2009年11月06日

相場の見所は日経平均の戻り度合いの一点に尽きる=犬丸正寛の相場展望

■過大な期待は禁物!最高峰の頂きは、はるか上

相場の見所は日経平均の戻り度合いの一点に尽きる=犬丸正寛の相場展望 来週(9〜13日)の相場の見所は、『日経平均の戻り度合い』の一点に尽きるだろう。最近は、日経平均が1万円割れの水準で推移することが多くなっている。それだけ、投資家心理に『儲からない、儲け難い』、気持ちが強くなっていることがある。
 目先的には、直近安値である10月6日の9628円へ接近したことで戻りが見込めるところにある。これに、材料を加味すると、(1)9月期決算の発表一巡、(2)5、6月大商い信用買い期日到来、などがある。
 9月中間決算は予想以上に良かった。しかし、そのことと、先行きの企業業績のいっそうの向上を保証するものではない。「最悪期」に比較すると良かったということにすぎない。足元が良くなると、どこまでも良くなる錯覚を持ってしまいがち。しかし、たとえば、日経平均が最高値3万8915円から6994円(08年10月)まで大暴落。現在は、わずか1万円そこそこに戻しているに過ぎないのと同じである。過大な期待はできない。最高峰の頂きは、はるか上である。

■戻りの目安は30日線

 特に、9月中間決算発表の、真っ最中に、日経平均が1万円台を割り込んだことの意味は大きい。個別銘柄でも、好決算発表の翌日が天井となったケースも多い。企業業績は好調と言われながら、株価との間にギャップが生じていた。決算発表のイベントは一巡した。
 出来高が今年最高の39億株を記録したのは6月12日。信用買いの6ヶ月期日(制度信用)は12月に到来する。相場の動きが鈍いとなれば、早めの期日売りが出るだろう。
 8月30日の衆議院選挙投票。翌31日に、民主党の勝利が決まり日経平均は1万767円の高値をつけた。以来、ジリジリと上値を切り下げ、未だに、この値段は抜けないでいる。新政権政策に対する不安な部分が相場の重しとなりつつある。仮に、日米関係でトラブルになれば、外国人投資家の売りを誘発する懸念もある。
 ところで、戻りの目安となるのは30日線だろう。1万0060円程度にある。この水準を上抜いてくれば、先行きの相場に期待はもてる。もし、抜くことができないようなら、直近安値9626円を割って、先行き9000円の攻防に移る可能性もある。個人投資家は日経平均が戻しても、一喜一憂せず、景気と日米関係の先行きじっくり見極めるスタンスが肝要だ。老後の大切な資金を失って欲しくない。
posted by 犬丸正寛 at 16:32 | 株で見る世の中

2009年11月04日

現実味を帯びる1ドル50円説!関心集める「金・ドル」の行方

株式市場の話題 有力経済誌「日経ビジネス」は最新号で、『ドル最終章1ドル=50円の恐怖』を特集で取り上げている。タイミングのよい特集だ。
 同誌によれば、有史以来、2006年までに世界で発掘された「金」の総量は15万8000トン。オリンピックプールの3杯半分。しかも、確認埋蔵量はわずか6〜7万トンにすぎないという。1000ドルの大台を超えた金相場だが、需給面から見れば、中長期的にも買い圧力が圧倒的に強い。地金の買い手は新興国の中央銀行。中国の人民銀行は今年4月までに金準備を03年に比べて454トン積み増し1054トンに。ロシア中央銀行も05年末に387トンだった金準備を今年半ばまでに550トンに増やした。
 同誌は、こうした金への指向を強める世界の動向を「ドルの黄昏」、「中国・人民元の野望」、「埋没する日本・円」、そして、「基軸通貨なき世界へ」への項目で紹介している。
 特に、1944年7月、米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズで、金とドルとの交換比率を1トロインス=35ドルとしたうえで、ドルと各国通貨の交換比率を固定する「金・ドル本位体制」の基本が作られた。しかし、ドルの流動性を世界に供給するには米国の経常収支が赤字になることが必要。しかし、それ自体がドルの信認低化につながる矛盾を抱えていたわけだ。同誌はこうした点を紹介しつつ、まもなく、近い将来、GDPでアメリカを抜いて世界一となる中国の台頭を絡ませながら、ドルはいつまで基軸通貨として使われるのかを取り上げている。仮に、アメリカが金本位制に復帰しようとするなら金価格が一気に8000ドルまで急騰、あるいは、それが不可能ならドルの価値は現在の約8分の1に暴落しないと、市場が決めた金価格と釣り合わないと指摘する。一読の価値ありである。
posted by 犬丸正寛 at 16:59 | 株で見る世の中

2009年10月30日

二日新補は荒れると言われるが果たして?=犬丸正寛の相場展望

 来週(11月2〜6日)はいよいよ11月相場。しかも、月初2日が月曜日に当る、『二日新甫』(ふつか・しんぽ)で、昔から、二日新補は荒れると言われてきた。果たして今回はどうか。
 注目点としては、(1)引き続き政治と景気の関係、(2)上昇傾向の長期金利の動向、(3)NT倍率、(4)11月相場の特性、などが挙げられるだろう。
 臨時国会が始まった。景気に対し、新政権の掲げる目標と現実の難しさが露出している。しかし、自民党の質問に、まったく迫力のないことに救われてはいる。「セメントの箱物から生活重視へ」。もっともな政策だが、一気に進めると、ふらついている景気を一気に下放れさせる心配がある。「右か左か」の、やり方にこだわると、かえって、後々、景気テコ入れに多額のエネルギーが必要になってしまう。
 今でも、95兆円の予算を組まなくてはいけないのに、収入面を放置したまま、支援ばかりが進めば、国債発行への負担は膨らむ。借金が膨れ上がっている中での国債発行は誰だって保有は敬遠したくなる。このため、長期金利は1.4%台へ上昇。国債を今後も大量発行するために日本郵政(郵便局)を実質国営化したいのかと、うがった見方になってしまう。
 設備投資など産業活動に伴う金利上昇なら、「良い金利上昇」だが、消費を目的とした国債発行の金利上昇は「悪い金利上昇」ではないか。もちろん、今日、今の生活ができないと、明日につながらないことは分かる。だが、一方で国際競争にも打ち勝って行かなくてはいけない。
 日米問題でも似たことが起きている。「対等な立場」は理解できる。だが、その「対等」の2文字が、なかなか難しい。世界から争いごとが消えることは理想だが、不可能だ。自分の国が傷ついたらどうするのか。「左の頬をぶたれたら、右の頬を出せ」とでも言うのだろうか。そんな馬鹿なことはできない。対等というなら軍隊を持たなくてはいけない。このあたりが国民には見えて来ない。アフガンに直接関与すれば、インド洋での給油より費用と危険が増すはず。
 NT倍率がある。「日経平均」÷「TOPIX」で求める。この倍率が最近は11倍台へ上昇している。通常は10倍前後で推移する。倍率がアップすることは日経平均が優勢、反対に倍率が低下すればTOPIXが優勢である。日経平均は輸出関連銘柄の貢献度が高く、TOPIXには内需関連銘柄の寄与度が大きい。このため、違う見方をすれば、現在、NT倍率がアップしていることは、輸出関連銘柄の健闘、内需関連銘柄の不振を意味する。
 問題は、新政権が内需刺激政策を採っているにもかかわらず、内需関連銘柄が不振ということにある。マーケットは内需刺激策をそれほど評価していない。今後、NT倍率が93年当時の14倍程度まで上昇し、日経平均優位、TOPIX劣勢が続くのかどうか。景気対策が後手に回れば、内需関連銘柄売りは続く心配がある。
 11月相場は、日経平均の、「月足・陽線」が目立つ。1992年以降、08年まで17年間の11月月足は陽線が11回。約7割の確率で、月初より月末が高い陽線が出る月といえる。特に、2006〜2008年は3年連続で陰線となっていたため、今年は陽線となる可能性はきわめて高い。仮に、10月相場の安いことを引っ張って、11月が安く始まるようなら、買い方は下値拾いがよいだろう。空売りは深追いは慎みたい。機関投資家等の決算を控えて、ファンドマネージャーの頑張りも予想される。
 こうした観点から、11月は「二日新甫」だが、意外と荒れない可能性が強い。好業績銘柄の下値仕込みがよいだろう。
posted by 犬丸正寛 at 17:05 | 株で見る世の中

2009年10月26日

注目材料は臨時国会:観点はマニフェストと現実=犬丸正寛の相場展望

■「景気の二番底」は防げるか?

注目材料は臨時国会:観点はマニフェストと現実=犬丸正寛の相場展望 来週(26〜30日)、一番の注目材料は「臨時国会」。その国会を相場との観点でみれば、『マニフェストと現実』ということだろう。

 現実という視点では2つあるように思う。(1)『マニフェスト実行の手順』、(2)『理想と現実』、ということではないか。

 新政権はマニフェスト(政権公約)を掲げて選挙に勝利した。選んだのは国民であることは間違いない。マニフェストに記してないことを、いきなりやっているわけではない。この意味では約束違反ではない。「目標」→「実行」には、強い意志に裏打ちされた実行力が必要なことも分かる。しかし、時には、強引であっても大筋では説明を十分する必要がある。昔のような「主と丁稚」の関係ではないし、従来型のワンマン型経営でもないはず。

 ところが、新政権の手順には、いささか強引さが目につく。マニフェストを掲げて選ばれたのだから、やり方にケチをつけるな式であってはいかがなものか。前政権が「談合的・利権的」だったとすれば、新政権は「強引的」にさえ映る。それでも選んだのは国民ではあるが・・・・。

 一方、今度の政権は、ひとことで言えば、前政権において生じた弱者の救済が目玉の政策である。今、国会は、『家計救済・弱者救済国会』でもある。兵法では相手の弱点を突くのは有効な戦い方であるから、前政権が批判された弱点の「格差問題」を突いた戦いは正しかった。山本勘助をはるかに凌ぐ、名軍師がバックに控えていたのだろう。しかし、新政権が長く続こうとするなら耳も傾けなくてはいけない。そうでないと、選挙中に街頭演説で聞かれた、「一度だけ政権を取らせてください」の叫びが本当に一度だけになってしまう。

 特に、これから年末に向け失業の問題が出てくる。既に、発生している失業をどうするか。今後、失業を増やさないようにはどうするか。家計を救済するだけで、果たして、経済活動が活発になるか、新しい雇用が生まれるか。弱者に温かい社会は大切だが、それだけでは片手落ちである。弱者が強くなって、社会を元気にするには時間がかかる。ここは、家計・弱者救済と同時に日本をリードしていく、「イチロー選手」のような活躍する人を作るべきである。

 とくに、景気・企業業績はこれから『二番底』をつけに行く懸念が強まっている。もしも、前政権のような勝ち組を作りたくないと思っているようでは日本沈没となってしまう。景気・企業業績が悪くなるのは前政権の責任ではなく、現新政権の責任である。しかも、経済は生き物である。時間延ばしは許されない。「景気の二番底」を防ぐことができるかどうか。相場はこの1点を見詰めている。
posted by 犬丸正寛 at 10:01 | 株で見る世の中

2009年10月16日

NYダウは『半値戻し』を達成できるか?=犬丸正寛の相場展望

■注目度高いNYダウの動向

NYダウは『半値戻し』を達成できるか?=犬丸正寛の相場展望 来週(19〜23日)の相場は、(1)NYダウの動き、(2)JAL株価の行方、(3)25日投票の神奈川、静岡の選挙、などが気にされる動きだろう。

 やはり、注目度の高いのはNYダウの動向。14日に1年ぶりに1万ドルを回復、15日には1万0062ドルまで上昇した。企業業績の回復をバックとしているだけに腰が据わった上げとみることはできる。ただ、これから、インテル、JPモルガンのような大幅増益が続くかといえば楽観はできないだろう。インテルの半導体も、JPモルガンの金融も、落ち込みが目立った業界だから戻りも大きい。さらに、ここからの位置をワンランクアップすることは簡単ではない。
 NYダウに当てはめると、高値からの下げ幅の『3分の1戻し』は達成したが、これから、『半値戻し』を達成できるかどうかである。NYダウの高値は2007年10月の1万4198ドル。安値は2009年3月の6469ドル。この下げ幅の「3分の1戻し」は9046ドルだったがクリアした。次は、「半値戻し」の1万364ドルが上値のメドとなる。ここを抜いてくれば「本物」と見ることができる。しかし、直近、10日間で陽線6本、陰線4本と上昇ピッチは速くなっている。基調は強いとしても、短期的には調整も予想される。

■日経平均は「年末危機説」「来年2月危機説」が台頭

 日経平均は、もたついていたが、NYダウ高で16日には1万290円と9月25日以来の水準まで戻した。しかし、ここから1万500〜1万700円には厚い壁がある。しかも、日本では、これから9月期決算が発表される。日本の株式市場は出来高が6月をピークに閑散状態が続いている。このため、日本の証券がJPモルガンのような大幅増益というわけには行かない。さらに、新政権の政策公約実行に伴う、反対側の部分での影響が大きい。失業問題では「年末危機説」、「来年2月危機説」が急速に台頭している。

 新政権の現実経済の難しさを現しているのが「日本航空問題」だろう。既に、株価は100円攻防の危機的ラインに来ている。株価には一喜一憂しないというが、「会社は潰さない」という約束は守れるのかどうか。
 「八ツ場ダムなど全国のダム建設中止」、「成田空港問題」、「債務返済猶予問題」など、多くの国民に発言が乱暴すぎるとの印象を与えたことはある。介護職員処遇改善交付金についても、申請している施設は半分程度にとどまっているという。「いつ、政策方針が変わるか分からない不安がある。一旦、給与を上げたら簡単には下げられない」という声だ。こうした声が25日投票の神奈川、静岡の参議院補欠選挙でどう出てくるか気になるところではある。

 来年度の予算は90兆円台を超えて過去最高となりそうだ。国民が反対なら、政策公約は止める、ということのようだ。仮にそうなら家計にも企業にも厳しい状況となってしまう。26日からの国会論戦はかなり激しいものが予想される。トンボの羽をとったらただのピーナッツと言われるように、NYダウを取ったら日本株は、独力で上値を追える状況ではない。運用ノルマのない個人投資家は無理をすることはない。様子を見るところ。歴史的転換の国会の姿をじっくり見た上で投資しても十分に間に合う。
posted by 犬丸正寛 at 18:12 | 株で見る世の中

2009年10月15日

NYダウ1万ドル回復の背景と日経平均の行方=犬丸正寛の相場の視点

■NYダウは日経平均に対し3カ月から5カ月遅れ

NYダウ1万ドル回復の背景と日経平均の行方=犬丸正寛 NYダウが1年ぶりに1万ドルを回復した。「インテル」、「JPモルガン」など、企業業績の回復が支援となった。アメリカ経済が最悪期を過ぎ、回復に向っているということである。結構なことだ。
 一方、相場サイクルの視点から、NYダウの1万ドル回復を眺めることもできる。その結論から言うと、NYダウは日経平均に対し出遅れていたことがある。1万ドル台乗せで、出遅れ感が一巡する可能性がある。『出遅れ株は深追いするな』、の教えもあり、ここからは強気一辺倒では危ない。
 サイクルを見るには、実は、両指数の「日付」けが重要である。NYダウが高値をつけたのは『2007年10月』の1万4198ドル。日経平均の高値はこれより3ヶ月早い『2007年7月』の1万8295円。
 そして、金融ショック安による安値はNYダウが『2009年3月』の6469ドル。一方の日経平均は『2008年10月』に6994円で安値をつけている。
 つまり、日経平均はNYダウに対し、高値で3ヶ月、安値では5ヶ月も早い動きとなっている。そして、日経平均が1万円を回復したのが2009年6月11日。ここから4ヶ月遅れて、今般、NYダウが1万ドルを回復したことになる。3〜5ヶ月遅れのリズムが生きている。
 また、「日経平均」÷「NYダウ」=「NN倍率」でも、今年7月時点では0.99倍となっていたが、ここをボトムに日経平均がNYダウに先行する形で上昇。NN倍率は1.13倍程度と日経平均優位が続いていた。仮に、今後、日経平均が大きく上昇することなく、今くらいの水準を維持するなら、NN倍率が1倍まで低下するとすればNYダウは1万200ドル台が見込める計算だ。
 しかし、日米とも景気に対し心配な材料が多い。アメリカでは、自動車購入支援が終わった。失業率も依然として高い。財政赤字も大きく、軍事費拡大にあまり頼ることはできない。医療制度問題もある。一方の日本も、今さら言うまでもなく、新政権による、株にとって「負」の部分があちこちで表面化している。しかも、来年度の予算は90兆円台に乗せ赤字国債の可能性もあるという。財政赤字は膨らむ。特に、心配な点は企業を刺激する政策でないだけに景気が浮揚する期待が持てないことだ。
 通常、出遅れ株が買い一巡となった相場はどうなるか。徐々に、「マイナス材料に敏感となり始める」。これから、オバマ政権1年、鳩山政権100日目のそれぞれフシ目を迎える。残念ながら、これまでの景気は「自律反発」であって、実績による回復ではない。両政権が景気に対し具体的にどのような手を打つか。それによって相場の行方が変わってくる。
posted by 犬丸正寛 at 14:23 | 株で見る世の中