一つ二つより、手間かけても百から選ぶが…
熟し柿は取りに行くもよし落つるを待つも…
知らない株に手を出すなは昔のこと 難し…
相場格言
2015年12月25日
整理整頓売り一巡し「棹尾の一振相場」の展開か=犬丸正寛の相場展望

■16年は物色銘柄に主役交代の可能性も
来週(28〜30日)の日経平均は、「棹尾の一振」の展開となりそうだ。日経平均が6月に2万0952円の年初来高値をつけたあと9月に中国ショックで1万6901円(いずれも場中値)まで4045円の急落となり、この時のシコリが主力株中心にかなり残っているものとみられ、損金計上の税務対策の売りで師走相場は冴えない展開だった。28日(月)から来年受渡しとなることから整理整頓を終え、新しい相場となることは明るい点である。
ただ、新年相場入りとはなるものの相場の先行きには、依然、不透明感は漂っている。『円安から円高傾向』、『米国の金融政策一大転換』、『テロの脅威』、『中国及び新興国の経済減速』、『原油の歴史的な安値』、『アベノミクス第2章』、『売買単価の低下傾向』といったキーワードを挿入して眺めれば、相場の先行きに手放しの楽観はできない状況である。
とくに、最大の注目は世界景気の行方だろう。中国経済の減速が欧州や新興国経済に影を落とし、さらに、金融政策の大転換でアメリカ経済がこれまでのような機関車役を果たすことができるのかどうかである。原油相場が2008年水準の33ドル台へ下落していることは、世界景気がリーマンショック並みに元気のない姿を映していると見ることもできる。
一方、国内では3年が経過したアベノミクス効果が今後、どう現れてくるか。第1ステージの時のような、金利安=円安=主力株高といった、即効性と期待性は薄れている。3年という日柄自体が、アベノミクスという言葉そのものに新鮮味がなくなっている。かなり、思い切った政策が出ないと日経平均の上値を伸ばすことは難しそうである。
とくに、円高に振れてきただけにこれまでのように主力株が全般相場をリードする展開は期待し難くなっている。そこへ、アベノミクスの最終目的である、「大企業だけでなく中小企業及び地方も景況感を満喫する」ということが重なると、2016年相場は2015年の主力株一辺倒の展開から内需型の中低位株に目が向く可能性がありそうだ。この点において、2015年は売り越し基調だった個人投資家が売買を活発化させる可能性はありそうだ。久々に個人投資家活躍の年となる可能性がありそうだ。
posted by 犬丸正寛 at 18:00
| 株で見る世の中
2015年12月18日
年内は「モヤモヤ解消相場」、年明けは日米とも景気注視の展開へ=犬丸正寛の相場展望

1年もの長きにわたって、「ヤル・ヤラナイ」と、やきもきさせてきたアメリカの利上げ問題がはっきりした。7年におよぶゼロ金利政策が終了、来年は利上げの展開を迎える。気になるのは株価への影響であることは言うまでもない。
当面、少なくとも年内は、はっきりしなかった金利引上げ問題の霧が晴れたことで、「モヤモヤ解消相場」が続くものとみられる。しかし、年明けからは1本調子の上昇ということにはならないように思える。
アメリカは景気に配慮して、今後の利上げは小幅となることは予想されるが、しかし、今回の利上げ方針決定は、今の景気がこれ以上、好調となる必要はないというメッセージでもある。住宅、自動車の販売はバブルともいえる状況でこれ以上の拡大が続くとバブルが破裂したときの反動が大きいものとなる。
今後のアメリカ景気が小幅の利上げを吸収して緩やかな上昇を継続できるか、いわゆる、ソフトランディングができるかが注目されることになろう。このため、年明け以降のNYダウは景気に対する小さな変化に敏感となる展開が予想される。
2009年3月のボトムから約7年で、ゼロ金利と量的金融緩和によって約3倍に上昇してきたNYダウが、一大転機を迎えていると捉えておきたい。大きく下がることはないとしても、言えることは、これまでと同じような短期間で3倍上昇は難しいということだ。
一方、日経平均も2009年から約3倍に値上がりしているが、この間、アメリカが3度の量的金融緩和を実施したのに対し日本は2度の実施で、アメリカに習えばもう1度の金融緩和が見込めることになり、この点は日経平均はプラスである。1年強に迫った消費税10%を考えると最後の切り札の量的緩和は実施されるものとみられる。金融の支援が終わったNYダウと、金融支援の見込める日経平均ではこの点に大きい違いがあり、今後は徐々に日経平均はNYダウとは違った展開となる可能性がありそうだ。
物色の中心は引き続きトヨタ自動車など主力株ではあるが、政府の方針である、「東京から全国隅々まで景気の実感を」、「大手企業の好調が中小企業へも波及効果を」ということからもそろそろマーケットでは主力株だけでなく中低位銘柄にも物色の矛先が向いてくるものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 12:17
| 株で見る世の中
2015年12月04日
日米の景気政策に180度の違い、日経平均は徐々にNYダウ離れも、「新」と名のつくテーマ株浮上も=犬丸正寛の相場展望

NYダウは8月ボトムから3カ月上昇、上げ幅も約2600ドルに達したことから、利上げに敬意を表して調整するところだろう。今後のNYダウの見所は、利上げ後のアメリカ景気と企業業績がどうなるかということである。直ちに見通しが明確となることは難しく、しばらくは高値圏でのモミ合いだろう。
一方、日経平均は去る1日に2万円台に乗せたことで短期的な達成感がある。しばらくは調整だろう。しかし、アメリカがゼロ金利解除から金利引上げの方向に向かうのに対し、日本は低金利の継続に加え第3次量的緩和が見込めるという大きい違いがある。
なぜなら、日本は来年の参議院選挙、17年の消費税引上げ、アベノミクス第2章、などを考えると、日本がアメリカのように金利引上げや金融量的緩和を止めることは考え難い。ポイントは、どの時点で第3次量的緩和を実施してくるかである。また、やるからには思い切ってやらないと、今回の欧州中央銀行の量的緩和が物足りないとされているように失望される心配がある。
日経平均は日米の景気対策の違いを背景に、日本の景気刺激策を見極める展開だろう。そして、徐々にNYダウ離れを強める展開とみられる。
日経平均は、2万円を挟み上値が2万0500円、下値が1万9500円のモミ合いのように思われる。日経平均採用型の主力銘柄だけでなく師走相場で材料株や新年相場で、「新」と名のつく、「新素材」、「新エネルギー」、「新薬」、「新装置(ロボットなど)、夢のあるテーマ銘柄が物色の前面に浮上しそうである。
posted by 犬丸正寛 at 13:20
| 株で見る世の中