一つ二つより、手間かけても百から選ぶが…
熟し柿は取りに行くもよし落つるを待つも…
知らない株に手を出すなは昔のこと 難し…
相場格言
2015年05月29日
外国人主導で強調相場の可能性強いが、個人の中長期はもうしばらく様子見が賢明=犬丸正寛の相場展望

同時に昔から、『記録破りは天井と心得よ』とも教えている。今回の連騰記録は1988年2月の13連騰以来ということらしい。この記録更新の可能性もあるだろう。
ただ、1988年頃とは違う点も多々ある。当時は1989年のバブル相場で日経平均が3万8915円をつけた頃である。今回の日経平均は連騰とはなっているものの
バブル最高値に比べ現在はまだ47%も下にある。とくに、当時は中低位の数量銘柄も買われ出来高も活発で投資参加者の多くが熱狂的だった。
今回は中低位銘柄がほとんど放置されたままで、とくに、今回はJPX日経400に代表される選ばれし銘柄が中心の相場である。さらに、今回は個人投資家は冷静で、むしろ、利食い売りを優先させている点が大きい違いといえる。
今回の主役は外国人投資家である。日本企業がROE重視経営に転じたことでROEが10%を超える銘柄を中心に買い進んでいる。こうした優良銘柄は個人投資家がそうとう利食っていることから需給関係がよく、機関投資家の思うがままに近い相場展開になっているといえるだろう。この点からは、まだ優良株相場は継続する可能性があり、日経平均の上値も記録破りとなる可能性はありそうだ。
ただ、いつまでも上がり続ける相場はない。今のドル高についても、売り立てた筋の買い戻しが中心とみられ買い戻しが一巡すればドル安(円高)に振れる可能性はあるだろう。ドル高の背景をアメリカ景気の強いこと、年内利上げに求めるには弱い材料と思われる。この数カ月のアメリカ景気はさほど変化はなさそうだし、年内利上げも今、急に言われ出したことではないからだ。
短期狙いの個人投資家は主流銘柄に飛び乗り飛び降りでついて行くのがよいだろう。しかし、乗り遅れ気味の中長期投資家はもうしばらく新規買いは様子を見るところだろう。外国人投資家がバカンスを迎える夏場の動きを見てからでも間に合うものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 15:08
| 株で見る世の中
2015年05月22日
日米とも新高値だが勢いに欠ける、材料株の動きやすい地合いで個人投資家向きの展開か=犬丸正寛の相場展望

金融機関が3月第1週以降売り越し、個人も売り越し基調となっている。一方、外国人投資家が買い越しを継続、足元の2週間で投信が買い越しに転じているという状況である。とくに、個人投資家は5月第2週で1726億円と規模の大きい売り越しでこれが相場の上値を押さえている可能性はある。
外国人投資家、投信も上値を勢いよく買い上がるスタンスのようにもみられない。やや、斜め読みすれば、外国人投資家、投信等はこれまでに買った株の値下がりによる損失を避けるために値をキープする狙いから買っているようにもみえる。
日米とも景気、企業々績に対する見通しがもうひとつすっきりしないことがあるようだ。年初、アメリカは6月利上が濃厚とみられていたが、足元でのFOMC議事録では6月利上反対が多数だったという。裏を返せば今は利上げできる景気の状況ではないということになる。実際、NYダウの1株利益は昨年夏から高水準ながら横ばい状態が続いている。
日本の今年1〜3月の実質GDPは年率2.4%と2四半期連続でプラスとなった。景気は着実に上向いているが、タクシーに乗っても運転手は、景況感の良さは全くないという答えで、指標だけが上向くという手応えの感じられないところがある。日経平均の動きと非常によく似ている。
3月期決算発表がほぼ一巡した。日本経済新聞の報道では製造業好調に対し非製造業は横ばいていどで全体としては経常利益は15年3月期で6%程度の増益、16年3月期は8%台後半の増益という。16年3月期はマーケットが期待した2ケタ増益には手が届かない。このあたりも相場に対しモヤモヤした雰囲気となっているようだ。
外国人投資家が売りに回らない限り相場反落はないとみていいが、この先、外国人投資家がどこまで日本株を買い続けてくれるかは未知数だ。このあたりが、今後の相場のポイントだろう。
3月期決算一巡で材料的には空白となってくる。これから夏場には材料株の動きやすい地合いとなってくることから材料株好みの個人投資家にはおもしろい相場となることも予想される。
posted by 犬丸正寛 at 17:00
| 株で見る世の中
2015年05月15日
相場の流れに変化の兆し、夏枯れ相場控え出遅れ銘柄に照準=犬丸正寛の相場展望

(1)売買代金が横ばいとなる中で出来高が増加傾向にある。
(2)売買単価が低下傾向にある。
(3)外国人投資家が売り姿勢の傾向にある。
(4)日経平均のNYダウに対する優位性が薄れる傾向にある、といった点である。
5月連休以降、東証1部の売買代金は2.6兆円前後で、横ばいだが、出来高は1日平均26.5億株と4月末頃の20億株前後に比べ約3割ていど増えている。これは、同じマーケットへの流入資金で物色されている銘柄が数量銘柄へ移行していることを物語っている。裏付けるように売買単価は去る11日には一時983円と3カぶりに1000円を割り、ピークの1346円(3月13日)から約27%下落している。
この背景には外国人投資家が5月第1週で5週間ぶりに売り越していることがある。決算対策で一部利益確定に動いているものと思われる。言うまでもなく外国人投資家は日本企業がROE経営に目覚めたことで高ROEの値ガサ優良株中心買っていた。彼らが売り越しに転じてきたことは値ガサ優良株の上値は重くなることを意味している。
外国人買いをバックに日経平均はNYダウに対し優位に展開、4月23日には日経平均のNYダウに対する上ザヤは2129円に達していたが足元では1310円までサヤが大幅に縮小している。
こうした点と3月期決算発表の一巡、さらに、これから向かえることになる夏枯れ相場を想定すれば、先行した値ガサ優良株に代わって、やや値の低い銘柄で業績がよく材料含みの出遅れ銘柄が物色の中心に置き換わってくるものとみられる。
posted by 犬丸正寛 at 14:34
| 株で見る世の中
2015年05月08日
アベノミクス満喫の優良銘柄に買い一巡感、出遅れ銘柄への物色が活発に=犬丸正寛の相場展望

もっとも、日経平均は連休入り前の4月30日に538円の大幅下げとなっていたから連休明け後も大幅下げの流れを引き継いだ展開といえる。
背景には、日米とも景気の方向感が定まらないことがあるだろう。実際、NYダウは今年3月2日の最高値1万8288ドル以降、2カ月強にわたって高値圏でモミ合っている。日経平均もNYダウの後を追うように高値圏でのモミ合いに移行している。
今後も大筋では米国は金利引き上げのタイミングとその前提となる景気の行方を見守るモミ合いの展開が予想される。金利上げの条件としては原油相場の上昇とドル高是正があると思われる。どちらも現段階では米国製造業に対し重石となっているからである。重石が外れれば利上げに進みやすくなる。
posted by 犬丸正寛 at 17:00
| 株で見る世の中