相場格言

2016年01月29日

2月は業績相場より「金融相場」の展開か、マーケットは次の量的緩和に照準=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 日経平均は、週末に日銀のマイナス金利政策決定を受けて急伸、注目された1月の月足チャートにおいて24カ月線を辛うじてキープ、月足での大崩れを回避できた。しかし、2月相場でも引き続き日経平均は24カ月線との攻防がついて回ることになる。

 今回のマイナス金利政策で、今後、(1)円安がどのていど進むのか、(2)設備投資や住宅建設にどのていど資金が向かい、景気を押し上げるのかは分からない。ただ、日銀が初となるマイナス金利を決めたことは景気対策に対する強い意志の表れとしてみておくことは必要だろう。2月15日頃に発表となる日本のGDP(10〜12月)数値が芳しくないということや企業業績の伸び悩みが鮮明となれば、2013年4月と2014年10月の量的緩和に続いて追加の量的緩和が実施されるものとみられる。この含みがあれば実施までは日経平均は下値を切り上げる展開とみられる。

 ただ、日経平均が2万円へ一気に乗せてくるかどうかは不透明である。昨年夏の急落後の反騰相場局面と違って、中国経済減速が一段と進み、新興国経済も減速も目立ち始め、しかも、大きく違う点は米国が利上げに進んだことで機関車役の米国景気自体にも黄色信号が点りはじめている。日本の主力銘柄の業績にも陰りがみられる。

 とくに、これから、日本の主力企業の第3四半期決算が発表となることから、ファナックの下方修正にみられるように上値を押さえそうだ。もっとも、円安が一段と進めば、先き行きの業績に明るい展望となるため業績にはむしろ買い材料となってくる。

 2月相場は、業績に対する懸念を抱えることから、「業績相場」ではなく、日銀のマイナス金利政策により、行き場のないマネー中心の、「金融相場」の展開となる可能性がありそうだ。金融相場の色彩が強まれば、金融関連、不動産関連などのセクター、あるいは中低位の材料系銘柄が人気となりそうだ。
posted by 犬丸正寛 at 16:39 | 株で見る世の中

2016年01月22日

戻り探る展開、NYダウ・円高・内閣の3つの行方見守る=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 日経平均は、週末に900円を超える急反発を見せた。これまでの連続大幅安に対するリバウンドといえる。外部環境が大きく好転したという状況ではないだけに戻りには限界があるとみられるが、今後は、(1)NYダウの行方、(2)円高の行方、(3)安倍政権の行方〜という3つの行方が注目点となりそうだ。

 悪材料視された原油相場は一時26ドル台まで下げた。今後も軟調が予想され、各種の報道では15〜17ドルという見方がされている。しかし、株式マーケットではかなり織込まれてきたのではなかろうか。なぜなら、「極論」すれば、原油が、仮に「0」となったとしてもここから20ドル余であり、100ドル前後から26ドルまで急落したことと比べると変化率としては大きいものではない。ましてや、伝えられる15ドルまで下げるとしてもここから10ドル余りである。

 ただ、原油安に伴う産油国の収入減と資金不足から先進国の金融商品を換金売りすることは考えられる。実際、日本株急落の背景にはオイルマネーの売りがあったと言われる。22日に日経平均が急反発したことはオイルマネーの第1弾の売り注文は一巡した可能性はありそうだ。今後も売りが出るのかどうかには引き続き注意が必要だ。

 NYダウは、昨年8月25日の安値(終値)1万5666円に対し100ドルのところまで下げたが、なんとか踏み止まっている。このまま底打ちとなるかどうかは今の時点では分からない。ただ、29日の米10〜12月のGDP発表、さらに、2月5日発表の雇用統計において共に良好な数字ということなら足元の景気堅調を評価して反発に転じる可能性はありそうだ。

 一方、日本国内では、安倍内閣が重要閣僚の資金問題でガタついている。内閣支持率が回復に向かっているときであり、かつ、参議院選挙を控えているタイミングだけに問題が長引くとマーケットにもマイナス材料である。

 円高傾向も続いている。円高というより、「ドル安」というほうが正解と思われる。利上げ後アメリカとしては、今、採れる景気対策はドル安くらいと思われるだけに、この先もドル安(円高)は続く可能性はありそうだ。円高は当然、日本の主力(輸出関連)銘柄にはマイナス材料だけに、この先、発表の控えている3Q決算で利益下方修正の心配がある。

 仮に、下方修正でも小幅なら株価には、あるていど織込んでいるとみられるが、大きいものとなれば影響は避けられないだろう。

 来週は、NYダウの動向を睨みながら上値を探る展開が予想される。
posted by 犬丸正寛 at 15:32 | 株で見る世の中

2016年01月15日

昨年夏安値までNYダウ700ドルに対し日経平均43円、この違いが今後の相場を分ける=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

■決算発表接近で業績見極めの展開

 NYダウ、日経平均とも昨年夏の安値に接近している。NYダウは昨年8月24日の安値1万5370ドル(場中値)に対し14日(木)には1万6075ドルと安値まで705ドルのところまで接近、日経平均も昨年9月29日の1万6901円(場中)に対し14日には1万6944円とわずか43円のところまで下げている。

 NYダウは安値まで700ドルとまだ余裕があるのに対し日経平均は僅か43円。この違いはどこにあるのか。昨年夏の下げ、そして、現在の下げにおいて、日米とも、「中国経済問題」が共に大きいウエート占めているが、特に、日本のマーケットにとって大きい違いは、昨年夏にはなかった。「円高」が圧し掛かっていることである。さらに、昨年夏にはなかった米国利上げが決まったということもある。

 中国問題は、日米とも経験済みの材料ではあるが、日本にとっては、「円高」は、降ってわいた悪材料である。円高は、アベノミクス第1章の主力銘柄であるトヨタ自動車などの業績を下振れさせる可能性がある。むろん、アメリカにとっては金利引上げによる景気押し下げの懸念はあるが、現状は景気好調で直ちに影響が出るということではない。

 結局、日本の景気対策がなく、このまま円高が進めば、日経平均のNYダウに対する弱点が露呈され日経平均は昨年9月の1万6901円を下回る可能性がある。ただし、むしろ、安値を更新した時点で量的緩和が発動となる可能性はあるだろうが。

 マーケットでは、物色銘柄に変化の兆しが顕著となってきている。(1)世界経済情勢が厳しさを増し主力銘柄は手掛け難くなっている、(2)アベノミクス第2章入りで、第1章の主役輸出型銘柄から第2章の主役である内需型銘柄がクローズアップ、という背景がある。

 とくに、15日の川崎重工業のブラジル事業失敗ともいえる多額の特損発生は、今後、新興国を含む海外事業比率の高い銘柄に対し警戒感を高めるところとなっている。

 これから、12月期決算、3月期・第3四半期決算の発表を控え、業績の良し悪しが株価に大きく反応するとみられることから業績面からの選別が鮮明となってくるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 16:06 | 株で見る世の中

2016年01月08日

日米とも自律反発のタイミング、中期では米が政治空白の可能性で上値限定的=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望

 来週(12〜15日)は、NYダウと日経平均でみれば自律反発の見込めるタイミングといえるが、しかし、NYダウは政権の空白で多くは期待できないだろうし、日本も金融の量的緩和支援がないとNYダウ同様、せいぜい25日線まで戻すのが精一杯だろう。

 日米とも海外材料が株価を圧迫している。とくに、北朝鮮が年初に核実験を行ったことは、今年でオバマ政権が任期を終えることと無関係でもないだろう。任期期間中、経済では成功したものの、外交では必ずしも100点満点とはいえなかったオバマ政権である。北朝鮮とすれば、トランプ氏のような強硬な人が次期大統領となる前に自らの存在を強めておきたいという狙いではなかろうか。外交面だけでなく、経済面においても、もはやマーケットが期待する好材料は出尽くしている、という見方でNYダウの下げに歯止めが掛からない状況になっているとみることができるだろう。

 これから、11月の選挙までアメリカは政治空白となる可能性がありそうだ。とくに、昨年8月の中国経済の先行き不安で大きく下げたNYダウが、短期間にショック前水準を奪回したことは、アメリカの中国に対する威信の現れだったのかもしれない。軍事面だけでなく、経済面においても、力の大きさを見せ付けようとする中国に対し、オバマ政権のせめてもの抵抗だったのかもしれない。とすれば、NYダウは、昨年8月の水準(8月24日安値=場中1万5370ドル)まで、「往って来い」となる可能性はありそうだ。

 もちろん、短期的には、短期急落で相場自体の持っているリバウンド力で日米とも反発はありそうだ。とくに、今夕発表の12月分・米雇用統計が良ければ、米国景気堅調と解して反発となることが予想されそうだ。

 そうなれば、日経平均も反発が予想されるだろう。昨年12月1日の20012円から8日の場中安値1万7509円まで、わずか1カ月で2503円も急落したことから当然のリバウンドは予想される。そこへ量的緩和が加われば、再び2万円を目指す展開が予想さるだろうが、何もなければ、引き続き海外材料の影に怯える相場が予想されそうだ。

 とくに、これまで、相場の柱だったトヨタ自動車が大きく崩れたことでマーケットの主役が不在となっている。もちろん、トヨタも自律反発は見込めそうだが、これまでと違って、「円高」と、「アメリカ景気」に対する不透明感が重なって戻りは限定的だろう。とくに、1月末に月足・終値が24カ月線を維持できるかどうか微妙な局面にある。仮に、24カ月線を割り込むと2012年11月以来となってチャート上では下げ基調に転換することになってしまう。主役トヨタの行方が相場全般の行方を握っているといえる。

 投資スタンスとしては、短期はリバンド狙い、中期では業績がよく、下値不安が小さく、2、3月の配当利回りのよい銘柄の下値を拾うのがよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 18:00 | 株で見る世の中

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