
来週(11月30〜12月4日)を含む今後の相場展望は、『円高の行方』、『政局波乱』、『12月師走相場の行方』などが注目される。
27日(金)に1ドル・84円台に進んだ「円高」。表面的には、米国の低金利政策が原因と受け止められている。しかし、真意は違うところにあるように思われる。特に、米国オバマ大統領がアジア訪問から帰国した途端に円高が始まった印象だ。
APEC首脳会議出席を兼ねて来日したオバマ大統領。日程を延ばして日本に滞在し、日本との同盟関係を講演で強調した。しかし、オバマ大領を日本に残し、さっさと、シンガポールに向った鳩山総理。われわれ庶民感覚では、大切な来客は、玄関まで見送るのが、エチケットのように思うのだが。
さらに、シンガポールでの総理の発言は東京での大統領との会談をくつがえすかのようなコメント。しかも、出てくる言葉は「対等」。
アメリカは、かなり頭に血が上ったはずだ。その一撃がドル安容認による「円高」だろう。今の鳩山政権の泣き所は、「景気の悪化懸念」。円高で締め上げれば、輸出依存型の日本経済はひとたまりもない。企業は雇用を抑え、デフレはますます進行する。庶民に優しいはずの政権が、逆に、厳しい事態を招く。
現在の「円高」は経済的な理由より、政治的な意味合いが強いように思われる。それでも、ひとまず、円高は止まることも予想される。しかし、対米政策の対応を誤ると、いっそうの円高、たとえば70円程度の円高に進む懸念はある。当然、強烈なデフレに落ち込んでしまう。民主党政権を選んだ国民が、そこまでは望んでいないはずだ。
鳩山総理の政治資金の問題も控えている。野党の攻撃で政局が混迷すれば、景気対策は遅れ、沖縄問題も決着が遅れる。株だけではなく、庶民の生活が非常に苦しいものとなる。
一方、来週は12月相場入り。1992〜98年の17年間で、月初に比べ月末の日経平均が高い「陽線」は9回、反対に月初より月末の安い「陰線」は8回と、ほぼ互角。直近では07年は440円の陰線、08年は395円の陽線だった。陽線、陰線の幅はどちらもそれほど大きくはない特徴がある。
当面は、30日線との乖離がマイナス8%まで拡大したことで突込み警戒感が台頭している。特に、空売り筋も、新規売りより買い戻しを先行させるものとみられる。もちろん、戻りが鈍いとみれば、再度、売り攻勢が予想されるが、目先は売り方も深追いはし難い。
こうしてみると、「政策不況」に対し、政権が、どのような手を打ってくるかが今後の相場を見る一番のポイントである。景気と対米政策に効果のある手が打たれるなら、相場は急反発に向うだろう。何も手が打たれないと、厳しい師走相場に追い込まれる心配がある。
posted by 犬丸正寛 at 18:56
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株で見る世の中