「ランドバンキング投資」を主力事業としている
TSIインターナショナル・グループ株式会社
代表取締役社長スティーブン・ハギンズ氏に聞く
堅実国家カナダに世界の資金が注目
同社はカナダのトロントに本社を置くTSIグループの一員で日本法人。TSIはカナダにおける「ランドバンキング投資」を主力事業として、総合建設業、資産管理、不動産管理を手がける。このうち、「日本での業務は不動産投資商品を専門に機関投資家、個人投資家、資産管財人などに、安全で収益性の高いランド・バンキングの機会を提供しています」というスティーブン・ハギンズ(Stephen Huggins)社長にカナダの経済及びカナダの不動産投資について聞いた。ハギンズ社長は香港に5年、日本で8年の勤務経験を持つ。ウエスト・オンタリオ大学卒業。フットボールではMVPの実績を持ちカナダの英雄的な存在。通訳は同社の竹村ますみさん。
豊富な資源、年30万人の移民受け入れ、安定した政局
サブプライムローン問題無縁でカナダドル堅調続く
―早速ですが、このところ米ドルに比べ、カナダドルの堅調が目立ちます。
ハギンズ社長 オーケ、理由は3つあります。1つはカナダが天然資源の豊富なことがあります。2001年のアメリカのイラク侵攻以降、原油中心に資源価格が上昇していることがあります。2つ目は金融政策が保守的なこと、3つ目はG7の中では金融制度の安定していることがあります。―保守的とは。
ハギンズ社長 カナダはアメリカに比べて人口が少なく福祉に厚い国です。中央銀行も公定歩合を高く設定しているためカナダではサブプライムローン問題はほとんどありません。たとえば、アメリカでは銀行全体数の20%がサブプライム問題に関わっているといわれますが、カナダではわずか5%にすぎません。
―香港での勤務がおありとのことですが、中国についてはいかがですか。
ハギンズ社長 香港はビジネスを始めるのは簡単ですが、日本で始めるのは大変です(笑)。でも、日本は長いですから大丈夫(笑)、構築できます。中国については香港で経験したことが頭に残っています。マクドナルドが進出した際に25年のリースで契約したのに2年後にはカットされてしまった。リーマンブラザーズも100億ドルの訴訟を起こされた。大きいところでこうしたことがあるのですから、小さいところではもっとトラブルがあるでしょう。難しいところがあると思います。
―中国はオリンピック後に反動が来ませんか。
ハギンズ社長 オリンピクの後に直ちにピークアウトすることはないでしょうが、2011年頃が境となる可能性があります。
―日本の企業の中にも生産工場を中国からカナダへ移す動きもあると聞きます。カナダは今のお話では政治、民生が安定し資源も豊富ということですから貴国へ目が向くでしょうね。
ハギンズ社長 カナダ、アメリカ、メキシコが北米貿易協定を結んでいますから関税のかからないメリットがあります。労働力の質も高く、移民も認めています。メキシコに比べ5〜10年先には差がはっきりしてくると思います。
―御社のビジネスについて。
ハギンズ社長 4つの事業があります。不動産投資、総合建設、不動産開発、資産管理です。このうち、東京でやっていることはランドバンキングという不動産投資です。ランドバンキングはちょっと聞きなれない言葉かも知れませんが、イギリス王室などを対象とした非常に歴史のあるものです。土地の値段が上昇する条件は2つです。人口の増えること、経済が成長することです。
―日本は残念ながら人口がこれから減少です。
ハギンズ社長 そうですね、今の日本は人口横ばいですから土地で利益を上げることは難しいでしょう。カナダは移民歓迎の政策を採り、毎年30万人増えています。政治が安定し金融も安全であるという条件が揃っていますから経済の成長が期待できます。投資ということで著名な投資家で比較しますと、ジョージソロスタイプは中国とか東欧に目が向いて、ウオーレンパフェットタイプはファンダメンタルズが良いカナダということでしょうね。
「大トロント圏構想」を背景にランド・バンキングが脚光
―日本の投資家に対しては。ハギンズ社長 カナダの土地に投資してもらうのですが、われわれはどこでもよいということではなく立地条件を厳しく選定しています。トロントの周辺を中心として「大トロント圏」を目標として開発しています。1エーカーは1224坪ですが、われわれは100エーカーの土地を購入しこれを小分けして投資家に販売します。開発許可が下り、地価が上昇したところで一括売却して利益を分配します。東京ではわれわれの公認代理店を通じて投資家の方々にプレゼンテーションします。
―日本に対し、なぜ今ですか。
ハンギンズ社長 日本は個人金融資産が多く、低金利で運用が難しいことがあります。われわれは今、問屋から小売の段階のよいチャンスととらえています。このため日本向けに準備している商品があります。コカ・コーラも日本では今はコーラが主力ではなくジョージアが主力となっています。元本が確保された「定期証券型」のランドバンキング商品です。
参考:ランドバンキング投資




今回は筆者の単独会社訪問ではなく、アナリスト等の決算発表会の席上に参加したもの。




