2004年11月30日

株を買うな時を買え

 株式投資にはタイミングが大切であるという教えです。当たり前のことですが、証券会社で買い注文を出し、その注文が成立すれば、お金を払って受け取るのは株券であって時間ではないことは言うまでもありません。しかし、本当に欲しいのは株券でしょうか。株券を物としてみた場合は単なる1枚の紙にすぎません。仮に、倒産したらメモ用紙にもなりません。昔なら、襖(ふすま)の下張りにでも使えたのでしょうが、まったく紙くずにすぎない存在です。このため、株の入門テキストにも書いてある通り、株券を所有することで発生する価値が株式の魅力なわけです。
 @ キャピタルゲイン(値上り益) 、Aインカムゲイン(配当金、優待)、B経営参加、の3つが株式保有価値ですが、特に、個人投資家にはキャピタルゲインが最大の魅力です。そのキャピタルゲインを狙う際に大事なのがタイミングということです。つまり、内容のよい銘柄ならいつでも上がるかといえば、そうではありません。世界的企業のソニーといえども2003年は日経平均株価が年末年初比較で23%上昇した中でソニーは年初の5110円が年末には3710円と27%も下落しています。この間、値上りトップとなった太平洋金属の7.7倍、2位の第一中央汽船の7.6倍に比べると大変な開きです。このため、マーケットでは内容の良い銘柄を優良株とは呼びません、上がる株が優良株なのです。このあたりは、企業が、「良いものを作っていれば売れる」という思い込みがあるのと似ているのではないでしょうか。今の世の中では「良いモノだけでは売れない時代」なのです。
 株を買うタイミングには短期的と長期的があります。短期的にはその銘柄が過熱していないか、マーケットの流れや人気、たとえば値段の高い銘柄か値段の低い銘柄の人気か、といったことがあります。長期的タイミングにはソーシャルニーズの変化という時代背景に沿っているかという観点です。時間が経ってみれば、時代の変化は分かりますが、渦中にあれば、たとえば、草履が靴に変わっていることは分からないし、認めたくないものです。今は立派な会社でも時代の変化、ソーシャルニーズの変化に対応できなければ極端な場合、倒産だってありうるのです。長期投資をする際、あるいは企業経営においては、特に、長期的観点での「時を買え」は大切な教えといえるのではないでしょうか。
posted by 犬丸正寛 at 11:29 | 相場格言