2008年06月24日

犬丸正寛の『7月・相場展望』

■頼みの内需・TOPIX相場も生活防衛から上値困難、時価総額のダメージも大きい

 指数で見れば「1月に高値をつけたグループ」と「6月に高値をつけたグループ」の2つとなっていることが印象的である(下段の表参照)。

・1月高値=日経平均、ジャスダック平均、ハンセン、上海総合、時価総額。
・6月高値=TOPIX、大型指数、小型指数、PER、PBRなど。

この中で、鮮明な動きは、日経平均が1月、TOPIXが6月の高値ということだろう。

■6月高値のTOPIXが象徴する今の相場

(Q)日経平均は、なぜ、1月に高値をつけた。
(答え)
日経平均は別名・経団連銘柄とも言われ、「輸出型企業中心」の指数である。サブプライム問題の影響がアメリカおよび新興国への波及必死との見方が強くなったためだ。上海総合指数も1月に高値をつけた。日本を代表するトヨタ自動車も2月に高値をつけているのが象徴的である。また、為替も1月が円安のピークで、以後、円高傾向となったこともある。

(Q)では、なぜ、NYダウは1月でなく5月が高値なのか。
(答え)
サブプライムの影響を防ぎたかったからだと思われる。サブプライム震源地のアメリカの株が急落すれば、金融パニックになるから、金融緩和で防いだと見ることができる。また、NYダウは、採用されている銘柄数が、わずか30銘柄にすぎない。不確かなことを言ってはよくないが、支えようと思えば、支えることはできたはずだ。

(Q)TOPIXが6月に高値となったのはなぜか。
(答え
)輸出株がだめなら内需株、という発想が働いた。言うまでもなくTOPIXは、内需型指数だ。また、新興国に比べると日本は経済の厚みが違うから、振興国のように、輸出がこけたら全部こけた、ということにはならない。円高メリットもある。

(Q)TOPIXまで6月が高値となっているのはなぜか。
(答え)
サブプライムの影響が、現実の景気、企業業績に出始めたからだ。景気はまだ6年5ヶ月の拡大期にあるが、後になって分かることだが、ひょっとすると頭を打っているかもしれない。企業業績は(3月期ベース)、2009年3月期は7期間ぶりの減益となる。それに、もうひとつ大きい点は、原油高騰が止まらず、ガソリン価格上昇、食料品の値上がりが大きく、庶民が「生活防衛」を意識して消費を控えているため、GDPの6割近くを占める「個人消費セクター」が厳しい状況となっているからだ。

■基本は日本の得意とする「太陽電池」「生命工学」などの関連銘柄買い

(Q)今後の見所は何か。
(答え)
指数的に見れば、時価総額が減っている。東証以外のジャスダック株なども含めると時価総額の減少はもっと大きい。資産家は高額品などの購買は控える。それと気になるのはNYダウだ。現実の、アメリカの景気悪化が明確となってきたため、持ちこたえることができるかどうかという心配がある。しかも、資源の高騰が続いている。もちろん、アメリカは食糧の輸出国だから、農産物価格上昇のメリットはあるが、一方で、大洪水の影響も出ている。景気悪化とインフレ、即ち、スタグフレーションの対応に対する難しさが、これから本格化する可能性がある。こう考えてくると、相場は上に行く力より、下に行く力を受けやすいと見ざるを得ない。

(Q)日本株もだめか。
(答え)
日米が同盟関係にあり、NYがくしゃみをすれば、やはり影響は受ける。かといって、日本だけが、独歩高できる力があるかといえば無理だ。日本は、根本のところで、「少子高齢化」が国全体の成長の重石となっている。人口が減るのに、経済が成長することは基本的には無理だ。しかし、世界の中で、日本の得意とする「太陽電池」、「省エネ車」、「環境関連」、「農業関連」、「生命工学」といったところは、むしろ注目されてくると思われる。

■日経平均の7月予測は、下値1万3550円、上値1万4800円程度か

(Q)これから7月の日経平均はどう予測する。
(答え)
企業業績の4〜6月の第1四半期がそろそろ出始める時期。個別的に良いところは買われ、悪いところは売られるだろう。日経平均は下値1万3550円、上値1万4800円程度ではないかと思われる。

6/23現在 本年来
高値
(日付) 6月23日
現在
高値比較
(%)
天気
マーク
日経平均 14691.41 1/4 13857.47 ▲5.6 曇り
TOPIX 1428.11 6/6 1347.93 ▲5.6 曇り
大型株指数 1522.58 6/6 1433.94 ▲5.8 曇り
小型株指数 1834.13 6/6 1758.47 ▲4.1 晴れ
時価総額 465.80 1/9 436.40 ▲6.3 曇り
出来高 3148.90 3/14 1826.71 ▲41.9 雨
ジャスダック 1714.86 1/4 1516.29 ▲11.5 雨
新高値銘柄数 245 5/15 15
PER 17.30 6/2 16.30
PBR 1.71 6/4 1.61
利回り 1.75 3/17 1.59
ドル・円 110.10 1/10 107.61
10年債 1.880 6/16 1.710
NYダウ 13058.20 5/2 11842.36 ▲9.3 曇り
ハンセン 27615.85 1/9 22714.96 ▲17.7 雨
上海総合 5497.901 1/14 2760.417 ▲49.7 雨
posted by 犬丸正寛 at 18:15 | 株で見る世の中