2007年11月22日

堅実国家カナダに世界の資金が注目--スティーブン・ハギンズ氏に聞く

【犬丸正寛の「そこが聞きたい」インタビュー】

「ランドバンキング投資」を主力事業としている
TSIインターナショナル・グループ株式会社
代表取締役社長スティーブン・ハギンズ氏に聞く


堅実国家カナダに世界の資金が注目

Stephen Huggins 同社はカナダのトロントに本社を置くTSIグループの一員で日本法人。TSIはカナダにおける「ランドバンキング投資」を主力事業として、総合建設業、資産管理、不動産管理を手がける。このうち、「日本での業務は不動産投資商品を専門に機関投資家、個人投資家、資産管財人などに、安全で収益性の高いランド・バンキングの機会を提供しています」というスティーブン・ハギンズ(Stephen Huggins)社長にカナダの経済及びカナダの不動産投資について聞いた。
 ハギンズ社長は香港に5年、日本で8年の勤務経験を持つ。ウエスト・オンタリオ大学卒業。フットボールではMVPの実績を持ちカナダの英雄的な存在。通訳は同社の竹村ますみさん。


豊富な資源、年30万人の移民受け入れ、安定した政局
サブプライムローン問題無縁でカナダドル堅調続く


―早速ですが、このところ米ドルに比べ、カナダドルの堅調が目立ちます。

カナダハギンズ社長 オーケ、理由は3つあります。1つはカナダが天然資源の豊富なことがあります。2001年のアメリカのイラク侵攻以降、原油中心に資源価格が上昇していることがあります。2つ目は金融政策が保守的なこと、3つ目はG7の中では金融制度の安定していることがあります。

―保守的とは。

ハギンズ社長 カナダはアメリカに比べて人口が少なく福祉に厚い国です。中央銀行も公定歩合を高く設定しているためカナダではサブプライムローン問題はほとんどありません。たとえば、アメリカでは銀行全体数の20%がサブプライム問題に関わっているといわれますが、カナダではわずか5%にすぎません。

―香港での勤務がおありとのことですが、中国についてはいかがですか。

ハギンズ社長 香港はビジネスを始めるのは簡単ですが、日本で始めるのは大変です(笑)。でも、日本は長いですから大丈夫(笑)、構築できます。中国については香港で経験したことが頭に残っています。マクドナルドが進出した際に25年のリースで契約したのに2年後にはカットされてしまった。リーマンブラザーズも100億ドルの訴訟を起こされた。大きいところでこうしたことがあるのですから、小さいところではもっとトラブルがあるでしょう。難しいところがあると思います。

―中国はオリンピック後に反動が来ませんか。

ハギンズ社長 オリンピクの後に直ちにピークアウトすることはないでしょうが、2011年頃が境となる可能性があります。

―日本の企業の中にも生産工場を中国からカナダへ移す動きもあると聞きます。カナダは今のお話では政治、民生が安定し資源も豊富ということですから貴国へ目が向くでしょうね。

ハギンズ社長 カナダ、アメリカ、メキシコが北米貿易協定を結んでいますから関税のかからないメリットがあります。労働力の質も高く、移民も認めています。メキシコに比べ5〜10年先には差がはっきりしてくると思います。

―御社のビジネスについて。

ハギンズ社長 4つの事業があります。不動産投資、総合建設、不動産開発、資産管理です。このうち、東京でやっていることはランドバンキングという不動産投資です。ランドバンキングはちょっと聞きなれない言葉かも知れませんが、イギリス王室などを対象とした非常に歴史のあるものです。土地の値段が上昇する条件は2つです。人口の増えること、経済が成長することです。

―日本は残念ながら人口がこれから減少です。

ハギンズ社長 そうですね、今の日本は人口横ばいですから土地で利益を上げることは難しいでしょう。カナダは移民歓迎の政策を採り、毎年30万人増えています。政治が安定し金融も安全であるという条件が揃っていますから経済の成長が期待できます。投資ということで著名な投資家で比較しますと、ジョージソロスタイプは中国とか東欧に目が向いて、ウオーレンパフェットタイプはファンダメンタルズが良いカナダということでしょうね。


「大トロント圏構想」を背景にランド・バンキングが脚光

スティーブン・ハギンズ―日本の投資家に対しては。

ハギンズ社長 カナダの土地に投資してもらうのですが、われわれはどこでもよいということではなく立地条件を厳しく選定しています。トロントの周辺を中心として「大トロント圏」を目標として開発しています。1エーカーは1224坪ですが、われわれは100エーカーの土地を購入しこれを小分けして投資家に販売します。開発許可が下り、地価が上昇したところで一括売却して利益を分配します。東京ではわれわれの公認代理店を通じて投資家の方々にプレゼンテーションします。

―日本に対し、なぜ今ですか。

ハンギンズ社長 日本は個人金融資産が多く、低金利で運用が難しいことがあります。われわれは今、問屋から小売の段階のよいチャンスととらえています。このため日本向けに準備している商品があります。コカ・コーラも日本では今はコーラが主力ではなくジョージアが主力となっています。元本が確保された「定期証券型」のランドバンキング商品です。

参考:ランドバンキング投資
posted by 犬丸正寛 at 13:49 | 株で見る世の中

2007年11月14日

サンフロンティア不動産の堀口智顕社長に聞く

サンフロンティア不動産の堀口智顕社長に聞く

時流に乗るビル再生のリプライニング事業
遵法性・安全性のニーズ対応で業績上方修正


サンフロンティア不動産の堀口智顕社長に聞く 今回は筆者の単独会社訪問ではなく、アナリスト等の決算発表会の席上に参加したもの。サンフロンティア不動産<8934>(東証1部)は、07年9月中間期を5月10日発表の数字を上方修正した。売上高は4億700万円増額の214億700万円、営業利益も9億8200万円増額の46億4200万円、経常利益同11億7900万円増額の44億2900万円、中間当期純益同7億8000万円増額の24億8000万円という内容。

 前年同期との比較でみれば売上38.5%増、営業利益51.9%増、経常利益56.3%増、純益69.9%増というすばらしい伸びだ。中間配当は実施していない。今3月期期末配当は500円増配して年1500円を予定している。また、筆者が業績の中で最も重視している営業利益率は前年同期の19.76%から当中間期では21.68%へ向上した。

 同社の主力事業は不動産(ビル)再生のリプラニング事業。首都圏で数多く存在する築後20年を経過したビルを再生、再び、活動させるものだ。都市の美観が向上し都市自体の再生にも役立つし新規に立て直すより省資源にも貢献し環境面にも良い。

2010年3月期に売上高1000億円を目標

 同社の堀口智顕社長は、「最近の市場は、遵法性に欠ける物件が多数、放出されつつありますが、建築基準法の改正や金融商品取引法の施行など遵法性・安全性が強く求められる「正しい市場」に移行しています。わが社は以前より、違法物件や既存不適格物件の是正に注力してきましたが、従前以上に取り組んでいます。こうした正しさを求められる市場において、リプラニング事業は時代性にあった事業として社会ニーズに後押しされ、仕入・販売ともに引き合いが高まっています。当中間期の販売は販売15棟、売上高193億4500万円、粗利益率においても24.1%と当初計画の21.7%を上回る高水準を維持しました。なかでも私募ファンドを出口に遵法性を作り込んだ4物件総額155円超のパッケージ販売が完了したことは当社のビジネスが評価されているためと自負しています」と胸を張る。中小ビル物件では第一人者としての自信である。

 ただ、中間期が好調だったものの今3月期通期予想は従来から変えていない。最近の経済情勢等を考慮して慎重に見ている。それでも08年3月期は売上高56.0%増の550億円、営業利益22.8%増の106億9000万円、経常利益19.4%増の99億円、当期純益7.1%増の52億円とすばらしい数字。1株利益15695円で、13日株価20万3000円はPER12.9倍にすぎない。2010年3月期には売上高1000億円、経常利益200億円、経常利益率20以上を目標として掲げている。
posted by 犬丸正寛 at 13:31 | 会社訪問・近況と展望