2006年09月29日

相場格言−−理屈屋の相場下手

 「理屈上手の商い下手」とか、「理屈には負けても相場に勝て」、「勝っていくら」、「言うは易し行うは難し」などと言う言葉もこの格言に近いものです。その人の性格による部分はあるとは思われますが、往々にして多くの投資家は、最初は相場に耳を傾ける謙虚さがありますが、少しづつ投資経験と勉強を重ねるにつれて、株はこういうものだとか、経済や景気、さらには天下国家論まで知識をご開帳するようになります。

 こうした人の共通項は決まって、うまく儲かった時の話だけを、ことなら大きくひらけだすことです。それでも、黙って聞いていると、こちらから聞きもしないのにべらべら喋って、結局はほとんど儲かっていないで、それどころか大きな損をしていることが、ばれてしまうものです。

 勉強することは非常に大事なことで、勉強すれば株で儲けることにつがるだけでなく、社会生活、あるいは商いにも役立ちます。しかし、知識を蓄え理屈上手になって、理屈に酔って相手を見下すようになったりすると、まず株式投資で儲けることは無理です。相場について理屈を語る人は、発言した通りに相場が動かないと、「間違っているのは相場で正しいのは自分である」と、自分の都合のよいように解釈して相手を負かせることに生きがいを感じてしまうようになるからです。

 こうしたひとりよがりを戒めるために、「相場は相場に聞け」という格言があるほどです。ゴルフをやる人なら、「ゴルフは上がっていくら」といいう言葉をよく耳にするはずです。いくら、遠くまでボールを飛ばしても、スコアが悪ければ、プレー後の表彰式では上位の人としては賛辞は贈られません。200ヤード飛ばすのも1打なら、わずか50センチのパットもスコアの上では同じ1打です。ましてや、ゴルフを生活の糧にしているプロゴルフは、式投資と同じように儲けていくら、上がっていくらの世界なのです。

 経営面では、さすがにバブル崩壊後の厳しい経済状況では、新聞記者を集めて酔った勢いで手柄話や学歴、人脈の広さ、知識の豊富さを自慢する経営者は少なくなりましたが、かつては、この手の経営者が数多くみられ、日本は国土面積が狭いのだから地価は上がり続けると聞かされたものです。その結果が、銀行の行き詰まりであり、名門企業の経営不安や業績悪化でした。それだけの理屈がとうとうと述べられるのなら、名門企業の破綻などはなかったはずです。

 結局は、理屈上手の商い(経営)下手」というものです。勉強は怠らず、社会の変化、相場の変化などには静かに耳を傾ける姿勢だけは筆者もなくさないように心がけたいと思っています。

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posted by 犬丸正寛 at 07:54 | 株で見る世の中

2006年09月21日

技術者派遣の新しいビジネス、フルキャストに注目

富裕層にはデフレは終わっている、当面は個別相場の展開

 日本の出生率は05年末に過去最低の1.25人まで下がり、今年3月末の総人口は前年に比べ3505人減少した。わずかな減少にみえても統計を取り始めた1968年以来、初めての減少であり、数十年先には日本の人口は7000万人ていどまで減少するものとみられている。
 韓国も同様で、総人口は2070年にはピークから40%減少の3123万人まで落ち込むことが予想されている。

 どこの国であれ、人口の減少は消費を落ち込ませ、活力が失われ競争力がダウンする。とくに、モノ作りの日本は、職人や技術者がいなくなり競争力の面で厳しい状況に置かれる。日本では、技能者は企業の終身雇用制のもとで、長い時間をかけ腕を磨いてきたが、終身雇用制が崩れ、少しでも給与のよいところを求めて動く。しかも、07年には技能を持った団塊の世代が大量に職場を去っていく。

 このため、新たに技能者・技術者を派遣するビジネスが登場し大きく育とうとしている。最近、テレビコマーシャルで社名を見るようになったが、ジャスダックにフルキャストテクノロジー(2458)がある。自社独自の教育システムで電機、自動車産業向けの技術者を教育養成しメーカーへ派遣している。日本だけでなく、東南アジアの若者を社員として養成している。教育はすべてバイリンガル(2ヶ国語)で、とくにITについては英語だけという徹底ぶりで、国際的に通用する技術者を1000名近く擁している。

 売上は過去3年で約2倍、経常利益2.5倍のすばらしい伸長である。07年3月期には初めての配当も実施する。

 少子高齢化では、介護関連銘柄などがテーマとして浮かんでくるが、経営環境は厳しい。この点、技術者派遣は介護事業と違って付加価値が高いため将来性はたいへん有望である。おそらく、第2、第3のフルキャストテクノロジーが出てくるものとみられる。

 もう1点、「デフレ収束」について。最近の講演会でも「デフレ収束宣言はあるのか」、についての質問をいただいた。実は、富裕層と株式投資層の方々にはデフレは収束していると申し上げた。野村総研の発表した金融資産1億円以上の富裕層動向では、03年の163兆円が現在213兆円と50兆円増えている。日経平均は03年ボトムから今年春まで60%上昇した。この結果、03年には300兆円台だった東証株式時価総額は521兆円まで大きく増加し、GDPを上回るまでになった。今ここでデフレ終息宣言をすると、格差がついている今の社会で恩恵を受けることができなかった層から猛反発が出る。したがって、しばらくは、個別物色の相場とみておくのがよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 10:12 | ちょっと気になる銘柄

2006年09月20日

相場格言−−天井3日、底値100日

 株価が見直されるまでには時間がかかり、しかも天井をつける時は一瞬だから、売買のタイミングは非常に大切であるという教えです。

 とくに、この格言では「出遅れ銘柄」といわれる比較的人気の乏しい銘柄に使われる場合が多いようです。したがって、何らかの判断で人気の乏しい銘柄を買った場合は、見直されるまでに100日くらいの長い時間がかかるので辛抱することが大切で、しかも、いよいよその銘柄が買われてきた時は人気性がなく持続力が乏しいため短期間で天井をつけるので早めの利食いを心がけることが肝要であると教えています。

 100日もの長い間待たされたのだからという投資家心理は理解できますが、主役銘柄ではないので爪を延ばさない割り切りが必要だと思います。

 それでは、人気のある銘柄と出遅れ銘柄との違いはどこにあるのでしょう。以前、当欄で「株を買うな時を買え」という格言を紹介しましたが、この格言が人気性を表している代表的なものだと思います。いくら自分が良いと判断した銘柄でも時の流れに合致しないと動かないということです。

 時の流れとは(一)社会のニーズに沿った商品やサービスを提供している、(二)マーケット独自の人気、たとえば値がさ株(値段の高い銘柄)中心の相場か低位株中心の相場か、ということです。こうした流れにマッチしていないと、仮に、いくら内容がよくても動かないということです。それでも、幸いなことにマーケットには、「出遅れ株買い」という相場がありますので100日もガマンすれば見直される時は必ず来るものです。

 なぜなら、投資家は220万社といわれる株式会社の中でも売買可能なのは上場銘柄ですから、いくら時流に乗る人気銘柄といえど上がり続けることはありません。人気銘柄ばかり追い続けるより、人気はなくても動いていない銘柄が儲かりそうに見えるからです。しかし、そうした出遅れ銘柄は時流に乗る銘柄と違って、3日間ほどの短期間にに天井をつけることがほとんどですから素早く利食うことが大切です。

 経営では、よほど画期的な新製品でない限り、商品が売れるようになるには多くの時間がかかります。しかも、最近は売れ始めたと思ったらもうおしまいという移り変わりの早い時代です。それでも、必需品的なもので役立つものならある程度息の長い売れ行きも期待できますが、趣向品的なものはすぐに寿命が来てしまいます。まさに「花の命は短い」のが今日の商品の姿ですから、経営者の時代を見る目の正確さがますます大切となっています。
posted by 犬丸正寛 at 18:22 | 相場格言

2006年09月19日

『すきこそものの上手なれ』 自分の価値向上に努める若い皆さん

 最近、若い人の会話から、「自分の価値向上」という言葉を聞く。たいへん、すばらしいことだと思う。筆者の育った時代は、モノ不足だったから、頑張ってお腹いっぱいご飯をたべようといった、単純で分かりやすい価値観の時代だった。

 豊かになった今の時代は、常に、周囲を見て、自分だけ取り残されているのではないか、もっと良い方法や選択肢があるのではないかなどと、本当にやりたい事を忘れて、周囲に合わせることばかりを優先している。豊かになると、比較するものが多いから、大変といえば大変である。

 人生の時間は、すべての人に平等である。どう使うかで、違いが出てくるはずだ。「満足」という違いである。この世は、ある意味、自己満足の世界である。

 あの世には、お金は持っていけないが、思い出は持っていける、と言った人もいた。『好きこそものの上手なれ』という言葉があるように、なにかをやるには、多くの時間をその対象に充てて、好きになることだ。好きになって取り組めば、成果も上がり、人に評価を受けるようになり、さらに、雪だるまを転がすほど大きくなるように、次の成果へとつながっていく。

 若い人達が、周囲に合わせることに疲れてきたのか、あるいは、この世で、自分は自分だけと思うようなったのか。「自分の価値向上」に目覚めてきたことは日本にとってすばらしいことだ。

「人は人、われはわれなり、されど仲良き」という言葉は好きだ。
posted by 犬丸正寛 at 09:02 | 株で見る世の中

2006年09月12日

デフレ終息宣言のできない理由

 「デフレ終息宣言」はでるのでしょうか、という質問をいただく。実は、「すでにデフレは脱却しています」とお答えしている。

 野村総合研究所が発表した、富裕層の資産状況では2003年には1億円以上の金融資産を持っている人の合計は163兆円が、現在、213兆円に50兆円増えている。

 日経平均は03年のボトムから今年春まで60%上昇した。また、この間の東証株式時価総額は300兆円台から直近521兆円まで大きく増えている。

 つまり、これらの数字を総合すると「富裕層」や「株式投資層」には、とっくに、デフレは終わっている。

 ではなぜ、デフレ終息宣言ができないのか。格差が生じているからだ。バブル崩壊の当時、就職できなかった人などが、フリータのまま過ごしている。あるいは、バブル崩壊の後遺症でいまだに負の資産に苦しんでいる人、そして地方の不況、などがある。ここで、デフレ終息を宣言したら大変な反発を食らってしまう。

 「GDP」(国内総生産)と「時価総額」のスケールバランスからいっても、時価総額がGDPを上回ってくると、株式マーケットのはしゃぎすぎということになってしまう。
 ここからは、経済より政治の出番である。
posted by 犬丸正寛 at 11:32 | 株で見る世の中

2006年09月07日

まもなく書籍を発売!『カゼオケ式 株式投資』

syoei02.jpg まもなく、翔泳社さんから新しい書籍を出していただく。本のタイトルは、『カゼオケ式 株式投資』です。

 カゼオケとは、なんだ−−と思われるでしょうが、実は、株式投資の世界には、『風が吹けば、桶屋が儲かる』という代表的な相場格言があります。この格言の「カゼ」と「オケ」から採ったものです。

 昔の日本では、防火のため、街角に水を貯めた桶がありました。風が吹くと、火災が発生して桶の需要が発生したり、風で桶が壊れて取り替えなくてはいけないため、風が吹けば桶屋が忙しくなるというわけです。

 株式投資が、今のように市民権を得ていなかった時代には、「株屋の屁理屈」といって、小ばかにされたものですが、株式投資が普通になった今では、出来事をぼんやり見ないで、投資のヒントに結びつける「連想」が成果を挙げる大切な要素です。

 身の回りには、大きい出来事から小さい出来事まで、日々、いっぱいです。それらを、ぼんやりと見ないで、ヒントにできるかどうかが大切です。たとえば、一般紙に全面広告が載ったら、その企業は、新製品販売にかなりの自信を持っている、と連想します。

 身の回りに起きていることは、なにも株式投資だけでなく、ビジネスにもヒントになります。この本では、身の回りのヒントを政治、経済、スポーツ、街角など幅広く取り上げました。

 きっと、新聞を広げたり、テレビを観るのも、街を歩くのも楽しくなってくると思います。


posted by 犬丸正寛 at 12:12 | お知らせ