を祝う相場展開へ=犬丸正寛の相場展望

『野田新内閣の船出』を祝う相場展開へ=犬丸相場展望 来週(5日〜9日)は、『野田新内閣の船出』を祝う相場展開だろう。実際、マーケットの反応は評価したものとなっている。

 たとえば、民主党の代表選挙で野田氏が代表に選ばれた8月29日(月)の日経平均終値は8851円。衆参で首班指名された30日は8953円、そして組閣が出来上がりスタートした2日(金)は8950円。代表選挙から組閣までの動きでは、「堅調」といえる展開だ。

 この背景には、菅総理が6月2日に退陣表明して以降、ガタついた政局が落ち着いたことがある。菅総理は9月以降も続投かとも思われたが、引け際は、それまでの態度とは一変して、さっぱりしたものだった。さすがである。むしろ、国会会期の終盤では、今にして思えば、敢えて、悪役的に振舞われた感じも受ける。それによって、「野田丸」の船出はずいぶんと荷が軽くなったのではないか。

★「復興」が一大テーマ

 日本には取り組む課題は多いだけに新内閣は思い切ってやれるはず。とくに、優先順位をつけるなら、「復興」と「アメリカとの関係強化」、そして、「TPP(環太平洋経済連携協定)対応」だろう。

 早速、新内閣は対米強化に向け動き出している。これも、行動力が乏しいといわれた前内閣のことがあるはずだ。エネルギー問題もあるが、菅内閣が道筋をつけたことで、内政では「復興」に全力で取り組むことができる。この復興については、与党内からも野党内からも反対はできない。少なくとも年内は「復興」を掲げて進むことで安定した航海が予想されそうだ。

 ただ、具体的な政策段階になってくると温度差は出るだろう。たとえば、復興策についても、話題となっている「カジノ構想」については賛成派と反対派に分かれることが予想される。また、締め切り時間が迫りつつある「TPP」にしても同様で、全員が賛成ということにはならない。ましてや、日米間の懸案の沖縄基地問題は簡単ではない。政権を揺るがす問題となる可能性さえ含んでいる。

★9150円を抜けば1万円へ航海開始も

 一般に「新政権100日」といわれ、穏やかさが予想される。しかし、具体的政策となるほど厄介な問題ばかりだけに、場合によると、「新婚(新内閣)100日のアツアツ期間」を待たず、荒れ始めることも無しとはいえない。

 それでも、当面は全員が異論のない「復興」をテーマにマーケットは「復興相場」を買う展開だろう。日経平均は上値のフシである8月16日の9150円(場中高値)をどの時点で抜くかが見所。早い時期に抜くようなら1万円を目指した航海が予想される。
posted by 犬丸正寛 at 18:34 | 株で見る世の中

2011年08月28日

新内閣に対する期待と不安の入り混じった相場へ=犬丸正寛の相場展望

新内閣に対する期待と不安の入り混じった相場へ=犬丸正寛の相場展望 来週(29〜9月2日)は、『新内閣に対する期待と不安の入り混じった相場』が予想される。期待は、「日本株式会社」に対する再生である。自民党時代の政策が、利権構造的で強い者優先だったとすれば、民主党政権の政策は「コンクリートから人へ」に象徴される庶民に軸足を置いたものだった。

 そのことは、決して、間違いではないものの、分配優先的なバラ撒き政策の色合いが強いものだったことは否定できない。人は、貰うことのクセがつくと、苦労して稼ぐことより貰うことに意識が強まる。当然、そのことは財政を悪化させる。さらに、増税で帳尻を合わせようとすれば企業の国際競争力は削がれる。この点に対する「不安」がある。

 しかも庶民、大衆に視線を置くあまり、国際的な日本の存在感が薄くなってしまった。つまり、外交力低下への「不安」である。とくに、尖閣諸島では他国の戦艦が出没、完全になめられている。北方領土など、領土問題に対する日本の立場は民主党政権になって明らかに悪化した。アメリカとの間の沖縄基地問題も未解決のままだ。「外交力」アップは避けて通れない。

 菅内閣からバトンを受ける内閣はどのような方針を打ち出すか。誰が総理になろうとも、震災からの「復興」は最優先課題である。と同時に、日本国債の格下げなど悪化する財政の再建も待ったなし。

 幸い、日経平均は8月9日の8656円を割り込み、22日には8619円まで下げたものの、そのまま下へ行くことはなかった。NYダウも波乱となりながらも下値を固め反発に転じている。今後もNYダウは、「QE―3」(3次金融緩和政策)を催促する動きとみられる。マーケットは落ち着きを見せている。当然、新内閣への「期待」が込められているとみられる。

 まもなく発足する新内閣。「国内政策」と、「外交政策」の両面に対して強いリーダーシップが求められる。凝縮して言えば、「稼ぐこと」と、「福祉・豊かさ」のバランスの取れた国づくりである。「人もコンクリートも両方大切」なのである。最近の企業のトップ人事異動をみていると、本業に強く、稼ぐことのできる人が就いているケースが目につく。当然、「日本株式会社」の社長である総理も稼ぐことと、社員(国民)の幸せを考えられる人が求められるはず。
posted by 犬丸正寛 at 08:52 | 株で見る世の中

2011年08月19日

『秋待つ直前の様子見相場』政治、経済とも具体的展開待ち=犬丸正寛の相場展望

■信用6ヶ月期日も8月で一巡

『秋待つ直前の様子見相場』政治、経済とも具体的展開待ち=犬丸正寛の相場展望 来週(22日〜26日)は、『秋を待つ直前の様子見相場』が予想される。

 NYダウは18日、419ドル安と、再び、大きく下げた。しかし、9日に下げた時の安値に対しては、まだ余裕がある。9日の安値を下回ることがあるのか、ないのか、様子見だろう。

 民主党代表選挙は野田財務大臣で決まりかと思われていた。しかし、次々と候補者の名が挙がり新政権の姿も描き難くなっている。政局も今しばらく様子見だろう。

 一方、「猛暑」もやっと終わりかけた。しかし、こちらも残暑のブリ返しはないのか。このまま秋がくるのか。もうしばらく様子見だろう。

 さらに、EU問題もドイツ、フランスがどのように動くのか。こちらも、様子見の雰囲気だ。

 かくして、社会、経済、政局とも8月末まではしばらく様子見の空気が強い。しかし、そうした中で早くも石油ファンヒーターのダイニチ工業<5951>が急伸して新高値をつけるなど、「冬関連株」の新しい動きも出始めている。

 日経平均は週末19日に8707円と下げたものの、辛うじて去る9日の安値8656円はキープしている。もちろん、3月の震災時下げでつけた安値8227円に対しては十分余裕がある。目下、2月高値1万891円近辺の6ヶ月期日が到来して圧迫となっている。それも8月いっぱいで一巡する。仮に、9日の安値を切る場面はあったとしても大きく下げることはないだろう。まもなく、実りの秋が到来する。今しばらくの辛抱である。
posted by 犬丸正寛 at 18:25 | 株で見る世の中

2011年08月12日

『日本株独歩高への助走相場』を予想=犬丸正寛の相場展望

★菅総理の置き土産で一気に「復興」のツチ音高まる

『日本株独歩高への助走相場』を予想=犬丸正寛の相場展望 来週(15〜19日)は、『日本株独歩高への助走相場』が予想される。日経平均の週足チャートは、今週、安値8656円まであって、3月の震災時下げでつけた安値8227円へ残り420円余に接近した。年初来高値1万0891円(2月18日)から、日柄でほぼ6ヶ月、下げ率20.5%。とくに、日柄調整的には、いい頃合に来ている。

 下げの背景は、EUの金融不安、イギリスの社会的不穏な動き、アメリカの初めての国債格下げ、中国など新興国の物価抑制策など。世界の金融・経済の天気図に超大型台風並の嵐が現れている。その中で、特別、日本が強いということではないのに「円高」が続いている。

 しかし、その「円高」について腕組みして考えると、分からないではないことがある。日本の「震災からの復興」である。菅総理が退陣される。総理の思いで、赤字国債発行など復興への態勢が整えられた。予想される9月からの新内閣では「復興」が前面に出てくる。しかも、野党も協力ということから「復興」へのツチ音は一気に高まるものとみてよいだろう。

 今、世界を見渡して、思い切った公共投資がやれるのは日本だけである。もちろん、「復興」という看板のもとに。資金手当てのメドもついた。これからは、何を復興の中心とするかである。当然、大震災という災いを転じて福と成すための、大きい発想、仕組みが期待できるだろう。

 当然、株式マーケットには、「復興関連」という一大テーマの登場は願ってもないことである。3月11日の大震災発生から5ヶ月。阪神淡路大震災のときも震災発生から5ヶ月目でTOPIXは底打ちして、その後、1年上昇という大きい相場につながった。今回も震災発生から5ヶ月目の8月は間違いなく転機となるはずだ。もちろん、向こう1年間の上昇相場への期待を込めて。

 こうした見通しを立てることができるマーケットは、世界において日本だけだろう。ここに、『日本株独歩高』となる素地がある。それを、円高が現しているとしたら悪い話ではない。当然、復興に関連した「内需関連株」が主役である。日本株活躍の助走相場が始まるとみてよいのではないか。
posted by 犬丸正寛 at 18:23 | 株で見る世の中

2011年08月05日

NYダウ横目に『閑散の中で下値模索』の動き=犬丸正寛の相場展望

★甲子園の盆休みで基本は商い閑散に

NYダウ横目に『閑散の中で下値模索』の動き=犬丸正寛の相場展望 来週(8〜12日)の相場は、『閑散の中で下値模索』の動きとなりそうだ。

 例年、大会期間中は見送り相場になるといわれる「夏の高校野球甲子園大会」が始まった。しかも、週末は「盆休み」に入る。企業の4〜6月決算発表も一巡し、盛り上がりに欠ける相場となるだろう。

 この間、急落したNYダウが、一段安となるか、あるいは、急反発に転じるか。NYダウ次第で日本のマーケットも左右されることは避けられないものの、出来高が大きく膨らむことにはならないだろう。閑散相場の中での下値模索だろう。

 そのNYダウは、アメリカの経済がマーケットの嫌がる「スタグフレーション」に近い状況となっている。昨年11月実施のQE―2といわれる量的緩和策の効果が薄れ景気下ブレリスクが高まる一方で緩和策の副作用で物価高の心配は残ったままである。金融緩和策も引き締め策も採り難い状況にある。

 この手詰まり感を打破するため、株価(NYダウ)が下がることで、次のQE―3策がとりやすくなるという催促的な動きになっているとみることもできる。アメリカは個人の株保有比率が高く、株安による逆資産効果で消費が落ち込み、次なる景気対策が打ち出しやすくなるということだ。

★新政権の動き出れば「秋相場」へ期待膨らむ

 一方、日本では最大の見所である「菅総理の8月退陣」があるかどうか。本来なら3月の大震災発生から5ヶ月目となる8月は復興へのツチ音が高まり、「復興相場」が本格スタートしてよい時期である。かつて、阪神淡路震災の時も5ヶ月目で底入れし本格反発に転じた。しかし、東北をどうするか、日本全体の姿をどう描くか、まったく見えてこない。電力でプレッシャーをかけているだけでは企業の海外転出に拍車がかかるだけである。「道州制」などの導入といった思い切った改革を取り入れることのできる人に政治のカジ取りをやってもらわないと日本沈没となってしまう。

余談ながら、菅総理のことをハーケン総理と呼ぶ人もいる。岩にハーケンを打ち込んで、落ちそうになっても粘り強く岩を登って行くということらしい。むろん、粘り強さは大切だが、国民には、もっと大切な何かが伝わってこない。仮に、新政権への動きがみられるようなら秋相場へ向けての期待が膨らむものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 18:22 | 株で見る世の中

2011年07月29日

来週は『米国債務問題を見極める』ことに尽きる=犬丸正寛の相場展望

来週は『米国債務問題を見極める』ことに尽きる=犬丸正寛の相場展望 来週(8月1日〜5日)は、『米国債務問題を見極める』ことに尽きるだろう。満杯となっている債務(借金)の上限を拡大しなくてはいけない期限を8月2日に控えている。

 枠拡大ができないとアメリカは国内的にも対外的にも厳しいことになる。国債の利払い等ができないし、行政サービスも止まる恐れがある。オバマ政権は一気に3兆ドル近い枠拡大で債務問題から開放されたい。一方、共和党は枠拡大を認めるとしても小幅にとどめ、債務問題で政権に揺さぶりをかけ続け来年の大統領選挙を有利にしたいハラだろう。

 しかも、このところ、アメリカの景気は昨年11月のQE−2(財政支出による景気対策)の効果が薄れ、下ブレ懸念が強まりつつある。しかも、QE−2の副作用で財政悪化とインフレが頭をもたげている。さらに、この先、景気が悪化するようならQE−3実施の必要性が高まってくるものの資金がない。

 民主党案と共和党案を足して2で割ったような日本的な着地も予想されそうだ。しかし、今は様子を見るよりほかはない。

 日本も他人事ではない。低支持率など、どこ吹く風で、まったく気にしない菅総理。次の衆議院選挙まで粘る気持ちのようだ。稼ぐことを疎かにされている日本株式会社の先行きは極めて厳しい。仮に、オバマ大統領が押し切れば菅総理は自信をますます強めることだろう。様子を見守るより手はない。
posted by 犬丸正寛 at 18:23 | 株で見る世の中

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