相場格言

2015年08月28日

世界経済1〜3位国の株価が短期2ケタ急落はミクロよりマクロに最大の関心=犬丸正寛の相場展望

■足元好調の米国NYダウは暴落前水準奪回は見込めそう

犬丸正寛の相場展望 大荒れの相場である。震源地の中国の上海総合指数は直近高値の8月17日の3393ポイントから8月26日の2927ポイントまで短期間に466ポイント下落(13.7%)した。

 連れて、NYダウは7月20日のチャート上の山となっていた1万8137ドルから8月24日の1万5370ドルまで2767ドル下落(15.2%)、日経平均も8月11日のダブルトップとなった2万0946円から26日の1万7714円(いずれも場中値)まで3232円下落(15.4%)した。

 世界経済規模1位、2位、3位の主要国の株価指数がそろって2ケタの急落という姿である。

 背景は、企業業績などの、「ミクロ要因」ではなく、大手3カ国の経済・景気がどうなるかという、「マクロ」の問題である。「企業業績が好いのになぜ下げるんだ」という声も聞かれるが、リーマンショック後の景気回復で、アメリカ、日本とも企業業績が好いのは、既に、「当たり前」のことであり、今更、驚くことではなく、それ以上に景気がどうなるかが最重要問題となっているかだ。
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posted by 犬丸正寛 at 16:04 | 株で見る世の中

2015年08月21日

日経平均の7月9日場中安値攻防がポイント、キープできれば二番底=犬丸正寛の相場展望

■景気に対するリップサービスは期待できそうだ

犬丸正寛の相場展望 来週(24〜28日)は、日経平均がギリシャのデフォルト危機で下げた、去る、7月9日の場中安値1万9115円をキープできるかどうかが最大の注目点である。終値ベースでは、7月8日の安値1万9737円を下回ってきただけにプロがウオッチする場中値でも安値を下回ることになれば先行き厳しい相場展開が予想されることになる。もちろん、7月9日安値を維持できれば、二番底となって反発が見込まれる。

 7月9日当時との違いは、日経平均週足チャートが当時は26週線をキープしていたのに対し今回はかなり大きく割り込んできたことだ。それでも、2,3週で26週線を奪回できれば問題ないが、それ以上になるとアベノミクスに対する信頼がグラつくことにもなり日経平均はNYダウのように上値切り下げ型に転換する心配がある。来週は大事な週である。

 原油相場が40ドルぎりぎりまで下げるなど中国経済の下降を懸念して商品相場が軒並み下落している。中国発世界景気下降から物(商品)の需要が落ち込むという見通しである。中国は世界第2位の経済大国でありギリシャとは比較とならぬ影響がある。当然、アメリカ経済も影響を受けることから利上げは遠のきドル売りにつながり、円高となって日本のマーケットに激震となっている。しかも、朝鮮半島がキナ臭さを越えて軍事緊張が高まっていることも新たな懸念材料だ。

 日本でも4〜6月のGDPがマイナスに落ち込むなど景気に楽観できない状況となっている。ただ、アメリカが3度の金融量的緩和のカードを使い切ったのに対し日本はもう一回、緩和のカードが残っている。どこで使うかということはあるが、期待材料として日本株の下支えにはなる。

 順当に予想すれば9月の自民党総裁選挙、10月の内閣改造が終わったあとだろう。それまで、金融緩和等のリップサービスはあっても具体化には至らず、これから先、マーケットは引き続き中国問題に左右される安値圏での波乱相場が予想されそうだ。
posted by 犬丸正寛 at 14:33 | 株で見る世の中

2015年08月14日

猛暑の中にも秋の風、秋相場に備え戦略を練るところ=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 来週は日経平均が「二番天井」を形成してしまったのかどうかを見詰める展開が予想される。一方、年初来高値を更新したTOPIX(東証株価指数)は引き続き強い動きが予想されそうだ。

 日経平均は8月11日に場中値で2万0946円まで値を上げ、6月24日の年初来高値2万0952円にわずか6円まで迫ったものの抜くことができなかった。足元では、チャート派が嫌がる、「二番天井」の形となっている。来週、切り返して高値更新に進むのか、あるいは二番天井確認となって諦めムードから調整色を強めることになるのか。注目される週である。

 去る、7月9日の場中安値1万9115円で下値に対する目処はついているため短期資金及び中期資金とも押し目買い姿勢とみられるが、上値を追うだけの手掛かり材料も見当たらず、筆者は高値圏での横ばい相場ではないかとみている。

 NYダウは、去る7月9日のギリシャ不安で下げたとき以上に8月12日の中国・元切り下げでは大きく下げた。場中で1万7125ドルと最高値である今年5月の1万8351ドルから約7%下げた。安値でのチャートが、長い下ヒゲとなったため下値は確認したとみられるが、NYダウが中国問題をギリシャ問題以上に懸念していることは一連の動きからみて明白であり今後も中国問題でNYダウは安値圏で揺れ動くものとみられる。

 国内では3月期決算銘柄の第1四半期決算や6月期決算銘柄の発表が一巡、これから、7月期、8月期決算銘柄が注目されるだろうが、全般相場に与える効果は限定的だろう。

 政局は安全保障関連法案の参議院成立が最優先の状況で総理の戦後談話、沖縄との話し合いなど柔軟姿勢。9月の自民党総裁改選でも無投票で安倍総裁が決まる見通し。10月の新内閣発足まで足元ではマーケットに対しインパクトとなる展開はなさそうで8月後半から9月にかけては、「無風相場」となる可能性がありそうだ。

 こうした中で気になるのはやはり中国の動向だろう。去る、7月8日の上海総合指数が3507ポイントまで下げたことで、1度目の株価の嵐は収まり、続いて中国・元の3日連続切り下げで通貨の嵐も、ひとまず一巡したとみられる。

 となると、もう一度、上海総合指数がどう動くかが注目される。戻りいっぱいから先の安値を切って3000ポイントまで下げることになるのかどうか。相場というところの「業績悪を売る」相場に移るのかどうか。中国の場合は共産主義体制だから中国の経済そのものがどうなるかに関心が移っていく。今回の天津の化学工場爆発事故が、単なる事故か、あるいは体制の綻びなのか、世界の眼は注意深く見守っていくことになるだろう。

 世界経済規模第2位の大国中国だけに先行きに目処がつくまで世界のマーケットの上値を押さえることになるだろう。

 猛暑の中にも秋を思わせる風が感じられる。ここは、猛暑で痛めつけられた体を休めるところだろう。相場に対してもひと休みして秋相場の戦略を練るところではなかろうか。
posted by 犬丸正寛 at 15:06 | 株で見る世の中

2015年08月07日

マーケットは明らかに主力株から出遅れ株買いの流れ、TOPIXが07年高値更新まで継続も=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛の相場展望 足元の相場では、これまでにない大きい変化がみられる。TOPIXが7日連続高となって8月6日に年初来高値を更新したのに対し日経平均は6月24日に年初来高値をつけたあともたついているのとは対照的な展開となっていることだ。

 視線を拡大してみると、日経平均が2007年高値を更新済みであるのに対し、TOPIXは2007年7月の1796ポイントに対し1688ポイント(8月6日)とTOPIXの出遅れていることが最大の理由である。

 もちろん、TOPIXの出遅れ指摘は今に始まったことではなく言われ続けてきたが、これまでは、あまりにもトヨタ自動車など主力銘柄への注目度が偏っていたため出番がなかったといえる。ここに来て、主力銘柄の動きが鈍くなり比較感から出遅れ感のある銘柄に物色のホコ先が向かい、結果としてTOPIXが上昇している姿といえる。

 「主力株は買っても儲け難くなった。すでに、主力株は外国人投資家、年金などがかなり腹一杯に近い状態になっているのではないか。仮に、主力株の上値があるとすれば日銀の第3次量的緩和くらいだろう」(元証券会社場立ち・個人の自宅ディーラー氏)との見方もされている。

 最近の主体別売買動向では、外国人投資家は見送り基調で、個人投資家も内閣支持率低下を嫌って売り越しに転じ、年金等が下支えしている状況ということだ。

 政策が安全保障関連法案に向いている現状では、景気対策等は期待できないだろう。その中で、17日に発表の国内4〜6月GDPが、想定されているマイナス成長となった場合、政策がどう動くかが当面の最大の注目点だろう。仮に、4〜6月がマイナスだった場合、一過性と判断して政策の動きがない場合は一気にマーケット人気は冷えることも予想される。

 4〜6月期決算の発表がほぼ一巡したが、主力銘柄のトヨタ自動車は通期見通しの増額がなかったことで大きく下げた。それでも、日経平均がしっかりしているのは日経平均寄与度の高い主力銘柄に代わって3,4番手銘柄が見直されていることがある。これは、TOPIX高に繋がることでもある。

 NYダウは6日まで6営業日連続で下げ、依然、利上げ時期と回数、利上後の景気・企業業績の行方を見守る展開となっている。今日発表の7月分雇用統計で9月利上げの可能性の目処がつくものとみられ、NYダウは一旦は反発に向かうだろう。

 ただ、中国経済の先行きは不透明でもしも下げ止まっている上海総合指数が3000ポイントを割るようなことになればNYダウ安、日経平均の下げは避けられないだろう。

 景気、企業業績、需給関係の面からマーケットの物色対象は、「主力株」から、「出遅れ材料株」に向かっているものとみられる。少なくとも、TOPIXが2007年の高値を更新するまでは「出遅れ株優位」の展開とみておくのがよさそうだ。
posted by 犬丸正寛 at 13:03 | 株で見る世の中

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