2007年03月20日

売買単位「100株」時代の意味すること

 東証の上場制度整備懇談会が、売買単位を、「100株」と「1000株」の2本に集約するのがよいとの考えを明らかにした。さらに、将来は、「100株」だけに一本化するよう東証に要請した。誤発注を防ぐためだという。
 現在は1株、10株、50株、100株、500株、1000株、3000株の7種類ある。大きく分けると、新興銘柄は1株単位、1部上場銘柄は1000株という姿である。この間をとって、「100株」に一本化ということなのか。
 新興企業は知名度が低く株主が少ないから1株単位で株主を増やしたい。一方の、昔から上場している1部企業はノレンも知名度もあるから、敢えて株主を増やす必要がないから1000株単位でよいということがある。
 しかしである。最近は1部上場企業といえども株主数が安定の方向にあるとは言い難い。なぜなら、投資家は名門企業を資産株だと思って、安心して保有していても、一夜明けたら不祥事で株価暴落、場合によると、上場廃止という予想外のことが名門企業に相次いでいる。これでは、安心して株を保有できない。
 もうひとつある。高齢化で、昔を知っている人が少なくなり、新しい投資家層は名門企業より新しい企業を選択する方向にある。とくに、団塊世代の定年で、これから、個人株主の争奪戦が始まる。1部企業にとって、いつまでも、売買単位を1000株のままにしておくことができない事情がある。
 新興企業にも問題がなかったわけではない。1株単位なら手軽に売買へ参加できるプラス効果はあるが、反面、投機的な動きが加速され、企業実体とカイ離した動きが目立つようになり、結果として、損失を被る個人投資家も発生する。誤発注も値ザヤ稼ぎの過熱した商いの中で発生する。
 企業にとって、株主が増えると、事務費用やIR費用が増えるコスト要因はある。しかし、それを嫌がっていてはいけない。コーポレートガバナンス(企業統治)は、これから日本で、真の定着化時代を迎える。きっちりとIRを行い、企業実体と株価が一致した企業が上場を許させる時代を迎えつつあるようだ。
 投資家にとっても、仮に、株価が1株10万円の銘柄なら、現在は10万円で投資すること(あるいは投機)が可能だが、100株になると1000万円必要になる。現在、個人投資家の間に流れている、「振興銘柄は値ザヤ稼ぎの場」、ということは後退して、企業の将来性を評価しないと多額の金額を投資できない。
今回の市場制度整備懇談会は、投機目的の人は市場へ入って来なくても結構です、と言っているのではないか。
posted by 犬丸正寛 at 10:41 | 株で見る世の中