2008年04月30日

松下電器産業 『月足&週足&日足』チャート診断

松下電器産業<6752>(東1)

【月足】チャート
2000円割れ水準で底値確認の強い足、4月「買い転換」なら2006年4月の2870円を目指す
6752月<
 2003年7月に1425円で24ヶ月線を抜いて「買い転換」、2007年7月に2175円で同線を切って「売り転換」するまで上昇相場を続けた。現在は24ヶ月線の下に位置し調整局面。
 しかし、月足で注目されるのは、2000円割れを2007年8月(安値1912円)、9月(安値1912円)、10月(安値1965円)、2008年2月(安値1960円)、3月(安値1964円)と、5度にわたってつけているが、そのまま下に行かなかったことだ。そのため、「2000円割れ水準は底値」、との判断で一致。ここ、業績好調を手がかりに急速に出直り、この日(30日)、2380円以上で引けると「4月・月足」は24ヶ月線を上抜いて「買い転換」となる。2006年4月の2870円を目指すだろう。

【週足】チャート
信用買残増え短期資金が流入、先ずは2500円ノカベに挑戦
6752週
 先ず、第一に注目されるのは「信用買残」が、3月後半から増加に向かっていることだ。一般に信用買残の増えることは、マイナスと受け取られているが、逆である。信用取引を使える投資家は経験豊富で、相場の先行き見通しに、かなりの自信を持っている。松下電器に信用買残が増えてきたことは、月足でも触れたように、2000円割れで下がらなくなり、上昇に転じるとの読みが働いているためだ。
 同社株の週足は、昨年11月以降、26週線を挟んだモミ合いとなっている。この間、買い転換が3回、売り転換が4回と、かなり目まぐるしい。しかも、ダマシ足が目立つ。現在の26週線自体は2200円どころに位置しているので今週は26週線を上回って、買い転換となることは間違いない。
 上値には、2500〜2650円にかけてかなり厚いカベがある。仮に、その水準を抜いたとしても次は3000円のカベが待ちかえる。信用買いという足の速い短期資金中心では、こうしたカベを抜くことは無理であろう。外国人投資家、国内の機関投資家等の腰の入った現物買いが入るかどうかが、上値を占う材料となろう。今の段階では、サブプライムでやられている外資にはその元気はなさそうだ。

【日足】チャート
一方通行の動き目立ち、一旦は吹き値売りも
6752日
 日足では、1部上場銘柄とは言い難い、荒い動きが目立つ。上げ下げ、一方通行的な動きを見せている。このため、デイトレーダーにはぴったりの銘柄であろう。
 昨年12月6日の2380円と、12月4日の同じく2380円でダブル天井をつけていた。今日は2395円とダブルトップを抜いてきたため、日足での次のフシ2650円(昨年10月13日)を目指すものとみられる。ただ、指摘の通り、日足では一方通行も動きが強いだけに、吹いたところは目先天井の可能性がある。


長期なら新生「パナソニック」背景に勝ち組家電として
2000年の上場来高値3320円更新が期待できる


【総評】
松下電器産業のホームページ 決算発表で、09年3月期も増益が明らかとなった。少子高齢化などで、国内需要が縮小となる中で、家電業界の再編が進行する方向にあり、同社が「家電の雄」として、勝ち組の強さを発揮する方向にある。
 このため、長い目で見れば、今年秋の「パナソニック」への社名変更を契機に、長い間、言われてきた「マネシタデンキ」から決別し、家電2番手から世界の家電メーカーとして生まれ変わり、2000年3月につけた上場来高値3320円を更新するだろう。ただ、一気にそこまではマーケットの地合いが悪く、上値のフシも多いだけに、長期で下値を切り上げる動きだろう。
posted by 犬丸正寛 at 13:20 | ちょっと気になる銘柄

2008年04月28日

ヨネックス 『月足&週足&日足』チャート診断

ヨネックス<7906>(東2)

【月足】チャート
まもなく24ヶ月線上抜いて買い転換が近い
7906月
 2008年1月に949円と急伸したが、終値では24ヶ月線を上回ることができず、「買い転換」にはならなかった。2、3月にも同じように上ヒゲ足を出し、買い転換にはもう一歩の状態だが、こういった長い上ヒゲ足の続くことは、戻り待ちの売り物が頭を押さえているものの、上値慕いの動きといえる。4月は30日に800円以上で引けると、待望の月足買い転換となる。できれば、820円程度で終われば、強い買い転換となるだけに30日の動きが注目される。
 振り返って見れば、株価が24ヶ月線を上抜いたのは2001年6月(株価424円)と、日経平均よりはるかに早く買い転換した。この意味では、同社株は全体相場よりひと足もふた足も早く動く習性があるといえる。現在も、全体相場が沈滞気味だけに同社株が動く地合いは整ってきたたといえる。
 2001年6月に買い転換した株価は2006年5月に24ヶ月線を切って(1020円で)売りに転換したが、売り転換前の2005年3月には高値1330円があった。買い転換の424円に対し高値1330円まで3.1倍、売り転換の1020円まで2.4倍という月足パフォーマンスだった。ダマシのないチャートだけに仮に4月に買い転換すれば素直についてみたい。

【週足】チャート
「明けの明星」が出現で先高期待は強い
7906週
週足で注目されるのは1月後半の動き。週足・大陽線で26週線を上抜いており、「明けの明星」足が出ていることだ
。この足が出れば、ほぼ100%の確率で上値が見込める。現在まで800円前後でのモミ合いとなっており、26週線自体が上向きに転じてきただけに、まもなく上昇相場に入るとみられる。その場合の上値メドは、第一目標が2006年12月の1050円、第二目標は2005年秋から2006年3月までモミ合った1200円ゾーンだ。

【日足】チャート
800円前後の動きが煮詰る
7906日
 今年1月28日に瞬間949円があったが、基本は2月から現在まで800円を挟んだ小幅往来の動きだ。とくに、日足「終値」で見れば、4月14日に30日線を上回ってきたところである。30日線自体が上向きに転じ、終値足も煮詰ってきただけに、日足での出番も到来しているといえるだろう。

今年から若手ホープの石川遼プロと契約でゴルフ用品伸長に期待。押し目積極買い

【総評】
ヨネックスホームページ 今年から、ゴルフ界で若手のホープ「石川遼プロ」とゴルフクラブ、ウエアなどでスポンサー契約を結んだ。4月のプロ開幕戦では、優勝こそ逃したものの大活躍した。08年3月期は営業利益13億円(54%増)となったもようで、09年3月期も石川プロ効果、オリンピック年効果で、ゴルフ用品及びバトミントンなどの伸長で営業利益16億円と続伸が予想される。
 日足、週足の動きは非常によく、月足が24ヶ月線を上回って買い転換するかどうかの月足の動き待ちといえる。押し目積極買いでよい。
posted by 犬丸正寛 at 16:06 | ちょっと気になる銘柄

2008年04月25日

任天堂 『月足&週足&日足』チャート診断

任天堂(7974)

【月足】チャート
「24ヶ月線」の上に位置し依然上昇基調だが、2007年11月の高値は乖離率130%の異常値
7974週
 2004年5月に24ヶ月線を上抜いて「買い転換」、現在も24ヶ月線の上で推移している。買い転換の時の株価は1万1300円。2007年11月には高値7万3200円まであったから、買い転換サインに素直に反応した人は6.5倍の値上がりを享受したことになる。
 現在、24ヶ月線自体は4万円程度に位置し、4月25日の株価5万7600円はこの24ヶ月線に対し44%の上方乖離率と高い。このことが、好決算発表にもかかわらず株価が反応しない理由となっている。実は、2007年11月に高値7万3200円をつけた時点での乖離率は130%程度にも拡大していた。もちろん、同社株にとって、過去最大の乖離率であり、他には、仕手化した一握りの思惑銘柄しかないという、「異常数値」であった。
 言うまでもなく、「月足」と「業績」は連動する。現在の業績絶好調を、「満月状態」と捉えて、株価が2007年11月の7万3200円で織り込んだとすれば、株価は高値更新は無理ということになる。もちろん、株価が24ヶ月線を割り込んでいりわけではないので、売り転換とはなっていないが、戻りがあれば手をすかすことも考えておく必要がある。

【週足】チャート
週足は「26週線切り」売り転換、信用利用の短期狙い資金も関心示さず
7974月
 週足ベースでは「売り転換」となっているところが、最大の注意点。2003年6月に26週線を上抜いて8340円で「買い転換」し、2008年1月に26週線を切る(6万円)まで、長期上昇相場が続いた。26週線乖離率では高値7万3200円では50%に達していた。この数値はIT相場で2万4700円の高値をつけた当時の50%乖離率と同じであった。この点、月足の乖離率よりは参考になるデータであったといえる。
 26週線を切ってから本格的な調整となり2月には安値4万5600円まで高値から約38%下げた。「Wii」や「DS」が絶好調なのに、どうして下げるのかという個人投資家の戸惑いとなっていた。「サブプライム問題の影響で、同社株の相場が終わったわけではない」という見方となっていた。底打ちから2月後半には5万4900円まで戻したものの、26週線を抜くことはできなかった。
 「信用買残」は、ひと頃よりかなり減少して、売り物は薄くなっている。しかし、信用買残が減少することは、経験豊かな短期狙いの資金が魅力を感じ得なくなったことも意味している。つまり、「売り物薄す」の中を戻すことはあっても信用買いを背景とした力強い上昇は期待できないということになる。仮に、高いところがあっても「上ヒゲ足」になる可能性うを含んでいる。

【日足】チャート
日足は30日線挟んだモミ合いで気迷い状態
7974日
 高値7万3200円をつけた前後の30日線との上方乖離率は約30%。日足ベースはこの30%乖離率が同社株にとってほぼ上限。そして、30日線を切って「売り転換」したのが2007年11月8日の6万3800円。高値7万3200円をつけた2007年11月2日の1週間後に売り転換していたわけだ。ここに、月足、週足よりもキメ細かい動きを掴むことのできる日足の強みがみられる。もちろん、日足では買い転換、売り転換が短期間に繰り返し出るので月足、週足と併用することが大切。
 実際、安値4万5600円(をつけた後の戻り相場では30日線を挟んで、買い転換、売り転換の連続で「気迷い状態」となっている。とくに、日足では6万円手前が上値のフシとなっている。もしも、抜けないようだと日足ダブル天井の可能性も出てくる。

もし「Wii、DSに飽和」の記事が出たら急落の可能性非常に強い。持ち株は戻り売り優先

【総評】
任天堂ホームページ 月足では24ヶ月線を切ってはいないので上昇基調をキープしている。しかし、週足、日足でみれば微妙な上値の重さが出ており心配。
 特に、月足の24ヶ月線乖離率が130%と異常値だったことは、相場格言にもあるように、『相場は異常値で天井をつける』とあるから、2007年11月の7万3200円は歴史的な高値になった可能性も否定できない。今後、wii、DSに対し「世界需要に飽和感」、といった材料が出れば間違いなく、24ヶ月線を切る下げは避けられない。振り返って、新日本製鉄が2007年7月に高値964円をつけたときは、「日本の公園からスベリ台が盗まれるほどの鉄不足の異常だった」。結局、新日鉄は1000円を期待されながら遂に達成できなかった。任天堂には今も10万円の期待は強い。しかし、現在が「満月状態なら、後は、月が欠けて行く順番」である
posted by 犬丸正寛 at 11:38 | ちょっと気になる銘柄

2008年04月24日

三菱商事 『月足&週足&日足』チャート診断

三菱商事(8058)

【月足】チャート
24ヶ月の上に位置し2003年6月以来の上昇相場継続
8058月
 2003年6月に833円で24ヶ月線を上抜き、「買い転換」して以降、現在も24ヶ月線の上に位置している。同業の伊藤忠が2007年12月、丸紅は2007年11月にそれぞれ24ヶ月線を切り、売り転換しているのに比べると、同社株の強さが目立つ動きだ。(ただし、ここで言う、転換とは24ヶ月線を月末の終値で上抜く・下回る、ことを条件としている)。
 三菱商事も24ヶ月線を切りそうになった「危ない場面」はあった。2007年11月のことだった。瞬間、2245円の安値まであり、前月10月の終値3060円に対し815円も下げた。このままなら当然、売り転換となるところだったが、終値では24ヶ月をわずか20円上回り、売り転換を免れた。結局、長い「下ヒゲ足」となって下値抵抗力のあることを示すものとなった。このことが、4月に入って3600円台まで買われる背景となっている。
 今後の見所は、2007年10月につけた上場来高値3810円を抜くことができるかどうかである。抜けば4000円台は十分に見込めるが、抜けないようだと「ダブル天井」となる。とくに、24ヶ月線自体が上昇して、高い位置にまで来ているので、その場合は、24ヶ月も割り込む調整が予想される。5,6月の月足から目が離せない。

【週足】チャート
ダブル天井の可能性も残るが、カラ売りも仕掛け難い局面
8058週
 週足では2007年6月以降、概ね、3000円を挟んだ上下700〜800円幅の往来相場。26週線との関係では、上方乖離率20%で天井、下方乖離率20%で底値の動きとなっている。現在は26週線に対し11%程度の上方乖離率で、過熱感はない。仮に、現在の26週線に20%乖離率を当てはめて上値を測定すると3770円程度となる。昨年11月の高値3810円には、過去のデータ上では届かないことになり、週足でのダブル天井の可能性も出てくる。
 この時点で、買い方が短兵急に上値を買うようだと高値更新は難しい。仮に、抜いたとしても「鬼より怖い一文新値」の恐れもある。とくに、26週線自体がまだ下向きの状態にあるため、「26週線自体が上向き」となる6月頃まで待ってから上値を追う動きなら高値更新から4000円が見込まれる。参考までにカラ売りの「売り方」を見ると、若干、売残が増加しているが、それ以上一気に増えないところをっみれば、「どのような形で天井形成をするのか」を見詰めているものといえるだろう。

【日足】チャート
動き良好で4000円台の可能性強い
8058日
去る3月28日に30日線を上抜いて(3020円)以降、買い転換し上昇が続いている。ただ、4月15日に3630円と買われた時点で、30日線との乖離率が15%に達し、「過熱」サインを出している。その後3400円まで小幅調整し23日には3640円と出直ってきたが、現在の乖離率は5〜6%まで下がって、過熱感は薄れている。現在の30日線の15%乖離率を当てはめると4050円程度の上値計算値になってくる。日足の動きは非常に強く、弾みがついているので一気に4000円へ行く可能性が強い。

【総評】
資源価格高止まり背景に好業績で押し目買い可能

三菱商事HP 三菱商事(8058)の2009年3月期の連結純益は6000億円(前期推定に対し46%増)と伝えられた。この材料で日足が強い動きとなっている。原油価格の高止まりに最近は食糧価格の高騰で、とくに、資源エネルギーに強い同社にとって環境は悪くない。「世界景気悪化で、商社の業績悪化が予想されたが、少なくとも資源価格の高止まりが続いている間は業績は良好が見込める」とのマーケットの見方だ。また、「総合商社首位の三菱商事の株価が上昇することで、シコリの多い、一連の商社株の救済にもなり、マーケット参加者は全員が上げ賛成だろう」との期待だ。結論としては、5,6月中に4000円台に乗せる可能性が強いといえるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 15:23 | ちょっと気になる銘柄

2008年04月23日

野村ホールディングス 『月足&週足&日足』チャート診断

■野村ホールディングス(8604)

【月足】チャート
調整局面継続、下値ノフシは1304円
8604月足
 2005年9月に24ヶ月線を上抜いて、「買い転換」(1761円で)。その後、2007年2月に高値2870円までつけたが、期待された3000円乗せは成らず失速。07年7月に24ヶ月線を切って「売り転換」(2290円で)、現在はこの調整場面にある。インサイダー取引で社員から逮捕者を出したことで、売り材料となり4月23日には1554円まで下げた。このように、24ヶ月線を切っている相場では、悪材料がことのほか大きく響く。月足での下値のフシは2005年8月の1304円だが、当面は週足との関係で、一気にそこまで下がるかどうかは見通し難。

【週足】チャート
当面ダブル底形成で底堅く、売り方が再攻勢の様子見
8604週足
 2007年6月に2400円で26週線を切って「売り転換」、月足よりほぼ1ヶ月早い転換。以来、現在まで一度も26週線を上抜く場面はなく、2007年12月に26週線まで戻すのが精一杯だった。週足では、一応、今年1月の安値1395円、3月の安値1401円で「ダブル底」を形成しているため、当面は、@「三番底」形成となるか、Aダブル底を割るか、どうかが見所。仮に、割るようなら、「月足」での下値ノフシ1304円向けて下げるだろう。注目されるのは、このところ増加傾向にある「カラ売り」。売り方が攻勢をかけてくるかどうかも見所になる。

【日足】チャート
「終値」で1500円を維持できるかどうかがポイント
8604日足
 今年1月に安値1395円をつけ1400円を割ったところで底打ち反転、売り方の買戻しと、戻り狙いの足の速い短期狙いの買いで2月26日に1832円まで戻した。安値から31%上昇したことで、格言の『3割高下に向かえ』、の教え通りの動きとなって反落した。3月18日には1401円まで下げたが、売り方が1月の安値1395円を意識した動きとなって買い戻しをかけ、再び戻しに転じた。4月4日に1730円、同21日に1716円と戻したものの、2月26日の1823円には遠く及ばず、上値の重さが印象付けられていたところへ、「インサイダーの悪材料」が出て急落した。日足ベースでも上値が切り下がっている、「形の悪い足」であり、特に、「終値足」で1500円を割ってくるようだと崩れ足となる。その場合は、「月足」での下支えが1304円まで無いだけに一段安は避けられない。

【総評】
インサイダー取引違反の影響はこれから本格化、新規投資は1300円台までできない

野村ホールディングスホームページ 「月足」では2005年7月水準の1309円があっておかしくない動き。「週足」「日足」ではダブル底となっているため、下げ渋りとなっているが、週足、日足とも1500円前後を切ってくるようだと一段安は避けられない。今度のインサイダー問題では、証券会社のM&A部署は、モノ作りの会社ならブラックボックス級技術にも匹敵する中枢部分であり、そういうところへ、市場ルールやモラルの確立していない中国人を使う野村の海外崇拝のぬかりがあったといえる。この悪材料の影響はこれからであり、「月足」をベースとした新規買いはこの段階ではできない。
posted by 犬丸正寛 at 16:27 | ちょっと気になる銘柄

2008年04月07日

是枝周樹社長に「経営への思い」を聞く

ミロク情報サービス<9928>(東2)売買単位500株

公認会計士事務所とその顧問先企業に
財務・会計・税務システムを開発販売


■平成23年3月期に連結経常利益30億7000万円を目指す

是枝周樹社長 ミロク情報サービス(9928・東証2部)は、税理士・公認会計士事務所約8400所と、その顧問先企業を中心とする約1万7000社の企業ユーザーに対し、財務・会計・税務システム等の開発、販売や各種サポートサービス、経営情報サービスなどの経営支援サービス事業を展開している。2007年(平成17年)11月に会社設立30周年を迎えたが、同社のこれまでの歩みを紐解くと、倒産に巻き込まれそうになったり、決定していた株式公開が延期となったり、決して平坦な道のりではなかった。創業者は現会長の是枝伸彦氏。2005年4月に代表取締役社長に就任した是枝周樹氏は会長の長男。「小さい頃の父はとにかく忙しい人で家に居た記憶がない。あとを継ぐ気持ちは全くありませんでしたが、仕事をやっているうちにおもしろさや奥深さを感じ、今は、そのことに気づかせてくれた父、そして私を育んでくれた多くのステークホルダーの皆さんに恩返しをしたい気持ちです」という是枝周樹社長に「経営への思い」に対するインタビューを交え、同社の歩みと展望を取り上げた。

■大型コンピューターのバッチ処理が一世風靡

――是枝伸彦・現会長(以下、会長として紹介)は、同社の母体となる『ミロク経理』の専務取締役だったとお聞きしています。
是枝社長
 そうです。ミロク経理と計算センター運営の『JACOS』が共同出資で『ミロク情報サービス』を1977年11月に設立、計算センタービジネスを主力としてスタートしました。設立時から会長は非常勤取締役として経営に参加、1979年から常勤取締役となり実質的な代表者として動いていました。計算センター方式とは会計事務所が端末機で入力した顧問先の日々の仕訳データをセンターの大型コンピューターでバッチ(一括)処理することにより計算処理手数料を得る受託ビジネスです。紙テープで入力し郵便か宅配で計算センターへ送り、データが戻るまで最低3日かかり、修正が入ると、さらに時間がかかりました。それでも当時のオフコンは入力の制限が多く、処理スピードも遅いため計算センターの方が上で、さほどオフコンを脅威とは感じていませんでした。

――ところが、同業他社が財務専用のスピードの速いオフコンを投入してきたのですね。
是枝社長
 ええ、目に見えて計算センターの利用客が減り、オフコンを手がける必要に迫られました。しかし、パートナーの『JACOS』はオフコン進出には乗り気でありませんでした。このため、1980年にJACOSと共同出資を解消、ミロク情報サービスはミロク経理の100%出資の子会社となり、さらに同年11月に会長がミロク経理より全ての株式を買い取り代表取締役に就任しました。ここで、ミロク経理とは資本関係が全くなくなり独立した企業となったのですが、会長が気に入っていた社名をそのまま残したことが後日、ミロク経理の倒産に巻き込まれることになってしまったのです。

■安価で優秀な機能を備えたオフコンが大ヒット

――この点はのちほど改めてお聞きしますが、独自でオフコンに進出されたのでしょうか。
是枝社長
 手がけました。しかし、やるからには、「家電感覚で高齢者でも簡単に使えなくてはいけない。競合他社より安価で便利なオフコンを開発して世に出せば必ず追いつき追い越せる」という強い会長の思いを持って臨んだのです。計算センタービジネスの終息をはかりながらオフコン事業を立ち上げる事業に着手したのです。1980年夏、わが社初のオフコン「ミロクエース・モデル100」を開発・販売しました。当時、財務専用オフコンは200万円以上だったのですが180万円に価格を設定。しかも、年間データ一括保有型に加えて漢字印刷が可能という優秀な性能を備えたものでした。

――一括データ保有型とは。
是枝社長
 一般のソフトは月次更新方式といって、いったん締めると過去に遡って更新ができませんが、当社のものは追加のデータを入力更新しても正しく月次決算書を作成できるというものです。また、それまでは勘定科目や商品名を入力するにはコード化された4ケタ程度の番号を打ち込まなくてはならずミス発生の原因となっていました。"エース100"では、勘定科目名が刻印されたアイテム・キーボードを採用したことで、たとえば「現金」という刻印されたボタンを押すだけで入力が可能という画期的なものです。2年で2000台を超える専用機を販売し会社は一気に拡大しました。さらに、1983年には会計事務所顧問先企業向け専用機「プロオフコン経理MJSモデル280」を投入。会計事務所と顧問先企業が同系統のシステムを活用することで双方の業務効率アップに貢献できたことにより販売は絶好調でした。

■かつての親会社が倒産、厳しい状況から脱却

――ところが思わぬ騒動に巻き込まれてしまった。
是枝社長
 好事魔多しですね。かつての親会社ミロク経理が300億円以上もの負債を抱え倒産してしまった。1980年(昭和55年)以降、資本関係はなく提携も取引もなかったのですが、社名が同じということだけで風評被害に巻き込まれ業績が落ち込みました。資本関係がなくなった時点で社名を変えることも考えられたのですが、「弥勒菩薩」に由来する社名は菩薩の心を持った優しく、社会に貢献する会社でありたいとの思いがあったため社名をそのままとしたのです。厳しい状況に追い込まれいつ潰れてもおかしくないほど落ち込みました。

――大変なご苦労と経験をされましたが、見事に乗り切られました。
是枝社長
 倒産した会社とは関係のないことを新聞で公告しようとしましたが、裏づけの取れるまでは掲載できないと断られ大変でした。しかし、悪いことばかりも続かず、1988年12月30日施行、89年4月1日実施の消費税法の特需が訪れた。消費税シミュレーションシステムを開発・販売。これが当った。納品まで3ヶ月待ちという状態で再び業績が上向きに転じた。それまでは株式上場には関心がなかったのですが、ミロク経理の倒産騒動が教訓となり財務体質強化の必要性を痛感し株式上場を目指すことを決意しました。

■上場計画が市場の閉鎖で延期に

――ところが、上場に当っても冷水を浴びせられてしまったのですね。
是枝社長
 1987年8月期決算では売上高53億円、翌年67億円、次は決算期を3月に変更し7ヶ月でしたが55億円と好成績で、さらに1990年3月期には128億円と100億円を突破しました。まさに消費税効果です。そして、店頭市場の公開が決まり、91年12月13日から入札開始、入札価格も2700円と決まりました。しかし、直前に証券界の損失補填問題で店頭市場が閉鎖され新規公開が全面延期されてしまった。翌年92年5月12日に再開されましたが、決算はやり直し、審査も厳しくなった。やっと92年7月22日に再承認を得て8月13日の公開となったのですが、入札価格は当初の価格を大きく下回る1375円、初値2000円のスタートです。

本社ビル――10周年の時は倒産騒動に巻き込まれましたが、株式公開は結果的に15周年の記念のフシ目となりました。96年には現在の新宿御苑近くに地上9階、地下1階の本社ビルを建設。そして、20周年のフシ目の97年8月に東証2部に上場されました。ところがまた同社に波乱が押し寄せる。
是枝社長
 97年に改正消費税が施行され、これに対応したソフトを開発し販売しましたが、設計段階で想定しなかった使い方をされ、欠陥報道までされ株価は連日のストップ安です。これは乗り切りましたが、根本的なことが起きていました。2000年3月期に売上高は200億円を突破し200億円企業の仲間入りをしましたが、経常利益は97年3月期の17億8000万円をピークに00年3月期には10億910万円に落ちた。原因は人員の増加にあった。店頭公開時に600名だった従業員数は800名に増加し1人当たりの生産性が低下したためです。倒産騒動に巻き込まれた経験の従業員が、上場会社になったら潰れることはないはず、という安心感から大企業病に陥っていたのです。会計をパッケージ商品にできるはずがないと言われたのを専用機で実現したことで、ある意味楽な営業をやっていたことも響いた。しかも、MS−DOSは使い勝手が良かったため、ウインドウズへの対応も遅れた。2002年3月期にはオフコン市場参入以来、初の経常赤字になってしまった。パッケージ商品である専用機を売っていた時代に営業社員に求められたのは業務知識とユーザーとの人間関係重視でしたが、ITソリューションとコンサルティング営業のできる広範囲な知識・見識が求められるように変わった。

――次は、1部上場、売上1000億円の目標をお持ちでしたね。
是枝社長
 その声も届かなくなっていました。1部上場にどんな意味があるのか、といった声が社員の間から聞かれるようになった。97年の2部上場から5年後の02年、25周年に合わせて1部上場という計画は崩れてしまった。経営者にも1部上場の意味、つまり1部上場企業となればファンドなどにも組み込まれパブリックカンパニーとしての認知が格段に違ってくる。そうした説明を語り続ける努力を怠ってきたこともあったと思います。

――もちろん、これでへこたれる同社ではありません。今再び、力強く前進されています。
 是枝社長
 もともと、当社が会計事務所システムベンダーとして出発したのは、会計事務所の先にある中小企業の存在を見据えてのことです。中小企業は日本の企業全体の90%以上。税理士・公認会計士事務所とその顧問先企業の繁栄に寄与することをミロクの社名に込めて一貫してやってきたのです。現在、会計事務所8400所、一般企業1万7000社のユーザーに恵まれています。2004年には「MJS電子証明発行サービス」を開始しました。行政が推進する電子申告の際に必要な特定認証業務の認定を受けた認証局にしかできない電子証明書(電子身分証明書)を発行するサービスであり認証局は9社、そのうちの1社が当社です。また、600万事業者に向けた中小企業ポータルサイト「海」を運営、ビジネス文書のひな型、会社定款例などの書式集を提供しています。会計事務所システムベンダーから出発し、現在はソリューションベンダーとして領域を拡大しています。

――ロゴについてお願いします。
是枝社長
 ロゴのMは人の腕、中央の顔を包み込むような丸い形の手は和の精神を表しています。

――今後の見通しをお願いします。
是枝社長
 昨年11月に中期経営計画を策定し発表しまいたが、平成23年3月期に連結で売上高222億円(平成19年3月期185億9000万円)経常利益30億7000万円(同4億2800万円)、売上高経常利益率13.8%(同2.3%)を目標にしています。
posted by 犬丸正寛 at 17:57 | 会社訪問・近況と展望

2008年04月06日

強弱ラインで診る(犬丸正寛の相場相談室)

犬丸正寛の相場相談室
――強弱ラインで診る――

■4月第1週現在の「強弱ライン」は1万4589円、ここまで戻れば売り方の一斉攻勢

 日経平均を振り返って見ると、ザラ場ベースでの高値は2007年3月の1万8300円。その3ヶ月後の6月に1万8297円まであったが、3月の高値を抜くことができず「ダブル天井」をつけ、そこへサブプライム問題が出て、本格調整相場に突入した、というのがこれまでの展開である。つまり、@ダブル天井の形成、Aサブプライム問題の発生、が相場を下げさせた理由である。
 まず、「ダブル天井形成」に対しては、底打ちまでには1年半から2年の日柄がかかることと、もうひとつは、「ダブル底」を形成する必要があることだ。とくに、ダブル天井に対してはダブル底の形成が絶対に必要となる。しかし今、現在、「ダブル底」は形成されていない。先の3月につけた安値1万1691円が1番底となったかどうかが今後の見所である。

■サブプライム問題は売り方にとって、もはや新鮮味はない どこで「ダブル底」つけるかが最大の見所

 次に、サブプライム問題については、材料が表面化した07年8月から8ヶ月が経過し、材料としての迫力は薄れてきている。仮に、「売り方」(カラ売り)の立場に立てば、思い切っては売れなくなっている。その理由は、これまではサブプライム問題の全体像が掴み難かったが、現在では、全体の損失規模が100兆円ともいわれ、ほぼ全体像が把握できた。売り方、買い方の両方にとって、『幽霊と仕手は正体の分からぬのが不気味で威力がある』といわれ、一方で、『幽霊の正体見たり枯れ尾花』、と正体が分かれば怖さ、不気味さは消えうせ、『知ったらしまい』、になる。
 サブプライ自体については、材料としては新鮮味はなくなった。もちろん、解決するためには時間がかかるため、基本のところでは悪材料には変わりなく、売り方は「安い水準では売れないが、戻ったところなら売れる」、とみている。

■オリンピック後のテーマは「中国」から「ブラジル」へ

 今後、見ておかなくてはいけない点は「企業業績」の動向だ。サブプライムの影響で世界の景気が悪化し、どのくらい日本企業に影響が出るか。あるいは、中国のオリンピック後の経済がどうなるか。新日本製鉄が海外初の製鉄所をブラジルに建設することで、成長軸が中国からブラジルへ移るのかどうか、などが見所となろう。こういった点を見極めながら、ダブル底をいつ形成するかが最大の注目点である。
 筆者の編み出した「強弱ライン」によると、4月第一週現在の「強弱ライン」は1万4489.5円である。この水準は売り方にとっても生命線であり、簡単には上抜きさせられないところ。恐らく、この水準まで戻れば、売り方が売り崩しを狙って強力に売り攻勢をかけてくるだろう。
posted by 犬丸正寛 at 08:03 | 株で見る世の中